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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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#処世術

相法早引19(足る事を知る相を論ず)

相法早引19(足る事を知る相を論ず)



↑倉庫(そこ)

・倉庫(そこ)の肉付きが良く、鼻と眉が豊かで長い者。

・鼻と眉が豊かで長く、下停は後面が広い。さらに、地閣が広く、肉付きに締まりがある者。

以上の二カ条は、何れも足る事を知る相である。衣食住は、大いに良い。

・鼻の下に髭(ひげ)がある者は、早々に足る事を知る。

↑羅漢眉。

・図のような羅漢眉を備える者は、早々に足る事を知る。また、仏縁がある。慈悲の心がある。もし、出

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相法早引18(悋気/嫉妬心が強い相を論ず)

相法早引18(悋気/嫉妬心が強い相を論ず)

・顴骨(けんこつ、頬骨)が高く張りだしている者は、悋気が強い。

・また、この相は、肝気が強い人に多い。だが、色欲・情欲が弱い人については判断しない。

・発展し難い相である。

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相法早引17(意識を知る相を論ず)

相法早引17(意識を知る相を論ず)

・鼻が堅く観える者は、堅意地(かたいじ、=片意地)な心がある。

↑ギュッと閉じているのではなく、ゆったりと閉じている。

・無意識に手を差し出させた時、図のように親指を開かずに出す者は、必ず正直な心がある。

・鼻が和やかに観える者は、必ず素直な心がある。

・鼻が高い者は高慢であり(=気位が高い)、鼻が低い者は謙虚である(≒親しみやすい)。

・頭が後ろへ長い者は心が丈夫で、思慮深い。逆に、頭

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相法早引15(腎気が弱く、短命の類を論ず)

相法早引15(腎気が弱く、短命の類を論ず)

・鼻が和やかに観える者。

・鼻が短い者。

・鼻が小さい者。

・山根(さんこん、=目の間の鼻筋)が落入っている者。

・耳が和やかに観える者。

・耳が薄い者。

・眼がひどく出ている者。

・喉の骨(=喉仏)が無いように観える者。

・乱杭歯がある(=歯並びが悪い)者。

・常に、口中、歯肉の間に涎(よだれ)が溜まる者。

・常に、口が開いているようで、口の締りが悪い者。

以上の相が一つで

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相法早引14(運が強く、腎が厚く、長命な相を論ず)

相法早引14(運が強く、腎が厚く、長命な相を論ず)

・鼻が長いように観え、かつ豊かで堅く観える者。

・歯が細くなく、程良く長い者。

・耳の肉付きが良く、耳が堅く観える者。

・鼻の下が豊かに観え、締りが良く、口を開いていない者。

・顔の皮が厚く、よく締まっているように観える者。

以上の内の一相がある者は、運気が強く、腎が厚く、長命である。また、内心は丈夫で、相応の福分がある。さらに、多少に関わらず、必ず奴僕(≒部下)を使う。

・鼻が豊かで

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相法早引13(運を開く相、開かない相を論ず)

相法早引13(運を開く相、開かない相を論ず)



↑「運を開く相」

図のように頤(おとがい、あご)に筋が廻(まわ)っている者は、運を開く人である。また、筋が少しだけ廻っているように観える者は、その当時から少しずつ運を開く。さらに、筋が深く廻り、その筋に勢いがなく、頤の辺りが淋しく観える者は、一度運を開きながらも、その当時は衰退がある人である、と判断する。

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相法早引12(師匠となる相を論ず)

相法早引12(師匠となる相を論ず)

・顴骨(=頬骨)が目の際より高く、耳の方へ通じる(≒張る)者は、必ず物の師範となる。

以上の一相がない者は、芸道に秀でたとしても、多くの門人を集める師になる事は出来ない。

・また、売人(=商人)で、この師骨(しこつ)がある者は、必ずその家業において優れている。

・また、志(こころざし)が高い者は、その家業を捨て、芸道に入る事がある。

・顴骨が低い者には、絶対に師徳はない。

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相法早引11(才智愚暗の相を論ず)

