Farzaneh

都内の大学につとめています。ドメスティック・パートナーとの暮らしが基本。30か国以上の…

Farzaneh

都内の大学につとめています。ドメスティック・パートナーとの暮らしが基本。30か国以上の訪問経験あり。この1年ほど、自分の軸が見えなくなって戸惑っています。一緒に住んでいたネコたちが逝ってしまいペットロス。

最近の記事

のりしろオリンピック

オリンピックTokyo2020の開催にはいろいろな意見がある。 個人的には、無観客で開催がよいと思っていたので、それがかなったともいえるが、もっと早く無観客宣言をして、選手や大会関係者に混乱をきたさないように、感染症の拡大に万全を期していることを広く知らせ、インターネットを利用した音声の応援などの工夫をしてほしかったと思っている。 開会式セレモニーにも批判は多々あるが、1964年と比べると「ユーモア」のある演出が入っているところが良いと思った。日本もそれだけ成熟した国にな

    • あかんたれ

      成田凌がこんなにいい俳優さんだとは知らなかった。朝ドラ「おちょやん」の一平(ヒロイン千代の夫)を演じているのだが、その「あかんたれ」ぶりが新鮮だ。あのイケメンがずいぶん存在感を控えめにしているなぁ、と思っていたら、妻を裏切るという爆弾を抱えた役だったのだ。 昔から、関西のドラマはどうして「しっかり者のごりょんさんとあかんたれの若旦那」が好きなのだろう、そしてごりょんさんがあかんたれの息子(ぼん)を再生産し続けるのをどうして容認するような筋立てなのだろう、と思っていた。甘った

      • 正しく恐れる、ために

        「コロナ疲れ」とメディアが言っている。「いつまで、これが続くのよ」という思いを持つのは当然だろう。とはいえ、去年の時点で、この感染症への対応は「hummer & dance」と説明されている。きつい行動制限(ハンマー)をして、そのあと少し事態が良くなったら規制を緩めて楽しむ(ダンス)、そうすると感染者が増えるので次のハンマー、そうして折を見てまたちょっとダンス...その繰り返しにならざるをえないということを覚悟しないといけないんじゃないのかな。 自分が去年の2月に考えていて

        • 聖火リレーをつづけること

          東京オリンピックをしてほしいと思っている。景気浮揚のためのイベントにまみれたオリンピックを見直す重要な機会になると思う。参加国が少なくても、世界からアスリートが集まって競い合い、出会いの場を提供できればいいのだ。橋本聖子さんがんばれ。 選手がカスミを食って生きているわけじゃないし、競技運営のためにはお金がかかる。だから、経済活動もそこに入るのは仕方ないけど、近年のとにかくイベントをやって経済を活性化させようとそこに群がる有象無象は、少し整理してもいいと思ってる。だいたい、オ

        のりしろオリンピック

          マラドーナのワンタッチパス

          ずっと以前、マラドーナが来日して、(たしか)当時の日本代表と当時の国立競技場で試合をしたときのこと。当時はサッカー人気が低迷していたために、当日券でそういった試合も観戦できた。 マラドーナが味方のパスを胸で受けて、トラップをするように見えた。ところが、ボールはマラドーナの足元ではなくて、彼の(あまり長くない)足が届かないところに跳ねた。「あら、マラドーナでもトラップミスをするのね」と思ってみていたら、そのボールの跳ねた先にマラドーナのチームの選手が駆け込んできていた(弟のウ

          マラドーナのワンタッチパス

          迷惑

          私は「迷惑」という考え方になかなか馴染めない。英訳をしようとしてみるとわかるのだが、とても曖昧で規定しがたいものなのだ。まあ、迷惑を受けるのもかけるのもいい気のしないものだ、という社会であることがプラスになることもあるかもしれない、と全く思わないではない。けれども「他人さまに迷惑をかけないように」という呪縛のために正当な主張やちょっとしたお願いもできないことが多く、周囲の力を借りたりアピールしたりしていれば追い込まれないですんだのに、という場合も少なくない気がする。 そこで

          2021年1月29日

          NHK「あさいち」に出演のトータス松本を観ていて思ったこと。そう、彼が演じた「おちょやん」のテルヲは悪い人間ではない。その場その場をなんだかんだ言って切り抜けることで手いっぱいになってしまっている~それがその先どのようなことを引き起こすかは考えない、考える余裕がない、何かが起きればその時はその時で言い抜けるしかない~ということだと思う。その術が、千代の「おげたじょうず」に継承されているわけで、その伝では親子なのだ。そしておそらくは、彼の資質もあるだろうけど、彼は別の生き方のモ

          2021年1月29日

          さようならハーディー

          ペットロスです。 辱知猫義久々老衰にて衰弱の処、療養不相叶、大晦の晦日未明に、自宅寝室にて逝去致候。遺体の義は、数日冷蔵の後に慈恵院にて荼毘に付し候。年始の折にて、ご会葬には及び不申候 お腹の白い毛がチャームポイントの黒猫でした。大らかな性格で、多くの方々に可愛がっていただきました。悪くない生であったのではないかと思っています。 ちなみに、夏目漱石の有名な黒猫の逝去を告げたのはこのような文章だったそうです。 「辱知猫義久々病気の処、療養不相叶(あいかなわず)、昨夜いつ

