新刊「図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術・・・」が刊行されます。
昨年末からつくってきた新刊「図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」が技術評論社から刊行されます。
発売日は4月24日。
脱炭素にかかわることを、かなり広い範囲で取り上げた本なので、入門書ではありますが、けっこう独自の視点で書いているところもあります。
以下、「おわりに」を全文、ここにアップしておきます。
だいたいどんな本なのか、これでわかってもらえると思います。
ということで、よろしければ、書店で手に取ってみてください。
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人には、見たくないものは見えない、という特長があります。心穏やかに過ごすためには、必ずしも悪い事ではありません。しかし、気候変動問題については、人はやはりきちんと直視すべきだと思います。日本に限っても、毎年のように大型台風などに怯えなくてはいけない未来が来るかもしれません。
本書は、脱炭素をテーマに、ビジネスの現場ですぐに使える基本的かつ幅広い情報をまとめたものです。
第1章では、気候変動問題がどういった問題なのかを紹介しました。IPCCや気候変動枠組条約などは、ちょっと難しいイメージを持たれるかもしれませんが、あえて国際社会がなぜ脱炭素化に向かっているのかをお伝えしたいと考えました。国際交渉はなかなか進まないのが現実ですが、その一方で、気候変動問題はどの国にとっても最大級の安全保障の問題でもあるのです。脱炭素化というのは、それほど重要な問題なのです。
第2章は国や地域ごとの状況など、第3章は業界ごとの課題を紹介しました。これは、国際社会における脱炭素化の経糸と横糸のような関係にあります。ここまでが、持続可能なビジネスを展開していくための、背景ということになります。
第4章は、本書の中心となる部分です。ほとんどすべての企業が脱炭素に取り組む必要があります。そして、どの部分から取り組めばいいのか、そのためのガイドとなる章です。とりわけ、近年はスコープ3が注目されるようになってきましたが、どのように取り組んだらいいのか、イメージしにくいかと思います。少なくとも、取り組むための入口になればいいと思っています。
第5章から第7章は普及が進められている技術から開発中の技術まで、脱炭素化の切り札となるものを紹介しました。ここでは紹介しきれなかった技術もたくさんあります。ただ、確実に言えることは、気候変動を食い止めること、少なくとも1.5℃以下に抑制することは不可能ではないし、それだけの技術はそろっているということです。
そして、第8章では先進的に取り組む企業を紹介しましたが、これ以外にすばらしい取り組みを行っているたくさんの企業があることも忘れないでください。そしてこれらの企業も含め、まだまだ取り組むべきことはたくさんあります。
本書は脱炭素に関する幅広い、かつ基本的な内容を扱っています。本書をきっかけに、さらに気候変動問題や脱炭素に向けた技術、国際社会の動向について、知識を深めていただけたらと思います。
そして、気候変動を回避し、2050年をみなさんとともに笑顔で迎えたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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