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このちんこおいくらですか⁇

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私の名前はちひろ。平仮名で『ちひろ』 "男になる" そう決めたあの日から、もぉ随分たった。 いろんな事があったっけ、、 産まれた頃の記憶は、当然ない。 だから覚えている所から遡…
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記事一覧

11の巻『擬似恋愛②』

ギャル友のお陰もあり、ゆいちゃんと口を聞ける関係にまで修復できたものの
ゆいちゃんがあれ以来、私を彼氏役に抜擢してくれる事は無くなった。

それもそのはず、ゆいちゃんは現実の世界に実在する彼氏を作ってしまったのだ。

私はその事を、ギャル友から聞いた。
その時の感情は、悲しいと言うか辛いというか、、、
心にぽっかり穴が開いたような、、

“彼氏出来たらしいよ”

の言葉以降、話が全く入って来なかっ

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10の巻『疑似恋愛』

中学に入って、私にはギャルの友達ができた。
恋愛の事、ファッションの事、メイクの事、

無知な私にいろいろな事を教えてくれた。

そんなギャル友の中でも一番私に優しくしてくれていたのが、
ゆいちゃんだった。

ゆいちゃんはギャル友の中でも清楚系女子の要素を8割ぐらい残した
ショートカットの似合う女の子だった。

ゆいちゃんは妄想癖、特に恋愛トークになると妄想ワールドが全開になる
私はそんな妄想話の

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9の巻『初デート③』

9の巻『初デート③』

とてもいい雰囲気だったのかもしれないが
なんせまだ小学生であり恋愛レベル0の私からすれば
今日一日は私の中でだいぶ頑張った方で、、
お腹いっぱい、大満足だった。

ゲームの腕前も堪能出来たし、
角度によっては、イケメンに見える事も分かった。
なんなら手まで握られちゃってんだから、
発見!発展!言うことなしだ。

じゃあ今日はこの辺で、
そろそろおいたましようと思った時
"これ一緒に観たい"

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8の巻『初デート②』

8の巻『初デート②』

たくやくんの家はジャスコからそう遠くはなかった。

たくやくんの家の玄関が近づく…
なんだか緊張した。

遂に玄関がドアが開いた。
私は一瞬にして緊張がとけた。

"くっそ、汚かった"

玄関から既に。

"興ざめ"ってやつ。

でもここまで来てしまった私に入らないという
選択肢は無かった。や、言えなかった。

たくやくんの部屋は多分六畳ぐらいはあっただろう…
でも、足

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7の巻『初デート①』

7の巻『初デート①』

たくやくんの告白から2数ヶ月が過ぎようとしていた。

特に、何の進展も無かった。
いつも通り学校に行って、休み時間お喋りする。
代わり映えのしない毎日。

違う......
違う………全然違う‼︎
私の想像していた恋愛とはまるで違う。

2人っきりで一緒に帰って

帰り道に手なんか繋がれたりして

心臓が爆発するぐらいドキドキして

急にチューなんかされちゃったりして

一つ一つの仕

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6の巻『恋愛ビギナー』

6の巻『恋愛ビギナー』

私が小学校5年の頃。

私の周りでは、"恋バナ"が盛んに行われていた。
私は話しを聞く専門。

〇〇ちゃんが〇〇くんを好きだの、
〇〇くんに告白されたなど
好きな人が学校にいると
学校に来る楽しみが増えると盛り上がっていた。
そんなお花畑にいる子たちの話しを
私は羨ましく思いながら聞いていた。

そんな、ある日の事。
私は同じクラスの男の子から呼び出しをくらった。
たくやくん(仮名)だ。

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5の巻『はじめまして』

5の巻『はじめまして』

待ちに待った日がやって来た。
2月。妹が産まれた。

"はじめまして"
今日から貴方のおねぇーちゃんです。

嬉しかった。私より何倍も小さい妹を
初めて抱っこした時は、緊張と興奮で
両手が震えていたのを覚えている。

ミルクをやったり、オムツを変えたり、
おねぇーちゃんぽい事を
母の見様見真似で一生懸命やった。

確か、妹が2歳ぐらいの頃だったっけな。
ひたすらおままごとに付き合わされた。

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4の巻『〇〇になるってよ』

4の巻『〇〇になるってよ』

当時私は、8歳。

休日、まだ寒い季節だったなー…
お昼過ぎに起きて、
いつも通りコタツでゴロゴロしていた。

そこへ、母登場。
なんだかその日はやたら母のテンションが高かった。

"ちーちゃんに報告がありまーす!"

私はTVに夢中で、片耳で母の話を聞いていた。

"ちーちゃん、おねぇーちゃんになるってよ"

え?一瞬私の時が止まった。
え?!もう一度聞き返す。

"ちーちゃん、お

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3の巻『神頼み』

3の巻『神頼み』

**私は日頃から、男の子に間違われる事が多かった。服装もボーイッシュな格好が多く、髪型もショートカットだったからだろうか。**

私は、めんどくさかった。
『男の子?』
『や、女の子です』
『あっ、ごめんなさいねー』
っていう、一連の流れ。

女子トイレに入ってても、
女子更衣室にいても。

感じる、、
あの人多分、言ってくるな感。
凄い見てるなー。
あー、近づいてきたー。
はい、来た。

毎回こ

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2の巻『赤れんじゃーになりたい。』

2の巻『赤れんじゃーになりたい。』

**私はキリスト教の幼稚園に通っていた。朝から夕方まで、お祈り。
昼食前もマリア様に向かってお祈り。**

その日々で僅かな記憶だけど、この事は覚えている。
"自分達の将来を想像して、
自分のなりたいモノの絵を書いてみよう"
皆も一度は、書かされた事があると思う。

私は何の迷いも無く、赤れんじゃーの絵を書いた。
当時、日曜の朝9時頃だったかに放送されていた
ヒーロー戦隊者の主人公。
画用紙いっぱ

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1の巻『過去と現在』

1の巻『過去と現在』

**産まれた頃の記憶は、当然ない。だから覚えている所から遡って、
私(過去)から僕(現在)のお話。**

私の名前はちひろ。平仮名で『ちひろ』
いわさきちひろの書いた絵に出てくるような、
優しい子に育って欲しいと、母がつけてくれた。
父の意見が通れば、名前は『翔』になっていた。
でも母は、断固として『ちひろ』にすると譲らなかったらしい。

私は、父、母、父方のお爺ちゃんと暮らしていた。
夫婦仲は良

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