東京パピーズ

東京パピーズというバンドです。KingfisherRecords所属。1stフルアルバ…

東京パピーズ

東京パピーズというバンドです。KingfisherRecords所属。1stフルアルバム「地球儀」配信中! https://tokyopuppies.jimdofree.com/

記事一覧

無題

今日は誕生日、いちばん好きな店のランチ、夜には長い付き合いの気のいい友人が焼肉を予約してくれている。三十一になりました。生きれば生きるほど、日々は、楽しくつよく…

東京パピーズ
6か月前
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お知らせ

パピーズから磯崎が脱退します。三年間、思えばちょうど緊急事態とやらの始まりから終わり(?)まで、いっしょに、長い冬ごもりのようなものだったかもしれん。歳の違うわり…

東京パピーズ
11か月前
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地鳴りのような愛を

真っ当でありたい、真っ当がなんなのか考える、それだけで日が暮れてしまう、それだけで夜が明けてしまう。ひとつずつ数えて、三十個になったら一ヶ月、一年、また一年が経…

5

「流れ星を待っている」

十年、二十年と待つことができますか。壊れたものと、壊れていくものたちの狭間で、それを見届ける覚悟がありますか。 覚悟なんてあってもなくても日々は続くのだけれど、…

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「天使のきもちになって」

人の時間はいいかげんだ。のびたり縮んだり、弛んだり、錆びたり、乾いたり、みじめでまじめで、際限なく自由で不自由で、そして俺たちはなんとなく、人の時間の外側に、も…

5

「痛みはかばんに突っ込んで」

七ヶ月連続リリースも残すところあと三曲。ここまで古い曲も多く、ブログも古い話が多かったけど、ここからは僕がもう少し大人になってからつくったものが続きます。だから…

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「放射線とまちかど」

2014は2014年に書いた。2014年のことを書き残さなきゃいけないと思った。それは大きなできごとがあったからじゃなくて、あまりにとりとめのない、揺蕩うような時代だったか…

2

「雨に唄えば」

四月の雨がだいすきだ。雨には色んな名前がある、五月雨とか長雨とか、瀑とか霧雨とかスコールとか、だけどそれは、雨のはなし。雨なんか誰でも知ってる。俺がしたいのは「…

9

「八月は夢のなか」

老荘なんかほとんど知らないけれど荘子は割にすきで、いわゆる胡蝶の夢、蝶になった夢をみて目が覚めたけど逆にこっちが蝶のみてる夢かもしれないわってやつ、それはきっと…

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「メリーのはなし」

メリーのはなしは沢山あるんです。メリーとの付き合いはもう7、8年になるかしら僕はバンドをはじめたばかりの学生とかでこれはすごい曲を作ってしまったぞと妙正寺川沿いの…

9

誕生日

一月二十四日、木村ひっそりと29歳になりました。皆様の愛に支えられ、気がつけば30も目前に近づき最近はと言えばなんと禁煙、ラジオ体操にランニング、お湯割り飲んでハイ…

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地球儀を自転車にのせて 第四回「ワールドターニング」

地球儀を自転車にのせて 木村太郎 第四回「ワールドターニング」 きみは、いつもいつも。時を止めようとばかりしているね。ヒトの欲。ヒトの形。ヒトの頭。遠慮なくご…

3

地球儀を自転車にのせて 第三回「やさしい人」

地球儀を自転車にのせて 木村太郎 第三回「やさしい人」 そんなに熱心なファンではないけれど、サウナは好きだ。というか水風呂が好きだ。冷たい水が大好きだ。水道水だ…

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地球儀を自転車にのせて 第二回「火星の暮らし」

地球儀を自転車にのせて 木村太郎 第二回「火星の暮らし」 ピカデリーだったか、バルト9だったか忘れたけど『ボヘミアン・ラプソディ』はペドラザの足立と観に行った。…

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地球儀を自転車にのせて  第一回「オレンジ」

地球儀を自転車にのせて 木村太郎 第一回 「オレンジ」 このあいだ、マイアミパーティのさくらい君と神宮辺りを散歩した。 病的に真っ白な本屋の地下で、彼が読みた…

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今日から

東京パピーズ1stフルアルバム「地球儀」より、なんと!? 全9曲のミュージックビデオ公開決定! 題して-地球儀 VIDEOS-  第一弾は「オレンジ」 本日9/12(土)22時~プレ…