          さようならハーディー

          ホーム・スイート・ホーム

          今回のCOVID-19は、誰もが予想しなかった方法でグローバル化する世界に打撃を与えつつある。私にとって興味深いのは、「グローバル化」でどんどん低くなっていた「国境」を再認識させ、「ホーム」と「アウェイ」の線引きを再度明確化しているところだ。 イランでの感染者数が増え始めたところで、中国人がこぞって帰国を決めた時、私たちはその報に接して「へぇ、コロナの震源地でも戻りたいんだ」と思った。かくいう自分も、COVID-19の感染が早くからみられた日本(ホーム)に、這う這うの体で帰

          ホーム・スイート・ホーム

          非常時に問われる教養

          ずっと以前NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」を観ていて、忘れられないシーンがあった。桜田淳子(*)演じる政宗の正妻(めご)のところに、非常に取り乱した様子の側室(猫どの、秋吉久美子が演じていた)がやってきて、とても心配で、不安で、寂しくて、と訴えたのである。それに対して、正妻めごは、「戦の時に女はなにもできない」と諭し、音曲などの嗜みはあるかと問う。猫どのは、戸惑ったような顔で、楽器はできないが舞踊ならば少し心得がある、と答える。めごは、では自分と自分に仕えている者とで筝や鼓の

          非常時に問われる教養

          ずっと忘れないよ

          白黒猫のミリヤムの1周忌になる。 この写真は、病状が進んで、もう一緒にいられる時間が限られていると思って撮ったもの。それ以前はもっとふっくらしていて、鼻や肉球のピンクもきれいな、美猫だった。 思い出はたくさんあるけど、とりわけ気になるのは、私の事情を察して死期を決めたんじゃないかってこと。私が4月から長期に外国に出ることが決まっていた状況で、2月ごろからミリヤムはどんどん具合が悪くなっていった。数年前に悪性腫瘍を手術し、その後は薬を飲ませ続けていた、年齢も年齢だった(15

          ずっと忘れないよ

          ウィルスはミサイルより怖い?!

          この1~2週間のCOVID-19をめぐる集団心理をみていて、20世紀末にHIVが騒がれた時のいやーな気分を思い出した。今では、少なくとも表向きは(内心やホンネは別にあったとしても)LGBTだからといって市民権をはく奪されてはならない、という主張が広く認められているように思える。けれども当時、「エイズ」と同性愛者の性がイメージ上でどこか後ろ暗い絵として重ね合わされ、HIV+と同性愛者が一緒くたに忌避・排除の対象とされていた記憶がある。 今はやりのウィルスが中国発である、という

          ウィルスはミサイルより怖い?!

          母というものは切ない存在らしい

          TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」の2月19日放送の「相談は踊る」コーナーを聴いていて、私の母もこんな番組に出会っていたら、もう少し良い晩年を過ごせたかもしれない、と思った。それは、大人になった娘が二回りも年上の男性とつきあっていて、それに干渉してはならないと思いつつも心配せずにはいられない心情がつづられた手紙をとりあげていた。アシスタントの小倉優子アナウンサーも涙を流しながら、母親の切ない思いを受け留めている様子だった。 「百点満点の良妻賢母」をめざした私の母は、

          母というものは切ない存在らしい

          アンケート調査

          東京外国語大学の林学長が、学生がイベントのために行ったアンケートについて謝罪した。http://www.tufs.ac.jp/NEWS/notice/200214_1.html これを自分の問題として考える時に悩むポイントは2つ: 1.あえて刺激的な(差別やいじめにつながるかもしれない)表現を使った方が反応がシャープになるし、人の目を引いて、イベントの集客につながり、結果としてはより大勢の人に問題提起できるかもしれない、と思うこと 2.https://srad.jp/~

          アンケート調査

          公共料金とマンションの頭金

          パートナーと一緒に住むことにして、マンションを購入した。パートナーが親からもらったお金と貯金とで頭金を出した。マンションの中の動産や「ソフト」は大方私が手配することになり、公共料金は私の名前で契約し、私の銀行口座から引き落とすことになった。 もし大喧嘩になって、「誰のおかげでここに住んでいられるんだ」と言われたら、「ここの水も、電気も、ガスも、電話も、使えるのは私のおかげなんだからね。文句があるなら、公衆トイレまでいって用をたしてちょうだい」と言い返せる。 でもそんな喧嘩

          公共料金とマンションの頭金

          事実婚

          今のパートナーと一緒に暮らそう、となったとき、夫婦別姓が認められたら籍をいれようね、ということで事実婚を選んだ。その後、待てど暮らせど選択的夫婦別姓法が可決されず、20年以上が経ってしまった。 不都合は何一つない。住んでいるマンションは二人の名義にしてあるし、それぞれの収入を確保し、必要に応じて助け合って暮らしている。数年前に、事実婚でも生命保険のお金がもらえることがわかって手続きをした。(以降、パートナーはいつ寝首をかかれるかと心配して眠れなくなった、というのはウソ、冗談

          事実婚