【プレビュー】『J2通算200勝と浮上のきっかけ』~第17節ファジアーノ岡山VSザスパクサツ群馬~

マッチプレビュー

強みのセットプレーで掴むJ2通算200勝と浮上のきっかけ

前節・長崎戦はプレスが機能した。チームとして追い込み方を整備する中、2トップで先発したルカオとステファン・ムークが献身的にスイッチを入れ、全体が連動して敵陣で奪うシーンを創出。“良い守備から良い攻撃”を実践して少なくないチャンスを作るも、ゴール前での精度が上がらず、最後までネットを揺らすことができなかった。

これで3試合連続の引き分け。今季は6試合連続引き分けた時期もあったため、この流れを早く断ち切って勝点3を積み重ねていきたいところだ。

5位の群馬は、前節・水戸戦で逆転勝利を収めており、勢いよく乗り込んでくるだろう。だが、つけ入る隙はある。前節の6分に許した失点はCKから。CKの守備ではゾーンディフェンスを採用しており、ぽっかりと空いたファーサイドのスペースを後ろから自由に走り込んできた相手選手に突かれた形だった。

岡山の強みは、セットプレーだ。空中戦に強いバイス、柳、ルカオ、櫻川がいて、鋭い得点の嗅覚をもつチアゴ・アウベスもいる。前節に復帰した鈴木も183cmと高さがあり、ターゲットになれる選手を多くピッチに送り出している。彼らが一斉に走り出すことで、相手ゴール前を人数でかき乱すことができる。絶対的なキッカーである河野が前節に欠場したことは懸念材料の一つだが、河井、田部井も鋭いボールを供給しており、第8節・藤枝戦ではデザインした形での得点も決めているため、チームで狙いを体現できればチャンスは十分にある。

前回のホーム戦(第15節・大宮戦△1‐1)では試合終了後にスタンドから厳しい声も飛んだ。強みを発揮してサポーターの前で4試合ぶりの勝利を挙げ、J2通算200勝を浮上のきっかけにしたい。

コラム

大きな一歩を踏み出した山田恭也。次の一歩は新たなブレイクスルーを起こすこと

前節の81分にサポーターが待ち望んでいた瞬間が訪れた。ユースから昇格して4年目を迎える山田恭也が2年ぶりにピッチに立った。

2017年以来10人目となるユースからの昇格を果たした山田恭は、2021年にプロデビューを含む2試合に出場したが、プレータイムは5分に留まった。すると、翌年はJFLの高知ユナイテッドSCに育成型期限付き移籍。26試合出場1得点を記録し、実戦経験を積んだ。

高知で得た自信をもって復帰したが、なかなかチャンスが回ってこない。練習試合では得点とアシストを記録するも、ベンチ入りは2試合のみ。それでも練習場には腐らずに持ち味の鋭いシュートを積極的に放ち、献身的にプレーする彼の姿があった。

がむしゃらにアピールを続けた背番号30は、5試合ぶりにベンチ入りした前節に今季初出場を飾る。アクシデントによって急きょ右SBを務めたが、力強くロングボールを跳ね返すなど堂々とプレーした。本音を言えば、ゴール前で右足を振り抜くシーンを作りたかったかもしれない。しかし、アタッカーとして0‐0のピッチに入った事実は、大きな一歩になった。山田恭が踏む次の一歩は、現状を打破する新たなブレイクスルーを起こすことだ。

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