無題

今日は誕生日、いちばん好きな店のランチ、夜には長い付き合いの気のいい友人が焼肉を予約してくれている。三十一になりました。生きれば生きるほど、日々は、楽しくつよくなるようで、真逆を言う人もいるけれど、すまんけど俺はあんまり歳をとるのが辛いってわかんないかもしれん。

非力で何もできないのがいちばん辛い。悔しくてしかたない。プライドのかたまりなんだろうかこどものころからずっと、一秒でも早く大人になりたかった。それなりに大人になるまで生きられてうれしいなあと晴れた朝なんかにはぼんやり思う。

だから案外すなおに感謝しています。自分のまわりにいる人たち、いなくても自分を知っていて大事に思っていてくれている人たち。さらに見知らぬリスナーまでいてくれるなんて。すごいことだなあとぼんやり思う。ありがとう。

そしてロックバンド、貧弱なぼくがつよくなるまで守り続けてくれたロックバンドたち、その半分くらいは昔の死人だったけども、しかし去年ぼくは初恋のザ・フーという八十歳のバンドのライブを彼らの生きるイングランドで観たのでした。そんな日が来るなんてあのころは考えられなかった。

絶望をとっておきたいとは思わない。そういう力は別段いらない。音楽をやるなら希望でありたい。「やさしくなりたい」と言ったからにはやさしくなりたい。美しい嘘とかにはぜんぜん興味ない。美しく生きるほうがずっといい。遠回りでも一向に構わない。どんとこい。

さて、焼肉食って飲んだくれてソファで寝ちゃおうと思っていたのだけど、急遽あしたはライブになりました。ATGのぞみが体調不良のようでClub Que、代打でパピーズがやります。いつかのサポートギターで「地球儀」をいっしょに録ったATGのザキムも参加します。いきなりだから正直びびってるけど精一杯やります。

しかし毎年毎年、性懲りもなく俺の誕生日は寒い。夜九時だったらしい。満月もちかい。とりあえず以上。今年もよろしく 木村

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