【プレビュー】『若い力とベテランの経験で乗り越える正念場』~第16節V・ファーレン長崎VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

主力不在の正念場。新たなブレイクスルーで乗り越える

岡山は正念場を迎えている。

前節・大宮戦は佐野と坂本がU-20日本代表で離脱する中、堀田と鈴木がコンディション不良で欠場し、急造のメンバーと戦術で臨んだ。一方的に相手を押し込んだ前半は得点を奪うことができなかったものの、後半に田中の今季初得点で先制に成功。1点リードで試合終盤を迎えた。しかし、逃げ切ることができず。痛恨の失点を喫して、土壇場で勝点2をこぼした。

今節は悔しい引き分けから立て直したい一戦だが、厳しい台所事情で戦わなければならない。佐野と坂本は引き続き離脱し、連戦であるため堀田と鈴木の復帰も難しいかもしれない。さらにチームで3番目に出場時間の長い輪笠が前節の後半途中に負傷し、担架に乗ってピッチを後にしている。

多くの主力選手を欠く状況だが、順位を上げていくためには勝点3が必要であることは変わらない。特に今節に対戦する長崎のように上位のチームに勝つことで、自動昇格圏との勝点差をグッと縮めることができる。目標に対する現在地を踏まえると、アウェイでも勝利を手にしたいところだが、チームが置かれている状況は厳しい。この難局をどのように乗り越えていくのか。木山監督の采配は注目だ。

チームがピンチの今、求めたいのは、新たなブレイクスルーだ。特に大卒2年目の選手への期待が高まる。直近の試合では仙波がボランチのポジションを確保しつつあり、前節は田中に待望の今季初得点が生まれた。彼らに続けて、生まれ故郷の長崎での試合に燃える本山、自主練で技術を磨き続ける田部井、サイドのポジションに挑戦中の福元が存在感を示すことが、チームを押し上げることにつながる。99世代が秘める力で、逆境を跳ね返したい。

コラム

Jデビューを果たした長崎で迎える節目の試合。金山隼樹は平常心で屋台骨を支える

金山隼樹にとって、今節は節目の試合になる。J2通算150試合出場の達成が控えているのだ。立命館大から当時JFLを戦っていた長崎に入団した金山のJリーグデビュー戦は、長崎所属3年目の2013年3月20日におこなわれた、富山戦。試合は1‐0で勝利し、クラブのJリーグ初勝利に貢献した。記録にも記憶にも残る試合の舞台となったのは、長崎県立総合運動公園陸上競技場、現在のトランスコスモススタジアム長崎である。何の因果か、長崎を退団してから10年の時を経て、再び記録に残る試合をトラスタで迎えることになった。

目に見えない大きな力が働いているのではないか。そう疑うシチュエーションは、いつも以上に気合いが入る。しかし、金山は浮足立つことなく、チームのために平常心で戦うだろう。自分にできるプレー、自分がしなければならないプレーを冷静に判断し、勝利のために身を粉にできる。たった1人しかピッチに立つことができないGKというポジションで様々な経験を積んできた彼だからこそ成せる業だ。岡山は主力を欠く厳しい状況に立たされているが、最後尾にどっしりと構える背番号13がチームの屋台骨を支える。そして彼の記念すべき試合を勝利で飾れたら最高だ。

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