【勝因】『ギュンドアンがゴール前で見せた質の高さ』~プレミアリーグ第36節エヴァートンVSマンチェスター・シティ~

試合結果

2022-23 プレミアリーグ 第36節
5/14 22:00K.O. @グディソン・パーク
エヴァートン(0-3)マンチェスター・シティ
37分 イルカイ・ギュンドアン
39分 アーリング・ハーランド
51分 イルカイ・ギュンドアン

スタメン

現在リーグ戦10連勝中で首位を走るマンチェスター・シティ(以下:シティ)と残留争い真っ只中のエヴァートンが対戦した一戦は、イルカイ・ギュンドアンの2ゴール1アシストの大活躍で、シティが勝利を収めた。

立ち上がりからシティがボールを保持して攻め込み、エヴァートンが自陣に[5-4-1]のブロックを組んでカウンターを狙う構図で進んでいく。

[4‐1‐2‐3]のシティは、ディフェンスラインから1選手をロドリの横に上げる[3-2-5]の配置で、相手を左右に揺さぶっていく。最初は左SBで先発したマヌエル・アカンジがロドリの隣でビルドアップに関わっていたが。時間とスペースに余裕がある中で前方への効果的なパスを出せないでいると、前半途中でその役割が左CBのアイメリク・ラポルトに変わった。ラポルトがそのまま前に上がってボールを引き出し、左足での中距離フィードで相手の背後を突くパスを供給していった。

シティは両WGのドリブル突破とラポルトの配球で攻撃を展開していくも、エヴァートンが中央を徹底的に封鎖してきたこと、ニアゾーンを突くイルカイ・ギュンドアンとフリアン・アルバレスがマンマークされていたことで、ゴール前に踏み込むことができない。タッチライン際に立つWGから内側への斜めのパスに反応する形でギュンドアンが左のニアゾーンへの進入を試みるも、イドリサ・ゲイエのカバーリングに遭ってしまう。

一方のエヴァートンは集中した守備から、最前線のドミニク・カルバート=ルーウィンの推進力を起点にカウンターを狙っていく。シティの左サイドがアカンジとラポルトで可変してきたことで、攻撃から守備へ切り替わるときに生じるズレを突いていった。

シティはボールを保持しつつも、なかなかシュートを打てない時間が続く。時折エヴァートンの鋭いカウンターにさらされる中でも、焦れることはなかった。個の能力の高さでゴールをこじ開けてみせる。

37分、ボールを右サイドに展開し、リヤド・マフレズが右足でクロスを上げると、ゴール前中央に飛で待ち構えていたギュンドアンが相手DFの前に身体を入れながら、ももトラップで反転して右足のつま先でシュートを放ち、ネットを揺らした。狭いスペースで相手のプレッシャーも受けた中、一瞬のひらめきとそれを可能にする繊細な技術を発揮したギュンドアンがチームに先制点をもたらした。

均衡を打ち破った2分後だった。ギュンドアンが左サイドの深い位置でこぼれ球を拾うと、左足でクロスを送る。これをアーリング・ハーランドが打点の高いヘディングで合わせ、あっという間にリードを2点に広げた。

ハーフタイムにエヴァートンが選手交代をおこなったが、シティの勢いは止まらない。51分、ドリブル突破を図ったフィル・フォーデンがPA付近で倒されてFKを獲得。ゴールまで約20m、やや左の位置からのFKのキッカーはギュンドアン。背番号8がリスタートの笛の直後にワンステップで右足を振ると、イングランド代表GKジョーダン・ピックフォードのタイミングを外し、柔らかなシュートが壁を越えてゴール左スミに吸い込まれた。

3点を追い掛ける17・位エヴァートンは残留に向けて、少しでも得失点差をプラスにするべく、CKからチャンスを作るも、65分のジェームズ・ターコウスキーのヘディングシュートはクロスバーに当たった。

試合終盤はシティが17日にホームで開催されるチャンピオンズリーグ・準決勝のセカンドレグも見据えて選手交代をおこない、危なげなく時計の針を進めてタイムアップ。

ゴール前で質の高いプレーを発揮したイルカイ・ギュンドアンがチームを勝利に導き、シティはリーグ戦11連勝で優勝へ突き進む。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!