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日本人サラリーマンも世界を食べる

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【スニーカー文庫《俺のラノベ》コンテスト「笑える話」特別賞入選】 しみじみと面白い。 趣味は料理。外食したものをキッチンで再現して細部を探るのが好き。 外資系サラリーマンだっ…
「日本人サラリーマンも世界を食べる」をマガジンにしました。ここからそれぞれの記事を単品で買うことも…
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#アメリカ

ナパの思い出

ナパの思い出

 ナパ、である。
 ナッパではない。

 ナパはサンフランシスコの北に広がる広大な谷である。

<地図はたまこさんのコンパスからお借りしました>

 ワインの生産で世界的に有名で、ナパのワインはカリフォルニアワインの通称で日本でもたくさん売っている。
 ナパバレーには広大すぎて気が遠くなるほどの葡萄畑が延々と広がり、そこここでワインが生産されている。

 そしてここはグルメ拠点としても有名だ。有名

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シアトルのフレンチディップ

シアトルのフレンチディップ

 フレンチディップというサンドウィッチをご存知だろうか?

 日本でフレンチディップを食べられる店はほとんどないので、知らない人が多いかも知れない。
 フレンチディップはロス・アンジェルス発祥のサンドウィッチだ。フレンチとあるが、フランスとは全く関係がない。というか、むしろフランス人はこれを避ける気さえする。
 フレンチディップの組み立て自体は簡単だ。
 とりあえず、アメリカ風の柔らかいフレンチロ

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アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

アメリカのハンバーガーは今でもでかいか?

 アメリカのハンバーガーは一般的にでかいという認識が普通だろう。
 実際、同じマクドナルドのビッグマックでもアメリカで食べる方がでかいという人もいる。
 バーガーキングはでかいので有名だが、これも日本サイズはジュニアサイズだというアヤシイ噂がまことしやかに囁かれている。
 実は僕はまだ日本のバーガーキングに行ったことがないのでこれに関してはなんとも言えないのだが、マクドナルドのビッグマックは確かに

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ホビロン、またはバロット

ホビロン、またはバロット

 皆さんはホビロン、あるいはバロットという食べ物をご存知だろうか?

 ホビロンというのはベトナムでの名前、フィリピンではバロットと呼ばれる。
 これは、アヒルの有精卵をある程度まで孵化させて、だがアヒルの雛として孵る前に茹で殺して食べる恐ろしい料理だ。
 そのグロテスクなイメージから、特に西欧圏では極悪珍味として名高い。日本人は何でも食べる癖にホビロンは可哀想すぎて人気がない、というか食べたこと

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アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

 二〇〇〇年の頃、僕は上司の命令でアメリカの某団体に所属していた。
 簡単にいうと、Windows-Intel支配を排除して、真に自由なPC開発を訴える団体だ。
 正直言って、主義主張に疑問があったし(僕は企業活動に於いては長いものには巻かれた方が安全と思ってる)、集まっているのも今は亡きコンパックとかの各社の暇人だったんだけど、お集まりは楽しかった。
 予算に関してはある程度裁量を認められていた

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ピザを食べるならアメリカで

ピザを食べるならアメリカで

 アメリカといえばピザである。
 そして、ピザといえばアメリカである。
 異論は認めない。

 もちろん、イタリアにもピザはある。しかし、アメリカのピザはもはやアメリカン・ピザと言っていいくらい独自の進化を遂げているのだ。
 幸か不幸か、日本のデリバリー・ピザはアメリカのピザの影響を強く受けているので、アメリカでピザを食べるとどこか懐かしい気持ちになる。
 分厚いパンのような生地、これでもかと盛ら

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アメリカのフォー

アメリカのフォー

 僕がアメリカに駐在していた二〇〇〇年当時、アメリカにラーメンはなかった。
 だから、代用食として僕たちはフォーを常食していたのだが、これがうまい。
 そう、フォーはうまいのだ。
 フォーは必ず香草が添えられて供される。店によって違うのだが、多くはもやし、バジル。ドクダミやパクチーが入っていることもある。
 もやしはそのまま、葉っぱ類は茎から葉っぱだけをちぎって入れる。
 他に添えられているのはラ

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アメリカのフィッシュアンドチップス

アメリカのフィッシュアンドチップス

 一般的にイギリスの食べ物は不味い、とされている。
 だが、それは間違いだ。イギリスの食べ物は美味しいのだ。お金さえ出せば。
 イギリスは密かに階級社会なので、安い食べ物は確かにゴミのようだ。だけどお金さえ払えばちゃんとした美味しい食べ物を頂くことができる。
 良い例がパブだ。
 ブリティッシュパブは大概二つの部屋に分かれていて、奥はラウンジ、手前がバーカウンターになっている。昔はお金持ち階級は奥

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アメリカのデザートは命がけ

アメリカのデザートは命がけ

 アメリカの飯はでかい。
 まるでテキサス州のようにでかい。
 これはまったく誇張ではなく、本当にバカでかいのだ。
 例えばステーキ。日本のステーキは大体大きくても三百グラム、一ポンド(約四百六十グラム)だと超大型になると思うのだが、アメリカでは一ポンドだったらまだ普通だ。骨付き肉のポーターハウスステーキ(いわゆるTボーンステーキ)ともなれば、平気で一ポンドを超えてくる。
 野菜も同様で、サラダ一

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