相法早引11(才智愚暗の相を論ず)

・耳が後ろへ引き上るように観える者。

・顴骨が眼の際より高く、後ろへ引き上るように観える者。

・眼に深みがあり、眼中が澄んでいる者。

以上の一相がある者は、必ず智がある。

・また、瞬(まばた)きが多い者は、才がある。俗に言う、目先が賢い者である。

・耳が清らかで正しく、天に向かう。また、顴骨が豊かで龍骨を現わし、眼が豊かで長く、黒白が分明で、ぼんやりしておらず、自ずと神(=神気)がある。

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相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

相法早引10(勢いが強く、家業が十方に広まる相を論ず)

・小鼻が怒り、顴骨が目の際より高い者。

・小鼻が怒り、法令線が広く、後面へ流れる者。

・顴骨が目の際より高く、法令線が後ろへ流れる者。

以上の内の一相がある者は、必ず勢いが強く、家業を十方に広め、名を天下に発する事がある。

・また、この相がある者は、必ず奴僕(ぬぼく、≒部下)を多く使っている。武家や長袖(=公家、神主、僧侶、医者、学者など)にある場合は、十方(=自分の周り)の人が臣下に等し

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相法早引9(発達無き相を論ず)

相法早引9(発達無き相を論ず)

・眉、目、耳、鼻、口に悉(ことごと)く障りがあって、正しくない者は、決して発展しない。

・胴体(=体)が小さい者。

・頭が小さい者。

以上の二相も発展し難い。

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相法早引8(発達のある相を論ず)

相法早引8(発達のある相を論ず)

・眉が豊かで、左右等しく整っていて、眉が目より長い者。

・眼が豊かで長く、眼中が正しく、眼がぼんやりしていない者。

・耳が豊かで、肉付きが厚く清く、高く上に付いている者。

・鼻が豊かで、肉付きが良く、形が正しく、長いように観える者。

・口が豊かで正しく、締りが良く、歯をあらわにしていない者。

以上の相が一つある者は、必ず生涯の内に相応の立身出世があるか、人の頭(かしら)となる。また、以上

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相法早引7(道徳の相を論ず)

相法早引7(道徳の相を論ず)

・上分の相があり、鼻が豊かで小鼻が怒り、準頭(せっとう、=鼻先)が丸く、顴骨が目の下から高く上に向かって引き付いている。また、胴体が大きく豊かで、臍は上に付いているように観える。このような相がある場合は、必ず道徳の人(≒善悪正邪を知る人)である。

・前述した道徳の相があって、鼻が天停(=額)へ貫く人は、その徳が天(≒君主、上司)に通じる。

・道徳の相があったとしても、鼻が天停へ貫いていない人は

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相法早引6(有徳の相を論ず)

相法早引6(有徳の相を論ず)

前述した上分の相があり、鼻が豊かで天停(てんてい、=額)へ貫くようであり、準頭(せっとう、=鼻先)が豊かで丸く、土星(どせい、=鼻)は十方によく通じ(≒広がり)、四岳(しがく、=額、右頬、左頬、顎)は中央(=鼻)を守っているように観える。以上のような相があれば、必ず徳のある人である。もし、平民にこの相があっても、下手におごり高ぶる事がない時は、吉である。以上に述べた「土星が十方に通じ、四岳が中央を

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相法早引5(威勢ある相を論ず)

相法早引5(威勢ある相を論ず)



↑「この左右の筋を法令と言う。」

前述した上分の相があり、顴骨が目の際から高く上に引き付き、小鼻が怒り、法令線が広く後面へ流れ、眼は豊かで長く、深く、神(しん、≒神気)がある。以上の相がある場合は、必ず威勢のある人である。もし、売人(=商人)にこの相がある時は、家庭を崩壊させ(≒破産させ、家を断絶させ)、後には梟木の刑に遭う。
*梟木(きょうぼく)の刑…梟首(さらしくび、=晒首)の事。竿首(

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