ある会社のメルマガに書いた記事を再録。 なんとなく、きれいごとを言っている会社も、ESGとか言っても、今のパレスチナでのジェノサイドに対して何の声も上げない、というかイスラエルと取引しているのであれば、それはもう、ESGのSの部分でダメなんじゃないか、ESGって嘘だったのか、とか思う件。 気候変動問題でも、先進国は「共通だが差異ある責任」というのを無視してきたし、全く同じことがイスラエルによるパレスチナでのジェノサイドでも起きている。当然だけど、これは欧米により重い責任
ジュディス・バトラーは、ぼくがもっとも尊敬している哲学者でありフェミニストだし、それは今も変わっていない。それでも、2023年10月7日以降の、イスラエルによるパレスチナへのジェノサイドに対するバトラーの発言にはどこかしっくりこないところがある。 最初に発表された文章は以下のサイトで読める。 その後の発言についても、以下のサイトで。他にもあると思うけれども、とりあえずこんなところで。 多くの部分では、バトラーの主張に同意する。 バトラーはユダヤ人ではあるけれど、
すみません、このシリーズをすっかり放置していました。 他の仕事に追われて、ずっと書きそびれていました。 でもまあ、正月休みで時間ができたので。 オウンドメディアといっても、テキストばかりではなく、動画もあります。作成した動画をYouTubeで公開するというのも、しばしば行われています。 とはいえ、動画の再生回数はなかなか伸びないのではないでしょうか。なかなか人の目に留まる動画の作成は簡単ではないでしょう。まして、宣伝だけの動画であれば、あまり見てもらえないですよね
あまり本の話ってしていなかったので、年末くらいは、と。冬休みの読書の参考にしてください。 今年、印象に残った本はこんな感じです。 まず、今だからこそ、ガッサーン・カナファーニーは読んでほしい、くらいには思います。パレスチナの作家です。「太陽の男たち」はわりと有名な作品だけれど、これがパレスチナが置かれている状況の比喩でもあります。ぼくはハマスをテロだとは思っていなくて、そもそもガザに閉じ込められているパレスチナ人が、壁を叩いているのだと思います。けれども「太陽の男たち」と
COP28も始まったことだし、たまには真面目に気候変動の話をします。 といいつつ、ワインですね。 実は先日、ボルドーワインの試飲会に行ってきました。100以上のワイナリーがビンテージワインを持ってきています。 通常のワインの試飲会だと、1つのワイナリーがブドウの品種が異なるものや醸造年度が異なるものなどいくつかのアイテムを持ってくるのですが、この試飲会は、そういうものではなく、基本的に今年おすすめの赤ワイン1本だけ、という、そういうものです。最初にこの試飲会に行っ
今年の夏ごろ、血糖値が上昇し、HbA1cが7.5%とかになっていた。血糖値というよりも、これは糖化ヘモグロビンの割合で、通常は5%台。6%を超えると糖尿病といわれているけれど、6%台なら薬はいらない、と医者に言われていた。まあ、食事に注意して適度な運動をしていればよかった。でも7%を超えると、治療が必要ということになる。そこで、薬を飲み始めた。 最初に飲んだのがデペルザという、SGLT2阻害薬。血中の糖は腎臓で排出されるのだけれど、同じ腎臓で尿から再吸収される。でも、この
イスラエルがガザに侵攻しようとしている。とにかく、そうした殺戮は防いでほしいし、停戦に合意してほしいと思う。 今回のきっかけとして、ハマスによるテロを「枕詞」のように非難してから、イスラエルは侵攻すべきではない、という言い方がなされるが、ぼくはその立場をとらない。 イスラエルがパレスチナに不法行為をはたらく限りにおいては、第一にイスラエルに責任があるし、テロのリスクを背負ってしまうことは当然の帰結だと思う。 ガザは天井のない監獄とよばれているし、そうした状況が改善さ
今年4月、英国の競馬がニュースになった。「グランドナショナル」というレースで、30個の障害を飛び越え、7,000メートルも走るという、過酷なレースである。このレースで死ぬ馬もいるという。そのため、動物愛護団体がこのレースを妨害したということだ。 レースは15分間遅れたものの、無事に開催された。出走した39頭のうち完走したのは17頭、けがをした1頭は安楽死処置がとられたという。 正直に言えば、いくら伝統的なレースだからと言って、死ぬ馬がでる前提でのレースはやるべきではな
