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過去のポジティブな部屋を眺めてみる

オーストラリア・メルボルン編-4

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あれこれ語りながら、珍道中が続いた10日間。

公園の夜道で、指からするりと抜けて無くした大切にしていた指輪が後から奇跡的に見つかったりと、メルボルンについては今でもあのミラクルの密度は一体何だったんだろうと思っている。

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↑写真は公園で落としてしまい、夜にゴミ箱を漁りながら探したお気に入りの指輪。その姿を見た警察官2人組に君たち何やってるんだと注意を受けたものの、よくよく見るとその警察官の足元に指輪は落ちていた。警察官が現れてくれなかったら気づけなかっただろう・・。

街中を歩いていると、ホームレスの男性に笑顔でウクレレを弾いてあげているウクレレエンジェル女子が出現したり、陽気なマケドニア人に突然「Happy Birthday!!」と話しかけられ…様々なことが起きていた。

当時は友人と「この10日間のことを映画にできる!!」と盛り上がり、楽しんでいた。自分達の日々を映画にできる、と明るく盛り上がれるなんてそれはもう究極の人生肯定。脳内がだいぶお花畑レベル度MAXでも、枯れているよりは花が咲いているほうがいい。幸せなお気楽星人なのであります。

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路上アーティストのレベル高しなメルボルン。
青い服の彼・エドワード氏のダンスが色々と凄すぎて
彼のことをエド神様と勝手に呼んでいた。

それらの日々を後から思い返した際に『やー、あれほど楽しい日々を過ごせるとは思ってなかったわー……ん、まてよ?!』とふと気づいたのは、自分の中に『ポジティブな壁』とでもいうべきものがあったのだなということだった。

というのは「誰かと一緒に楽しい日々を過ごす海外旅」という設定では、数年前のタイ北部のチェンマイ旅が絶大な存在感を放っていた。チェンマイが最高記録であってそれ以上は越えられないかのように無意識に思っていて

『もうチェンマイ程の旅はできないだろうなーだって素晴らしかったもの。』という想いが『あれが最高値で、今後は訪れない可能性が高い。』という限界設定になっていたのだなと。拘ってるつもりはなかったのだけど、メルボルンの日々が自然とそれを教えてくれた。

旅以外でも、過去のポジティブな部屋から出ていかない現象というのは時々ある。服の趣味、嗜好、考え方、関係性。もうとっくに変わっているのに、今でも好きなんだと思い込んでいること。

無理して出ていく必要はなくとも、時とタイミングが来たらすっと樹木の年輪のように更新していけたらいい。いわば、この旅エッセイも過去のポジティブな部屋の一部。過去を過去として終わらせるために書いているともいえるし、ポジティブ部屋にもネガティブ部屋にも拘りすぎないでいられるとき、私は一番自由を感じる。

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このタスマニアとメルボルンでの縁は元々は、2015-2016年にかけて徳島県神山町に神山塾7期生として住んでいたことがきっかけだった。

セントキルダのカフェでポジティブ発言していた友人・Cafe ナイッスの光陽(彼にとってはポジティブではなくあくまで自然な発想)に、当時の下宿先の近くで彼が期間限定のカレー屋をしていたことで出会った。

小鍋を片手に歩いてカレーをテイクアウトしに行き、音楽の話で盛り上がった。以上。で終わるはずだったのだけど、結局彼がワーホリのfacebookページを教えてくれたことがきっかけでタスマニアのWombat Cafe’に出会えたし、

あの日カレーを食べに行かなかったら…?そもそも徳島に行ってなかったら…?時間やストーリーが連続しているという観念を持つ必要性はなくても、縁がどう転がるかはやっぱり不可思議なもので面白い。

当時、『我々』というフレーズを使うことがどういうわけかマイブーム状態だった。「マキ!みんなが食事の準備をしています!我々も手伝うべきでしょうか?!」『いや、我々はしなくていいんじゃないか??』…そんなしょーもない隊長ごっこみたいな会話を笑いこけながら楽しんでいた。(実際は手伝っていた、はず。)

大人になるとあたらしい友人が出来にくいという話も聞くけれど、時々意外なところで面白いご縁に出会えたりする幸せがある。

そうした旅の出会いや人との縁も、とどのつまり出会うのはいつだって自分のハートを通して見えてくる何か。どうせなら、世界の彩りと心の機微を味わえる素直さをたずさえていたい。

心の中にある各部屋を力んで超越しようとせず、それらが映しだす影をしずかにただ観るとき、自然とあたらしい場所へ移行している。旅や人々を通して教えてもらってきたことはそんなこと。これからもそれぞれの道で、我々の健康と幸せがひろがっていくことを願ってやまない。

🇦🇺オーストラリア編・完🇦🇺

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