見出し画像

がんばるチー牛、夏の5日間日記。

2023年7月21日(金曜日)天気:晴れのち曇り
今日は1学期最後の日、明日から夏休みだ!家を出る前、お母さんから「ほら、これ、好きなやつ!」と渡されたチーズ牛丼を手に登校しました。到着してから、今日は終業式だけで、半日で下校できるラッキーな日でお弁当はいらなかったということに気づきました。なので、「ママが作ってくれたチー牛、どこで食べよっかな~」と、誰にも会わずに食べれる場所がないかを考えているとあっという間に終業式が終わりました。下校の時刻になると、廊下で「チー牛じゃん、なんでお弁当持ってんの?てか、もしかしてそれチーズ牛丼?」と、クラスの1軍女子の一人に声をかけられました。嬉しくてつい「そうだよ!」と珍しく声高らかに答えました。そしたら、「だからチー牛なんだよ」と吐き捨てられてしまいました。ですけれど、僕は少しだけうれしかったです。なぜなら、世間が思うチー牛ではない、つまり陰キャすぎてチー牛と呼ばれているのではなく、チーズ牛丼が好きすぎてチー牛と呼ばれているんだ、ということに気づいたからです。お昼は、駅のトイレでお弁当のチーズ牛丼を食べました。最近新しくできた駅のトイレだったので、美味しく食べることができました。帰ってから、少しだけ夏休みの宿題を覗いてみましたが、夏休みは長いので、「今日はいいや」と自分を甘やかして昼寝をしてしまいました、気持ちがよかったです。夜ご飯は、チーズ牛丼を食べました。美味しかったです。

2023年7月22日(土曜日)天気:曇りのち晴れ
待ちに待った夏休み、今日はその記念すべき1日目でした。だから、大好きなチー牛界隈の友達2人と遊びました。チー牛界隈にもいくつか派閥があり、2人はチーズ牛丼なら吉野家以外許せないという、吉野家派の人間です。ちなみに僕は、「チーズ牛丼」ならなんでもいいという、よくいえば中立派、悪くいえば「浅い」チー牛なので、普段はうまく知ったかぶりを使うことで難を逃れています。今日、吉野家派の2人は吉野家で牛丼がなかった時代に学生生活を送っていたら、チーズ豚丼を食べていたのかな、みたいな話をしていました。(調べたところ、吉野家では、2003年に米国でBSEに感染した疑いのある牛が発見されたことより、米国産牛肉の調達が不可能になってしまい、2004年から牛丼の販売を停止していました。)僕はそんな時代があったことを当然知らないのですが、うまく笑いに持っていくことで解決
しました。「それな??そしたら俺たち、チー豚(チートン)になっちゃうじゃんね!」とドヤ顔で言ってみました。「ドュフフ、こりゃ一本取られましたわぁ!」と1人に褒められて嬉しかったです。でも、気づきました。俺たちチー牛界隈は、牛肉がなくなっても平気であり、チーズは代替が利かないことに。だから、みんな案外「チーズ」を重視しているんですね。僕らのアイデンティティは「チーズ」と同義なのかもしれません。今日は、お昼ご飯と夜ご飯にそれぞれ吉野家のチーズ牛丼を店舗と河川敷でそれぞれ食べました。美味しかったです。

2023年7月23日(日曜日)天気:晴れ
今日は、家族と最寄りのイオンモールに出かけました。夏休みの日曜日ということもあって、お客さんも多くて、屋根のない屋上に車を止める羽目になりました。真夏の屋上は日差しが降り注いで車の中がとっても熱くなるので、地獄です。そこで、良いアイデアを思いつきました。ご飯と牛肉とチーズをどんぶりによそっておいておいたら、買い物が終わったころにちょうどチーズ牛丼ができあがるんじゃないかな、と考えました。なので、イオンモールに必ずあるお店こと、無印良品でどんぶりを購入、そのあとスーパーでパックのご飯と牛肉とチーズを購入しました。そこまでいけば話は早いです。どんぶりにご飯と牛肉、極めつけのチーズをふりかけ、あとは、電子レンジと化したプリウスにぶち込むだけです。それから僕は、数時間モール内をうろついていました。洋服が欲しかったのですが、(僕が似合うはずのない洋服を押しつけて似合ってますってお客さんに笑顔で言う、でおなじみの)ショップ店員に話しかけられるのが嫌なので、RAGEBLUEとかそーゆー陽キャが行くようなお店には行けませんでした。仕方なく、トップバリュで、チェックシャツを買って、いよいよ駐車場に戻りました。チーズ牛丼ですが、さすが真夏の日差しといったところでしょうか。あんなに赤かったお肉は見事に焼けて茶色に変化し、モクモクと湯気が出ていました。チーズもとろーりしており最高の状態でした。食べました。気付きました。味付けを忘れていました。ぼくの夏休みの自由研究は失敗に終わりました。くよくよしている僕を見かねて、お母さんがドライブスルーで吉野家に連れて行ってくれました。一日の終わりにチーズ牛丼を食べました。美味しかったです。