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無題

今日は誕生日、いちばん好きな店のランチ、夜には長い付き合いの気のいい友人が焼肉を予約してくれている。三十一になりました。生きれば生きるほど、日々は、楽しくつよくなるようで、真逆を言う人もいるけれど、すまんけど俺はあんまり歳をとるのが辛いってわかんないかもしれん。

非力で何もできないのがいちばん辛い。悔しくてしかたない。プライドのかたまりなんだろうかこどものころからずっと、一秒でも早く大人になりた

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お知らせ

パピーズから磯崎が脱退します。三年間、思えばちょうど緊急事態とやらの始まりから終わり(?)まで、いっしょに、長い冬ごもりのようなものだったかもしれん。歳の違うわりに仲良しだったから少し寂しい。また風呂でも行こう。ともあれ彼の今後を、応援よろしくお願いします。

そして、パピーズはどうするんだって話ですが、なんと、三人組でやってみることにしました。スリーピースロックバンドです。

やったことがないか

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地鳴りのような愛を

真っ当でありたい、真っ当がなんなのか考える、それだけで日が暮れてしまう、それだけで夜が明けてしまう。ひとつずつ数えて、三十個になったら一ヶ月、一年、また一年が経ち十年、本当に、それだけの日々だった。

気がつけばね、早いもんだね、と話をあわせる。けどね、俺はね、そんなふうに思えたことがないんだ、一日は悲しいほど長くて、どうすれば水に浮かべて、どうすれば波に運んでもらえるんだろう。力いっぱいバタつい

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「流れ星を待っている」

十年、二十年と待つことができますか。壊れたものと、壊れていくものたちの狭間で、それを見届ける覚悟がありますか。

覚悟なんてあってもなくても日々は続くのだけれど、だけど敢えて覚悟しよう、それは孤独を分かちあうため。ちゃんと両手に掴んで「ほら」と見せてあげられるように。照れずに怖がらずに、それを差し出すために。ほとんど無力に等しい覚悟を決めよう。

痩せた花を詰んで、藁半紙に包んで赤いマッキーのリボ

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「天使のきもちになって」

人の時間はいいかげんだ。のびたり縮んだり、弛んだり、錆びたり、乾いたり、みじめでまじめで、際限なく自由で不自由で、そして俺たちはなんとなく、人の時間の外側に、もうすこしちゃんとした時間があるんじゃないかと、そんな気がしている。そいつが、できれば世界とか歴史とかそんなみみっちいものじゃなく、もうすこし清潔で柔らかいものだったらいいと俺は思う。なんとなくそれを天使と呼んでみる。

人の頭はいいかげんだ

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「痛みはかばんに突っ込んで」

七ヶ月連続リリースも残すところあと三曲。ここまで古い曲も多く、ブログも古い話が多かったけど、ここからは僕がもう少し大人になってからつくったものが続きます。だからあまり客観的な話もできないんだけども。「枯葉」はきっと痛みについてのうたです。そう思って書いたというより、書いてしばらく経ったいま、ゆっくり考えているところです。

痛みって何だろう。それはたいてい絶望とか死とか憂鬱と同じ棚に並べてある。並

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「放射線とまちかど」

「放射線とまちかど」

2014は2014年に書いた。2014年のことを書き残さなきゃいけないと思った。それは大きなできごとがあったからじゃなくて、あまりにとりとめのない、揺蕩うような時代だったから。いずれ消えてなくなるような脆いものたちの悲鳴が、街中から聞こえていた。

大きな地震があった。それからゆっくりと何年もかけて、このまちは少しずつへんになっていった。何が起きているのか。何も起きていないような気もした。誰もが口

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「雨に唄えば」

「雨に唄えば」

四月の雨がだいすきだ。雨には色んな名前がある、五月雨とか長雨とか、瀑とか霧雨とかスコールとか、だけどそれは、雨のはなし。雨なんか誰でも知ってる。俺がしたいのは「この」雨のはなし。ぼくしか知らない「この」のはなし。

歌う、唄う、詠う、うたうことの目的は結局そこにあるんだと思う。ひとつしかない「この」を表す、現す。take place、場所を持たなきゃ「この」は生まれない。存在することもない。うたう

