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柄谷行人のバーグルエン哲学・文化賞と『力と変換様式』

長年著書を読み続けて来た柄谷行人さんがバーグルエン哲学・文化賞を受賞したという事を最近知りました。

記事に紹介されている賞の審査委員長の言葉を読むと、正当な評価であるように思えます。なんとも嬉しい。


このところ生活の変化もあり、忙しく、そんなニュースも耳に入らなくなっていました。

昨年柄谷さんが出した著書『力と変換様式』についても僕は知らなかった。
さっそく手に入れて、一気に読んでしまった。凄かった。

前にここで取り上げた『世界史の構造』(2010年)で取り上げた内容をさらに掘り下げている。

これを書くために6年を要したという。

このところ柄谷さんの目立った活動が減ったように思え、私の父と同世代で高齢な柄谷さんの事を、心密かに心配していたのですが、このような力作に取り組んでいたと知り、とても驚きました。
このパワーはいったいどこから出てくるのだろう?

前にここでマルクスについて書いた時


注で柄谷さんの『マルクスその可能性の中心』(1978年)


について触れたのだけれど、その中で批判的に取り上げられたエンゲルスについても、『力と交換様式』では更に考察を進め、別の角度から評価しています。

エンゲルスについて、僕の頭の中は『マルクスその可能性の中心』を読んだ時のまま止まっていました。全く恥ずかしい限りです。

僕自身が note で一番力を入れて書いた志賀直哉の国語問題についての論考でも柄谷さんの『日本近代文学の起源』から引用しているし、それ以外にも随所に影響が見られると自身で思います。
本当に強い刺激を受けて来ました。


僕はこの文章を書いてから、ここから更に論考を進めようと思ってはみるのですが、全く進まない。

柄谷さんの造詣ぞうけいの深さもさることながら、そのどんどんと先に進む力には、本当に驚きしかない。

世界的な賞をもらった人と自分を比べても仕方ないし、プロとアマチュアの差といえばそれまでだけれど、自分ももっと学ばなければいけないと、心新たにした次第です。


自己紹介の代わりに



これまでに書いたエッセイと論文


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