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離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋 」2020年度

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離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋 」1年間コース(2020年度)の日記
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卒業生インタビュー(西村さん)

卒業生インタビュー(西村さん)

一年間お疲れ様でした!まずは今の気持ちを聞かせてください。

今は本当に終わったなという感じしかなくて。
1年間色々あったんですけど、とりあえずなんとか1年進むことができたなと。

お弁当作る中で、この一年振り返ってみたと思うけど、どうだった?

「どの食材使おうか」っていうときに、生産者さんがこれまで何を作っていらっしゃったかなとか、どういう形で関わらせてもらったかなとか。そういうことを思い出し

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卒業生インタビュー(森塚さん)

卒業生インタビュー(森塚さん)

料理の道に進みたいと思いながらも、8年間ずっともやもやしていた森塚さん。料理をやりたいという気持ちを初めて形にできた1年になった。長く待ち望んでいたものだからこそ、自身の中にこみ上げてくるものが沢山あったそう。(聞き手:受入コーディネーター 恒光)

1年間お疲れ様でした。まずは、今の気持ちを教えて下さい。

私が島に見学に来た時、「陶芸やりたいです」と勇木さんと話していて、それを実際にやらせても

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卒業インタビュー(岡村さん)

卒業インタビュー(岡村さん)

1年間を通して、改めて食への向き合い方を見つけた岡村さん。目に見えないベースの方が大事だけれども、目に見えないからこそ焦ることも多い。それでも、積み重ねの大切さが見えてきたそう。(聞き手:受入コーディネーター・恒光)

一年間お疲れ様でした。今の気持ちを聞かせて下さい。

スッキリしました、自分の中で。
すっきりしたし、自分の中でこの一年の大きさを感じています。

すごい大きさの感想だね(笑)

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初心者からはじめまして

初心者からはじめまして

はじめまして!
私は関西出身の25歳で、去年の秋から島根県の隠岐諸島にある海士町に移住し、大人の島留学という制度を利用して島暮らしを始めた者です。

そんな私ですが、今年の3月から「島食の寺子屋」という、島で生活をしながら自分の五感で様々な食材の目利きを学び、料理人を目指せる海士町の料理学校に通いはじめました。

来月から島で唯一あるホテルで調理人として働く予定なのですが、今まで料理というものに殆

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無邪気さ

無邪気さ

春一番のような風も吹き始め、とうとう冬も終わりかなという雰囲気が出てきた。今回の冬は、例年より雪が多く降った気がする。すごく積もるわけではなく、日中に吹雪いたり、夜のうちに静かに降って朝には真っ白な世界になっていたり。

都会でも地方でも、雪が降ったら普段と違う風景が広がっているはずなのに、自然の近くにいるとなぜか雪景色も様々に感じる。雪で首を垂れるススキ。普段は緑に紛れている鳥たちも雪の中では、

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変わり目の季節

変わり目の季節

島食の寺子屋は、1月から2月にかけてを、就職先探しの期間に充てている。毎年、お節仕込みの課外実践で京都で年末を過ごし、本土へ渡ったついでに、そのまま就職先候補を探してもらうスケジュール。

自分の理想に当てはまるお店探しにたっぷり時間をかける生徒もいれば、卒業後の4月以降にバイトをしながら、ゆっくり腰を据えて探すという生徒もいる。いずれにせよ、なにかしらの結論を出す時期。

そういう時期だからなの

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最近の大根生活

最近の大根生活

noteから暫く遠ざかっていたので、最近取り組んでいることを。
年末には京都でお節作りに関わらせていただき、その後休暇を経て、海士町に戻ってきた。
今年度に関しては、年始の授業開始時期は生徒各々の状況により異なるので、今は(寂しくも有難いことに)一人で先生から教わる毎日だ。

定期的に行っていることの1つは大根の桂むきと刻みの練習。
これは、12月の面談で私が立てた目標に基づいている。

(写真:

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折り返し地点

折り返し地点

2020年度の「四季を通して学ぶ1年間コース」が4月に開講してから、ちょうど半年が経った。つまりは生徒たちにとっても、運営側からしても折り返し地点。このタイミングで、まずは運営側として振り返りをしたいと思う。

開講してはじめの頃は、コロナ対策が一番見えなかった時期で、島への観光客の受入を年度内はストップするという話も出ていた。生徒たちが、観光客の方向けに料理を出す実践の機会も、生産者と交流するこ

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島から発信する食の学び場

島から発信する食の学び場

ずっと前からやってみたかったことが一つ形になった。それは、寺子屋に来る前から校長に「いつか家庭料理を伝えられる人になりたい」と言っていたことがきっかけでオンラインにて料理を教える機会を与えてもらった。

SRAyouthという食のサスティナビリティをテーマに活動している方達に向けて、論理的に食の未来を考えていくことも大事だが、実際に手を動かし五感を使い料理をしながら食のことを一緒に考えてみようとい

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梅干し作り 土用干し

梅干し作り 土用干し

ここ海士町の崎地区にはブランド梅干し「蘇婆訶梅」がある。
6月の収穫から塩漬けと一緒に作業させていただいてきたが、
8月に入り梅干しの「干し」の作業をすることになった。

三日三晩、外で干す土用干し。
土用干しをする理由の1つとして、種からの身離れを良くする効果があるそうだ。

一粒一粒甕から取り出してはザルにあげて、一度水気を切る。
塩漬けするときの梅は固かったのに、漬けているうちにほわほわと柔

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見えない繋がり

見えない繋がり

物事は単体で存在しているわけではなく必ず繋がっている。だからこそ大切なのは、物事が起こったときに“なぜ?どうして?”と疑問に思うこと。一つを深堀していくとそこにたくさんの見えない繋がりがあることに気づく。

これは、先日授業終わりに学習支援センターに大人のジオパーク講座を聞きに行ったときに心に残った言葉。

隠岐の島全体が世界ジオパークに認定されている。ジオパーク(大地の公園)、地質地形を保存し、

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家庭の味 ポテトサラダ

家庭の味 ポテトサラダ

この日、じゃがいもを沢山頂いたこともあり各々の家庭の味を再現することになった。材料はほとんどみんな同じだったが、玉ねぎを入れる入れない、卵が入る入らないと生徒4人だけでも様々だった。完成も楽しみだったが、できるまでの工程も違うのでそれを見るだけでもすごく面白い。

みんなが想像するポテトサラダは、じゃがいもが滑らかなものだと思う。

だけど、私の家では2種類のポテトサラダがある。
1つは、みんなが

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農業初心者

農業初心者

4月に校舎前の畑に野菜の種を撒き育て始めた。
一人一畝、それぞれ別の野菜を担当している。
私はオクラ担当。毎日、水をやり成長を見守っている。双葉が出てきて喜び、これからぐんぐん育つのを想像するだけでも幸せな気持ちになる。
しかし、周りの生徒の畝から芽を出した野菜達が次々と消えていった。そんな中でも、私のオクラは何とか頑張ってくれていたのだが、最近日に日にオクラの数が減り全滅一歩手前まで来てしまった

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左利きの時間

左利きの時間

私は右利きである。しかし隠岐に来てから、ご飯を食べるときはいつも左手で食べるように変えた。

そのため最初は、箸がうまく使いこなせず、ご飯を食べるときは私が一番遅く、掴めたと思ったら食べ物を落とし洋服を汚すことが日常の光景になっていた。周りからはいつまでそれをやるのかという、関心と笑いとほんの少し呆れの目で見られ2ヶ月が経とうとしている。

始めた一番の理由は、指が自分の思う様に動かせるようになる

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