入管法改正が、政治のトピックスになっている、はずである。はず、というのは、このことがあまり報道されていないから。たぶん、知る限りでは東京新聞が連載までしていたのが、一番大きいかも。 とりあえず、廃案になってほしいし、その先、最低限の人権が守られるようになって欲しいと思う。 現在でも、難民認定は日本ではなかなか通らないし、通らないと収容されるか仮放免されるけど、仮放免されたところで仕事につくことができないので、生活が成り立たない、というのが現状。そして、難民認定されなけれ
昨年末からつくってきた新刊「図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」が技術評論社から刊行されます。 発売日は4月24日。 脱炭素にかかわることを、かなり広い範囲で取り上げた本なので、入門書ではありますが、けっこう独自の視点で書いているところもあります。 以下、「おわりに」を全文、ここにアップしておきます。 だいたいどんな本なのか、これでわかってもらえると思います。 ということで、よろしければ、書店で手に取ってみてください。 ***
今年度から、長期脱炭素電源オークションというものがスタートする。これは、20年間にわたって安定して電気を供給してくれる発電所の固定費の回収を確実なものにしようというものだ。 どうしてこんなしくみができたのか。 電力小売り全面自由化になったことで、大手電力会社は採算の合わない発電所を閉鎖していこうとした。そのため、実際に2017年、2020年、2021年の冬は電気が不足したことは記憶に新しい。 以前であれば、採算のとれない発電所のコストも電気料金に織り込むことができたのだが
最初に言っておくと、支持している政党は立憲民主党である。 そうなんだけれども、立憲民主党もなんだかぱっとしないと思っている人は多いと思う。なんだかどこかで信念がぐらついていて、ふらふらしているんじゃないか、と。 旧民主党時代から、なんだかポンコツなところがあって、党首の選び方を間違えたり、小池百合子のところに走ったり、まちがった世論=メディアの印象操作にぐらついたり。 ほんと、しっかりしてほしいと思う。 立憲民主党がたよりないのは、何を目指すのかがはっきりしていな
統一地方選挙の前半戦、大阪府、大阪市、奈良県の首長選は維新(日本維新の会と大阪維新の会をひとまとめにして)が勝った。大阪府や大阪市の議会でも維新が過半数を占めた。 なんとなく、他の地域に住む人は、関西は大丈夫か?と思ってしまうかもしれない。それだけ、温度差が違うということなのだ。 なぜ、関西で維新が強いかといえば、メディアの影響を指摘する人は多い。 実際に、大阪のホテルに宿泊した時に、朝の情報番組を見たときのショックといったら。 在京のテレビ局の朝の番組も、たいが
統一地方選挙の前半が終わって、日本共産党の退潮が報道されている。 除名問題があとをひいている、とか、そんなことも言われている。 日本共産党が掲げている政策は、自民党や、まして維新の会と比べればよほどましなで、もっとがんばってほしいのだけれども、そうはなっていない。 日本共産党が支持を集めきれていないのは、有権者のニーズに応えていないからなのだと思う。 そして、それは二つの理由からだ。 第一に、日本共産党が訴える政策は、なかなか実現されない。まあ、政権をとらない
*「週刊エネルギーと環境」に掲載した記事ですが、発行から時間もたったので、公開します。 ******* 2021年から2022年にかけて、電気料金の値上げが続いてきた。これは主に、火力発電所の燃料となる石炭やLNGなどの価格が高騰してきたことによる。主要な小売電気事業者の電気料金メニューにある燃料費調整額は、燃料価格に連動しており、自動的に値上げとなっていた。電力各社は自由化料金を引き上げる一方、低圧の規制料金の値上げを申請している。ただし、規制料金については電力・ガス
ぼくにとっての、音楽家としての坂本龍一は、「Out of Noise」以降ということになる。あと、「Async」かな。「Plankton」と「12」も。 実は、一時期、音楽が聴けない時期があった。唯一、聞けていたのが、ブライアン・イーノの「Music For Airport」だった。ちょっと回復して、スティーブ・ライヒのなんかも聞いたっけ。それもだめなときは、ずっと雨音のCDをかけていた。 その先に、「Out of Noise」があった。メロディとかそんなことより、身