【レビュー】『監督の采配と選手のパフォーマンスが噛み合った勝利』~第17節ファジアーノ岡山VSザスパクサツ群馬~

試合結果

2023 J2 第17節
5/21 19:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(2-1)群馬
2分 チアゴ・アウベス
49分 佐藤亮
85分ステファン・ムーク

スタメン

マッチレポート

木山監督の采配が的中。岡山が群馬を下し、4試合ぶりの勝利とJ2通算200勝を達成

選手が躍動し、監督の采配が的中した岡山。上位の群馬に競り勝って4試合ぶりの勝利を飾り、J2通算200勝を達成した。

岡山が電光石火の先制点を奪取する。2分、河野から櫻川へのロングボールで相手のプレスを交わし、左サイドに展開。今季初先発の高橋が仙波へパスを送ると、内側から駆け上がる。ワンツーでPA左の奥に進入した背番号42がゴール前に折り返し、チアゴ・アウベスが左足で合わせてネットを揺らした。練習で取り組んでいた形から得点が決まり、ベンチ前では選手が一列に並んでゆりかごパフォーマンスを披露。ルカオの第二子誕生を祝福した。

群馬は2試合連続で前半の立ち上がりに失点を喫するも、崩れない。岡山が2トップのパワーと両サイドからのクロスで攻め込んできたが、GK櫛引を中心に粘り強く守る。追加点を与えないでいると、立ち位置を流動的に変えながらパスをつないで反発していく。30分、細かなパス交換で右サイドを突破し、最後は天笠がミドルシュートを放ったが、枠を逸れた。35分に佐藤の直接FKがバーを直撃し、44分には山中のクロスに岡本が合わせたシュートは、ヨルディ・バイスにゴールライン上で掻き出された。前半は相手の好守に遭って無得点に終わったものの、勢いそのままに後半に入ると、49分に同点に追いつく。左サイドを突破した山中のパスが相手選手の手に当たってPKを獲得。これを佐藤が冷静に蹴り込んだ。

試合が振り出しに戻ると、両指揮官が積極的に選手交代を行う。交互に選手を送り出す中、ギアが上がったのは岡山だった。60分にルカオ、74分には高木友、田部井涼、79分にも本山遥とステファン・ムークを投入し、途中出場の選手が一心不乱にゴールに向かっていく。セットプレーを含めて相手を押し込むと、待望の決勝点が生まれる。85分、左サイドからのスローインを受けたルカオがオーバーヘッドキックでゴール前にパスを送り、ムークがボレーシュートを蹴り込んだ。

勝ち越しに成功した岡山は全員で体を張って守り切り、タイムアップを迎えた。今季初先発の高橋が先制点をアシストし、途中出場のルカオとムークが値千金の活躍で決勝点をもたらす。監督の采配と選手のパフォーマンスが噛み合って掴んだ勝利だった。一方の群馬はアウェイ戦で4連敗。敵地で勝ち切れない状況が続く。

コラム

先発起用に一発回答。電光石火の先制点を演出した高橋諒

左サイドの深い位置に入っていくこと。高橋諒は今季初先発で木山監督から与えられたミッションを完遂した。

試合開始から2分だった。左サイドのタッチライン際でパスを受けると、仙波にボールを預ける。そしてスタートを切った。外から内に進路を変えて前方に駆け出していく。自分の身体を相手の前に入れてマークを剥がしながらPA左に進入し、仙波のパスに抜け出すと、左足で折り返す。ゴール前は見ていなかったが、チアゴ・アウベスの動きを感じ取ったピンポイントクロスで先制点を演出した。

背番号42にとって、これが今節のファーストプレー。チームとして狙っている“ニアゾーン”を突く攻撃を最初のチャンスで体現し、結果に結び付けた。高橋はその後も左サイドに推進力をもたらす。果敢にドリブル突破を仕掛け、相手の背後を取るランニングを繰り出し、鈴木の攻撃参加を促すタメを作るプレーも見せた。

高橋は昨年末に湘南を契約満了になり、今季から岡山に加入した。“サイドのスペシャリスト”として期待されていたが、待っていたのはプレシーズンに負ったケガを治すリハビリからのスタート。復帰を目指す期間は、チームが勝ち切れない試合が続き、歯がゆさを感じていただろう。移籍後初先発となった今節は、これまで溜めていたパワーを解放するように持ち味を存分に発揮し、何度も左サイドを突破していった。J1通算97試合出場と豊富な経験を持つ高橋が、一発回答で先発起用に応えた。

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