蔵出し映画レビュー『キャメラを止めるな!』
日本中を「ポンデミック」で席巻してから4年。あの『カメラを止めるな!』がアカデミー賞を制した『アーティスト』を作ったミシェル・アザナヴィシウスによって手掛けられたフランスリメイクの『キャメラを止めるな!』。
展開だけでなく、俳優やロケ地の雰囲気など本家に忠実なリメイク作品ではあるが、そうなると本家を見ている者には新鮮味に欠ける。
劇中劇の名前が「ヒグラシ」だったり「ナツキ」だったり、ロマン・デュリスを濱津隆之に似せさせたり、廃墟や周りの山中もソックリで再現度が高い。かと言って全くのコピーというわけではなく、ゲロのリアルさや、レミーの妻ナディアの護身術など本家よりリアリティ。
しかしながら、元々本家が冒頭からの長回しやそこから起こるドラマができるので、本家を見ている・知ってると新鮮味に欠ける。ならば、枝葉の面白さとなるが、それも大して変わらない。
リメイクとしてはそこそこで、ミシェル・アザナヴィシウスが単なるクラシック映画好きというだけではないことは分かった。ファン・ムービーの域を脱してないが、「早い、安い、質はそこそこ」、いや、日本映画のリメイクとしては「そこそこ」ではなく「なかなか」と言いたい。