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ホーム・スイート・ホーム

今回のCOVID-19は、誰もが予想しなかった方法でグローバル化する世界に打撃を与えつつある。私にとって興味深いのは、「グローバル化」でどんどん低くなっていた「国境」を再認識させ、「ホーム」と「アウェイ」の線引きを再度明確化しているところだ。

イランでの感染者数が増え始めたところで、中国人がこぞって帰国を決めた時、私たちはその報に接して「へぇ、コロナの震源地でも戻りたいんだ」と思った。かくいう自分も、COVID-19の感染が早くからみられた日本(ホーム)に、這う這うの体で帰国した。空港では、ミラノの自宅(ホーム)に戻るというイタリア人青年に会った。彼の家族は皆元気だ、と話していた。そして在京アメリカ大使館が在日のアメリカ人に帰国準備を促している。世界の感染者の1/4を誇り(!)、悲惨な病院の状況が連日報道されているあのアメリカに、である。

国境では、自国民以外は入れない、という選別がさらに厳しくなっている。(外国人差別がまかり通っている報に接することもある。)

気持ちはわかる。私だって外国で病院に入るのは嫌だと思って帰ってきた。家族や知人・友人も、心配して帰国を促し受け入れてくれた。そして帰国後はひたすら「#StayAtHome」に貢献。

自分の住むマンションを「埴生の宿」だとはさっぱり思えないが、ふらふらといろいろな国に出入りするフーテン生活を一時停止して、「スイート・ホーム」にいるのも悪くない、という気分。もともと密な接触は得意じゃないので、さして苦痛もない。

こうしたホーム再認識は、COVID後の世界でどう作用するのか、じっくりみてゆきたい。

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