2023年7月24日(月曜日) 天気:雨
やはり、学校がない月曜日は、リリー・フランキーが出ている映画くらい好きです。だけど、今日は朝からバイトがありましたので、すき家に直行しました。しかも雨だったので、本当に苦しい気持ちになりました。でも、今日は店長から、まかないでチーズ牛丼を食べてもいいという許可をもらったので、プラスマイナスゼロみたいな感じになりました。本当に僕は単純です。チーズ牛丼で一喜一憂してしまいます。好きな女の子からの連絡が来る/来ない、で一喜一憂している時と似ているなと思いました。そう思っていたら、同じタイミングでバイトを始めた可愛い女の子から珍しく話しかけられました。「チー牛くん、もしかして明日ひま?」ととぼけたような顔で。僕は勘がいいので、これはあれだ、デートに誘う雰囲気を醸し出しながら暇かどうか聞いて、暇だったらバイトを代わってもらおう、そういう手口に違いない!と思いました。でも、万が一、億が一、デートの誘いだった時の可能性を考えて、というか夏休みだしそういう浮かれた話があってもおかしくないという気持ちもあったし、この店舗じゃ一番チーズ牛丼を作るのが上手だし、むしろデートの誘いじゃないとおかしいと思うようにして、「暇だよ、どうしたの?」って言いました。そしたら、「良かった、バイト代わってほしい!」とのことでした。涙と、くやしさと一緒に、まかないのチーズ牛丼を一生懸命かきこみました。美味しかったです。

2023年7月25日(火曜日) 天気:晴れ
こんなにも絶起(絶望の起床)が確約されている日はありませんでした。朝起きて憂鬱、朝ごはんにお母さんが作ってくれたチーズ牛丼を食べても憂鬱、もちろんバイト先に向かう時も憂鬱でした。バイト先についてすぐ、店長に一生に一度のお願いをしてみました。チーズ牛丼を2杯、まかないとして食べさせてくれないか、と。そしたら、案外笑顔でOKをもらえました。すき家とかそういうチェーン店の「店長」と呼ばれる人たちって、性格が悪い人が多いと思っていたので、-100だった気分が、1になりました。気分が回復してからは、意外とバイトを頑張れました。心なしかチーズ牛丼のオーダーも多かった気がします。チーズ牛丼を頼んでくれるお客さんのことは、勝手に友達だと思ってしまいます。僕は、もしかすると、まだ見ぬチー牛友達を探すために、バイトをしているのかもしれないですね。店長さんからも、今日の働きはよかったな、と褒められました。さらに、「どうだ、終わったら、焼き肉でもいくか?」と誘われました。うれしかったのですが、牛肉は、チーズ牛丼としてでしか口にしたくない旨を伝えて丁寧に断りました。すると店長は、「わかったよ、でもまかないのチーズ牛丼は俺に作らせてくれ」と言って、チーズ牛丼を作ってくれました。店長がチーズ牛丼を作ってる間、バイトを代わってあげた女の子からLINEが来ました。「バイト、代わってくれてありがとう!ところで、次の土曜日空いてる?」と書いてありました。でも、流石に騙されるわけにはいきません。「ごめん、空いてないわ、この先1年くらいは予定が詰まってて、、、」と返信しました。そしたら数分後に「そっか、残念。お礼にご飯でも!と思ったんだけどな」と返ってきました。店長が作ってくれたチーズ牛丼を、昨日と今日で枯れ果てた涙と一緒にすすって食べました。美味しかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?