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〔連載〕思春期の子どもを持つ母親への心理学講座 その9:子どもの「腹立ち」にどう対処すればよいか
🔹なすにまかせて うぐいすを聞く
腹立ちて
炭まきちらす
三つの子を
なすにまかせて
うぐいすを聞く
冒頭に掲げたのは与謝野晶子の歌である。
いかにも古い時代の炭と風情ある鶯が出てくるから、季節は、たぶん冬から春にかけてなのであろう。
幼い子どもがちょっとしたことでカンシャクを起こすのは、昔も今も変わらない光景ではある。
しかし、作者はそれにたいして何らあわてる様子もな
〔連載〕思春期の子どもを持つ母親への心理学講座 その7「ダブル・バインド」としてのコミュニケーション
🔹ダブル・バインドとは
横文字の連載タイトルを付けたが、それほどむずかしいことを論ずるつもりはない。今回も肩の力を抜いてお付き合いただければと思う。
ダブル・バインド(二重拘束)とは、簡単に言えば、発せられる言葉と伝えられる感情(気持ち)が矛盾したまま同時に伝えられてしまうコミュニケーションのあり方のことをさしている。
つまりコミュニケーションの受け手が伝え手から二重のメッセージを受けとっ
〔連載]思春期の子どもをもつ母親への心理学講座 その6:「かみ合った会話」をするには
🔹良好な親子関係としてのキャッチボール
ふだんの親子間の会話は、よくキャッチボールに例えられる。親が直球のいいボールを投げてあげれば、たぶん子どもはナイスキャッチできるはずであるが、いきなりカーブなどの変化球を投げたら、それこそ取りそこなって、あわててしまうかもしれない。
だからといって、いつも、いいボールばかりを投げ返してあげればいいというものでもないであろう。
大事なのは、いい球を投