10の巻『疑似恋愛』

中学に入って、私にはギャルの友達ができた。
恋愛の事、ファッションの事、メイクの事、

無知な私にいろいろな事を教えてくれた。

そんなギャル友の中でも一番私に優しくしてくれていたのが、
ゆいちゃんだった。

ゆいちゃんはギャル友の中でも清楚系女子の要素を8割ぐらい残した
ショートカットの似合う女の子だった。

ゆいちゃんは妄想癖、特に恋愛トークになると妄想ワールドが全開になる
私はそんな妄想話の彼氏役として任命されていた。
そして私自身も、その妄想に付き合っている時間をそこそこ楽しんでいた。

でもある日事件が起きた、、、。

私が一個上の先輩と意気投合し、一週間程ギャル友との時間を疎かにしてしまった
週が明け、久しぶりにギャル友の所に行くとゆいちゃんは私の存在をスルーした。
これはまずいと思い、すかさず謝罪をしたのだが、
ゆいちゃんの怒りはそう簡単に収まるものでは無かった。

1日…2日…3日…口を聞いてくれない日にちだけがどんどん過ぎていく。
何回謝ろうが、機嫌を取りにお菓子をもって行こうが、無視、無視、無視。。

この頃の私の気持ちは、どうしたら許してくれるのだろうという困惑よりも
ゆいちゃんと妄想でもいいから早くデートしたいという苛立ちに、変わっていた。

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