明日晴れたら (6/10)
軽くお酒も入って良い感じで酔いも回って
でも帰りの電車にはまだ乗りたくなくて
見送った先輩の背中に手を振りながら思う
短い期間でも濃い絆は生まれて
もしこの先会えないとしても
大事な人としてずっと心の中に残るんだろうと
夜の街を一人歩きたくなった
暗くなるとさらに主張の激しくなる観覧車を迂回し
自然と足はある場所へと向かっていた
元彼と一度行った事のある場所
この街が一望出来る見晴らしの良い公園
そこに着くまでの道は街灯が少なくて薄暗く
前来た時はそんな事一ミリも思わなかったのに
怖くて心細くて不安になりながら
息を切らして長く細いレンガ造りの階段を昇り
目の前に広がるてっぺんから見た光景は
あの時と何も変わっていないはずなのに
心を揺さぶられる物は感じなかった
ただの箱と光の羅列だった
観覧車以外はどこにでもある
ありきたりな夜景にしか見えなかった
特に感傷に浸る事も出来ずに
来て数分で、私はまた階段を降りていた
宇宙に行けばもっと凄い
誰も見た事の無い、想像さえつかないような
心が躍る景色が待っているんだ
それに比べたらそりゃ大したことないよね、うん
夜空を見上げると星は雲で覆われ一つも見えなくて
本当に明日晴れるのかを疑った
でも何故だろう？
無性に彼に会いたくなっている
カフェで書いたりもするのでコーヒー代とかネタ探しのお散歩費用にさせていただきますね。