【勝因】『組織的な守備から縦に早い攻撃へ』~第34節ミランVSラツィオ~

試合結果

2022-23 セリエA 第34節
5/ 6 22:00K.O. @サンシーロ
ミラン(2-0)ラツィオ
17分 イスマエル・ベナセル
29分 テオ・エルナンデス

スタメン

2022-23シーズンのセリエAは、ナポリが33シーズンぶりの優勝を決めたが、チャンピオンズリーグ(CL)の出場権争いがし烈を極めている。

6ポイント差の中に6チームが並ぶ中で、前節終了時点で6位・ミランは勝点『58』、2位・ラツィオは勝点『64』となっており、両者の差は『6』となっている。ホームチームにとって、今節は何としても勝ちたい一戦である。対する、アウェイチームは2位の座を守りつつ、勝点差を広げるために勝利が欲しいところだ。

前節から先発8選手を入れ替えたミランは、組織的な守備から縦に早い攻撃を仕掛けて、ボールを保持するラツィオに対して主導権を握った。

前からアグレッシブにプレスを掛けるのではなく、しっかりと4-2-3-1のブロックを組み、中央を塞ぐ。ラツィオの逆三角形の中盤に対して、ミランは中盤を三角形にして完全に噛み合せる形にした。

8分には、アンカーのラデ・クルニッチがピッチ中央でアンカーのマルコス・アントニオからボールを奪うと、オリビエ・ジルーを経由して、ラファエウ・レオンが左サイドを突破してシュートを放つも、GKに阻まれた。開始早々に縦に早いカウンターでゴールに迫る形を作り出すも、このプレーでレアオンが足を負傷してしまう。左サイドを個の力で打開できる背番号17を負傷交代でかくことになり、アレクシス・サーレマーカーズが入った。

引き続きボールと人を捕まえる守備を行う中で、17分に先制点を奪取する。

ゴールキックをつなごうとしたラツィオに、ミランが襲いかかる。ジルーがプレスの先陣を切ると、PA手前で縦パスを受けるアントニオにイスマエル・べナセルが食いついた。背番号4はトラップ際にしっかりと寄せてボールを奪うと、そのままゴール前のジルーに縦パスを当てて、前に出ていく。これをジルーは丁寧に落とし、ベナセルが左足で右スミに流し込んだ。

リードしたミランはラツィオのサイド攻撃に対して、シモン・ケアーとフィカヨ・トモリのCBを中心にしっかりと跳ね返していくと、カウンターが炸裂する。29分、右サイドから上げられたクロスをGKマイク・メニャンがキャッチすると、左斜め前にいたテオ・エルナンデスにパスを出す。背番号19は自陣ゴール前からドリブルを開始し、左サイドを猛然と突き進んでいく。斜めに切れ込んでPA手前から左足を一閃。シュートは相手DFに当たったことでドライブ回転がかかり、GKの頭上から落ちるようにしてネットを揺らした。持ち味の馬力とパンチ力のある左足が火を吹き、約70m独走ゴールが生まれた。

2点を追い掛けるラツィオは後半に積極的に選手交代を行うも、ファーストプレスが定まらない。ミランがゆったりとパスを回しながら、うまく時計の針を進めていく。

試合終盤はラツィオがルイス・アルベルトを起点に左サイドからゴールに迫ったが、ピエール・カルル、マリック・チャウを投入したミランの守備は堅く、最後までネットを揺らせなかった。

試合は2‐0で終了。タイムアップの笛が鳴ると、サンシーロに駆け付けたサポーターが総立ちした。前半に組織的な守備と縦に早い攻撃を繰り出したミランが2ゴールを奪い、来季のCL出場権争いの大一番を制した。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!