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「八月は夢のなか」

老荘なんかほとんど知らないけれど荘子は割にすきで、いわゆる胡蝶の夢、蝶になった夢をみて目が覚めたけど逆にこっちが蝶のみてる夢かもしれないわってやつ、それはきっと軟弱な唯我論ではなくもっといのちのどまんなかに関わる話をしているんだろう。そしてどっちでも同じことだと言いきるダイナミズムはこれぞ諸子百家という力強さで、どうにもわけのわからない世の中を身一つで生ききろうとする切迫感が胸を打つ、願いはいつも

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「メリーのはなし」

メリーのはなしは沢山あるんです。メリーとの付き合いはもう7、8年になるかしら僕はバンドをはじめたばかりの学生とかでこれはすごい曲を作ってしまったぞと妙正寺川沿いのちいさな公園のブランコの裏のベンチでボイスメモをききながら悦に入ってたのをよく覚えています、あの公園には細いまま背の高い針時計があってそれはだいたい2時とか3時とか4時とかを指していてすべり台にはミニーマウスのでかいぬいぐるみが置き去りに

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誕生日

一月二十四日、木村ひっそりと29歳になりました。皆様の愛に支えられ、気がつけば30も目前に近づき最近はと言えばなんと禁煙、ラジオ体操にランニング、お湯割り飲んでハイドン聴いてとめっきり冬のジジイなので笑ってしまう、笑われちゃうかしら。しかし俺は至って真剣なのであって、実際大変だしこれは生きるため、アホほど強く生きるための謂わば臨戦体制もとい籠城戦なのである。敵はもちろん老いと死、生きてんだから当た

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地球儀を自転車にのせて 第四回「ワールドターニング」

地球儀を自転車にのせて
木村太郎

第四回「ワールドターニング」



きみは、いつもいつも。時を止めようとばかりしているね。ヒトの欲。ヒトの形。ヒトの頭。遠慮なくごりごりと音をたてて回る地球。どでかい土の塊。その摩擦。噛み潰すように筆を走らせる。その摩擦。不細工な詩人たちは、時を俎にたたきつける。打刻。その摩擦。熱、水蒸気のように立ち上る幻覚。咳き込んだのは誰だ。俺じゃない。俺だったらいいのに。
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地球儀を自転車にのせて 第三回「やさしい人」

地球儀を自転車にのせて
木村太郎

第三回「やさしい人」


そんなに熱心なファンではないけれど、サウナは好きだ。というか水風呂が好きだ。冷たい水が大好きだ。水道水だって、いつもがぶがぶ飲んでいる。

水はなんというか清潔な感じがいい。雨とか川とか、風呂を磨くときとか。漱石の何かに出てきた花瓶みたいなやつの水とか。海の良さはまた少し違うけれど、でも海もたまにそういう感じになる日がある。

そういう
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地球儀を自転車にのせて 第二回「火星の暮らし」

地球儀を自転車にのせて
木村太郎

第二回「火星の暮らし」



ピカデリーだったか、バルト9だったか忘れたけど『ボヘミアン・ラプソディ』はペドラザの足立と観に行った。

映画は好きだけど、シネコンなんて年に一度も行かないものだから妙に気合いが入ってしまう。デートだねえなんて笑いながら、コーラを買ったり、ポスターの前で写真を撮ったり、浮かれていた。

暗くなって、おしゃべりを止める。正直ちょっとな
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地球儀を自転車にのせて  第一回「オレンジ」

地球儀を自転車にのせて
木村太郎

第一回 「オレンジ」



このあいだ、マイアミパーティのさくらい君と神宮辺りを散歩した。

病的に真っ白な本屋の地下で、彼が読みたがったサリンジャーと、俺が好きなジョイスの短編集を買ってあげた。彼は川上未映子と森絵都をくれた。蛍の光が流れるレジで、今日もいちにち暇だった学生風の店員は、存外愉しそうに4冊分のカバーを付けてくれた。1冊は端が折れていた。

さくら
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今日から

東京パピーズ1stフルアルバム「地球儀」より、なんと!?
全9曲のミュージックビデオ公開決定!
題して-地球儀 VIDEOS- 

第一弾は「オレンジ」
本日9/12(土)22時~プレミア公開です。

また、今後それぞれのミュージックビデオに合わせて
Vo.木村太郎が綴る連載”地球儀を自転車にのせて“が本日よりnoteでスタートします。

楽曲と映像を繋ぐ木村の言葉を、是非愉しんでください。