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記事一覧
【140字小説】届かぬ想い(140文字)
「もう、終わりにしてくれ」
彼の口から放たれた言葉が、私の胸に着弾した。
胸の痛みで息ができなくなった。
「どうして?」
「わかっているだろ」
「私はこんなに好きなのに!他の女がいるのね?」
私は泣きながら叫んだ。
「違う」
「じゃあ何よ!?」
「僕は君のこと知らないんだ!付きまとわないでくれ!」
【140字小説】働き方改革の効果について(140文字)
同期の結城と葛城が役所の食堂で昼食を食べていた。
「結城の課って仲良さそうでいいよな」
「え?うち?」
「事務室の前を通ると笑い声がよく聞こえるよ」
「ああ・・・」
「うちは、上がパワハラだからシーンとしてる。いいよなぁ」
「うちも同じ。それをごまかすために課長が笑い声だけ流してるだけだぞ」
【140字小説】アーマゲドン(140文字)
それは真夜中だった。
尋常じゃない揺れが襲った。
飛び起きたが、とても立てないほどの揺れだった。
部屋の物全てがシェイクされているようだった。
俺は頭に衝撃を受け記憶が途絶えた。
どれくらい経っただろう。意識が戻り目を開けた。
板の上で寝ていた。誰もいない。あるのは赤く染まった海だけだった。
【140字小説】悪友
「勝也?悪い、ちょっと待合せに間に合わないわ」
「どうした?」
豊が電話にでた。
「腹痛くなって駅のトイレに並んでるんだけど、『大』のトイレが一つしかないのに誰かがこもってんだ」
「辛そうだな」
「すまん」
「気にするなよ」
「お前、今、どこ?」
「ん?駅のトイレ」
「は?この行列お前のせいか!」