【レビュー】『Cスタが沸いた。今季初の連勝』~第13節ファジアーノ岡山VSモンテディオ山形~

試合結果

2023 J2 第13節
5/3 14:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(2-0)山形
49分 仙波大志
51分 櫻川ソロモン

スタメン

マッチレポート

粘り強く守り、少ないチャンスをモノにした岡山。今季初の連勝を達成

5本のシュートで2得点を奪った岡山が山形を下し、1万人以上のサポーターと今季初の連勝の喜びを分かち合った。

前半に多くのチャンスを作り出したのは山形だった。サイドで細かくパスをつなぎながら、最前線の藤本が推進力を発揮してゴールに向かっていく。最初のチャンスは8分、相手のミスで獲得したCKから野田がヘディングシュートを放つも、ポストに当たった。14分には小西の鋭い縦パスを受けた田中が右足でシュートを打ち、23分には中央を突破した藤本がゴール前に進入して右足を振った。しかし、どちらもGK堀田の好守に防がれた。

岡山は前半だけで8本のシュートを許したものの、GK堀田、CBバイスと柳を中心に慌てることなく対応していく。そして、22分に田中の敵陣でのパスカットから最後はゴール前に走り込んだムークが惜しいシュートを放ったように、鋭いカウンターを繰り出しつつ、4試合ぶりに先発した仙波を中心に自陣からパスをつないで前進していく姿勢も見せた。

0-0で迎えた後半は山形がチアゴ・アウベスを投入してスタートするも、勢いが増したのは岡山だった。プレスの強度を強めてマイボールにすると、若い選手がゴールに襲い掛かる。49分、流動的なパスワークで左サイドをかく乱し、最後は仙波がPA左から右足を一閃。強烈かつコントロールされたシュートが右のサイドネットを揺らした。鮮やかな先制点にCスタが沸き、今季初得点を決めた背番号44は全身を使って喜びを爆発させた。すると、その2分後には佐野が巧みなステップで相手DFを翻弄し、左サイドから右足でクロスを上げる。これを櫻川が打点の高いヘディングシュートで右スミに流し込み、雄叫びを上げた。

後半の立ち上がりに失点を重ねた山形はアタッカーを投入し、両サイドからクロスを入れて反発する。しかし、ことごとくバイスに跳ね返されてしまう。さらに岡山が中盤の選手を入れ替えて守備の強度を維持したこともあって、細かなパスワークで中央をこじ開けることもできない。90+1分にはカウンターからアウベスが抜け出すも、シュートは左に逸れた。13本のシュートを放つも、最後までGK堀田の牙城を崩すことはできなかった。

攻守ともにゴール前でクオリティを発揮した岡山が今季初の連勝を達成し、勢いをもって次節の首位・町田戦に乗り込む。

コラム

ついに生まれた。櫻川のヘディングでの得点

櫻川が吠えた。喜びを爆発させた。

岡山が1点をリードして迎えた51分、左サイドを突破した佐野が右足でゴール前にクロスを蹴り込む。櫻川は相手DFの背中に回り込んでから、高く飛んだ。打点の高いヘディングでボールをしっかりと捉えると、叩きつけたシュートでゴール右スミを揺らした。

櫻川のヘディングでの得点は、監督、スタッフ、チームメイト、サポーター、そして本人が何よりも待ち望んでいたものだった。岡山は第5節・甲府戦から第11節・山口戦の7試合で未勝利が続いていたが、勝つチャンスもあった。特に櫻川には少なくない数のヘディングシュートでの決定機が訪れており、シュートが枠を捉えることができず、悔しさを滲ませていた。FWとしての責任感を強くもつ背番号18は、チームを勝たせられないことへの苛立ちも募らせていた。その中で監督にもアドバイスをもらいながら、地道にヘディングシュートの練習を続けると、その努力が今節に最高の形で実を結んだ。喜ぶ櫻川のもとに、チームメイトが次々と集まり、サポーターが大歓声を上げて彼の得点を祝福する。みんなが待っていた得点にCスタが沸いた。

今節の得点が一つのきっかけになり、目標の15得点を達成すべくこれからも貪欲にゴールに向かっていく。

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