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質問024:「ほろ酔いテニス」で絶好調!?

早速の御返答ありがとうございました
実践してみて、後日感想をご連絡致します。

さて、小生の経験で、一つだけ気付いたことがありましたので、ご紹介いたします。
過去に一度、それも一瞬サーブとストロークの調子が大変良かったことがあったんです。
ダブルフォールトはしない、リターンもストロークもどんどん入った時が!

それは、ほろ酔い気分でテニスをしていた時です。
テニス合宿でBBQをして、かなりのお酒を飲み、そしてテニスをしました。
これは本来やってはいけないのでしょうけど...。

しかしひとつ気づきました。それはその時全くフォームを気にしていなかったのです。
フォームを気にする余地が無いというか...。

たとえトスが乱れようが、ボールが低かろうが高かろうが、ボールがどこに行こうがお構いなし。
たぶんその時、
理性の左脳はほとんど出てきておらず、動物的な感覚でボールだけを追っかけていた時に成ります。
サーブもストロークもスマッシュもボレーもその時だけは、調子が大変良かったです。

ただし、飲酒での運動と暑さで体力が持たなくなり、間もなく止め、酔いがさめてからもう一度ゲームをしたら、今度は調子が落ちて...。おかしいな〜って思いだしたらますます悪くなる。
左脳が覚醒したのでしょうか?

後日自分自身で調子が良かったのは、単に体の力が抜けていたためってその時は、
妙に納得していましたのでその後も力さえ抜けばって思っていたのですが。


脳のメカニズムって面白いですね。
またよろしくお願いします。

回答


▶お酒を飲まなくても「左脳のセルフトーク」がなくなれば

 
ほろ酔いテニスで調子が上がる経験は、いろんな方がされているようです。
 
※※さんがおっしゃるとおり、左脳による出しゃばりがなくなるため、一時的にテニスの調子が上がる。
 
とはいえお酒を飲まなくても、左脳のセルフトークがなくなれば、同じ効果が出ます。
 
しかも、もっとキレのある動きで、一時的ではなく再現性高く、それが可能になります。

「たとえトスが乱れようが、ボールが低かろうが高かろうが、ボールがどこに行こうがお構いなし」とおっしゃいました。

ところが後日、酔っぱらっていたときの絶好調プレーを思い出して、「力さえ抜けばっ」という「セルフトークがまた始まった」から、また上手くいかなくなった……。
 
酔っぱらっていた絶好調プレーのときには、「力さえ抜けばっ」とも、考えていなかったでしょう?(笑)。
 

▶『酔拳』は脳科学だった!?


「酔えば酔うほど強くなる」のキャッチコピーでお馴染みの、ジャッキー・チェンが主役を務めた映画『酔拳』です。

子どもの頃はその意味がよく分からなかったのですけれども、今思えば、アルコール酩酊が作用し、左脳による「セルフ1」のでしゃばりがなくなる脳科学に根ざした内容ということだったのでしょう。

つまりティモシー・ガルウェイが著した『インナーゲーム』に通じます。

『インナーゲーム』では、左脳によるセルフトークを「セルフ1」、右脳による感覚的な自然上達を「セルフ2」と名付けて、両者のバトルが展開されます。
 
「セルフ2」に任せればテニスは自然上達するのに、「セルフ1」による「テイクバックはコンパクトに引く」「スイングは下から上だ」などという頭の中のおしゃべりのせいで集中できなくなるという話。

その中でも私の好きなエピソード「カバの母さん賢い母さん、教えずに泳がせる/本能の引き出し方」については後述します。

ところで『酔拳』は、「実際にはフィクションのように酒を飲んで戦う拳法ではなく、酔っ払ったかのような動作で攻撃をかわしたり、相手を油断させた隙に攻撃したりする術」なのだそうですけれども、私は上記の理由によりフィクションにも一理あると思っています。

そして実際の「酔拳」がそうであるならば、『あしたのジョー』に出てくる矢吹ジョーの「ノーガード戦法」もまた、一理あるのです。
 

▶死ぬほど怖かった水が「おもしろーい」に変わるとき


さてこちらでも取り上げましたが、『新インナーゲーム』の125ページに収められている「カバの母さん賢い母さん、教えずに泳がせる」。

泳ぎ方を教えずに、子カバの自然上達を実現するのです。

新インナーゲームP126

スイミングスクールに入ったばかりの人間の子どもは、水が怖くて泣き叫ぶ。
 
「水の中は息ができなくて苦しい」「目を開けると痛いに違いない」などと頭で考えるから、怖くなります。
 
「イメージがすべて」といったのは、アンドレ・アガシでした

私たちは、イメージにはあらがえません。
 
本当に死ぬほど怖いのです。
 
そんなときは、コーチにプールへ放り込んでもらう経験を体でするのがいちばんです。
 
私は今でも「ブクブクブク~」と沈みながら、「うわー、おもしろーい」となったのを覚えていて、それ以降は水が大好きになりました
 
その時のコーチには、一生感謝しています。
 
イメージは一発で書き換わるのです。
  

▶「どうしてあんなに怖れていたのだろう」の奇跡


テニスで苦しんでいる人は、「現実に対するイメージのズレ」があります。
 
そんなときは、イメージを書き換える経験を体でするのがいちばんです。
 
そしてそれは、泣き叫ぶ子どもが死ぬほど怖かった水が、その日を境に生涯に渡って「うわー、おもしろーい」となるパラダイムシフト。
 
振り返れば、「どうしてあんなに怖れていたのだろう」「もっと早く放り込んでくれてたら、みんなと楽しく泳げていたのに」などと悔やまれるほどです。
 

▶「楽しいテニスライフを送れていたのに……」の後悔はしない

 
テニスも同じです。
 
「早くやっておけば、もっとたくさんの大会に出て、全国にたくさんのテニス仲間ができて、楽しいテニスライフを送れたのに」とならないように。
 
テニスが上手くいかずに苦しい思いをしている人は、現実に対するイメージのズレが書き換われば、その日を境に生涯に渡って「うわー、おもしろーい」となるパラダイムシフト
 

▶何も考えないテニス

 
とはいえイメージは、酔っ払ったからといって書き換わるわけではありません。
 
酔ったまま水に入ると溺れてしまいかねません。
 
今回のほろ酔いテニスは、貴重なご経験だったと思います。
 
「ダブルフォールトはしない、リターンもストロークもどんどん入った!」
 
「サーブもストロークもスマッシュもボレーもその時だけは、調子が大変良かった」
とおっしゃいます。
 
ぜひ、「その時だけは」とは言わずに、フォームについてはもちろんのこと、何も考えずに、テニスをプレーなさってみてください。
 
また、ご感想等お聞かせいただければと思います。
 
お互いケガと飲み過ぎには、十分注意を!

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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