松下幸之助「充実した張りのある生活」
動物園の動物は、食べる不安は何もない。
他の動物から危害を加えられる心配も何もない。
きまった時間に、いろいろ栄養がある食べ物が与えられ、保護されたオリの中で、寝そべり、アクビをし、ゆうゆうたるものである。
しかしそれで彼らは喜んでいるのだろうか。
その心はわからないけれども、それでも彼らが、身の危険にさらされながらも、果てしない原野をかけめぐっているときの幸せを、時に心に思い浮かべているような気もするのである。
おたがいに、いっさい何の不安もなく、危険もなければ心配もなく、したがって苦心する必要もなければ努力する必要もない、そんな境遇にあこがれることがしばしばある。
しかしはたしてその境遇から力強い生きがいが生まれるだろうか。
やはり次々と困難に直面し、右にすべきか左にすべきかの不安な岐路にたちつつも、あらゆる力を傾け、命をかけてそれを切り抜けてゆく
そこにこそ人間としていちばん充実した張りのある生活があるともいえよう。
困難に心が弱くなったとき、こういうこともまた考えたい。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
適度な緊張感は生活に張りを与えてくれる。
オンとオフ、オンの状態が長すぎると疲れてしまうが、逆にオフの時間が長すぎると、生活に張りがなくなり、生きる意味を見失うことがもある。
最近では「働き方改革」の流れから、オンの時間を出来るだけ効率化して減らし、オフの時間を増やす傾向にある。
大事なのは、オフの時間をただ漫然と過ごすのではなく、趣味や自分磨き、自分が成長できることにの時間を使うこと。
困難に立ち向かい、成長できることに喜びを感じる生き方を私は求めて行きたい。
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