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全員が“主役”の会社

column vol.1230

「趣味偽装」

について、ご存知でしょうか…?

この言葉に対して、『60歳からめきめき元気になる人 「退職不安」を吹き飛ばす秘訣』の著者で、心理学者の榎本博明さんは、このように仰っております。

「人から『趣味は何ですか?』と尋ねられ、言葉に詰まってしまい、これはまずいと思い、趣味を探し始めたという人もいるが、つまらない人間だと思われないように、偽の趣味を想定して答えるようにしているという人もいる。これを趣味偽装というそうだ。」

〈AERA.dot / 2024年8月10日〉

…うん、ちょっと私…、これに近いと思っています…(恥)

仕事人間は虚しく…ない!

もちろん趣味はあるのですが、本当に好きな人に対して自信を持って言えるほどのものではない

もちろん、仕事だけの人生は嫌ですが、結果的には仕事を超えて楽しいと思える趣味はないというのが本音です…

たまに、趣味が合って喜んでくださる方もいますが、話していると何か罪悪感に近いものを感じている…(汗)

休みもそうです。

土日は遊んで、日曜日は自己投資という感じで、大型連休でも3日仕事していないと、うずうずしてしまいます…

でも、“つまらない人” だと思われたくないので、なかなかそういう気持ちを表せずにいました…😅

ただ、仕事好きの人について、榎本さんはこのようにフォローしています。

「いずれにしても、趣味がないからといって、「つまらない人生だ」などと全否定することはない。趣味がないのは仕事一途に頑張ってきた証拠とも言える。」

…あ、…あざーす…!

何だか救われたような気がしました…

ただ、…手前味噌な話になってしまうのですが…、実はウチの会社には仕事好きな人は多い

それは今に始まったことではなく、私が中途で入社した20年以上前からそうでした。

改めてその理由を考えると、1番に挙げられるのが「自由裁量」でしょう。

自由に働けるし、結構、自分で仕事をジャッジできる部分は多い。

基本的には「社員を信じて任せる」社風ですし、就業規則などは性善説で成り立っています(笑)。

もちろん、それが組織の課題になることはありますが、概ね自由でありながら、(その割には)帰属意識が高い会社ではあると思うのです。

こうした企業文化をつくり上げた先代社長の口癖

「オレは社員全員が『主人公』だと思ってもらいたい。そのための環境をつくることが自分の仕事

でした。

「部下の発言機会が6倍」のワケ

自分もその恩恵を受けてきたので、今の立場になってからも、なるべく社員の自由を守ってあげたいとは思っています。

ただし、それが叶うかどうかはリーダーの器にかかっている…

上手く方針とフレームワークをつくりつつ、さらには何かあった時にフォローできる自分でいないといけないわけです…(汗)

…自分がそれを理想的に行えているかというとまだまだですが、それでも理想に向かいたいとは思っています。

そんな想いを、さらに高めてくれる事例があります。

それは会議のやり方を変えて自走する組織に変えたある小売チェーンの話です。

何を変えたのかというと、ある4店舗だけ副店長のみを集めて定例会を実施したのです。

〈集英社オンライン / 2024年6月20日〉

主な議題となったのは、プライベートブランド(PB)商品の販売戦略

いかにして売り伸ばすかをテーマに、「二番手会議」を月に1回、話し合うようにしたのです。

すると、どうでしょう。

何と、この会議によって、前年同月比売上げが全店平均98%のところ、この4店だけが130%の売上げとなったとのこと。

理由は、それまで店長任せだった副社長の意識が変わったからです。

その証拠となるのが、副店長たちの発言量

何と従来の会議に比べて6倍になったのです。

私も何か社内で決める際は最終決定の場のみで、それまでの打ち合わせには、なるべく参加しないようにしています。

なぜなら、最終決定者が自分の意見を発してしまうと、他のメンバーは発言しにくくなると思うからです。

それに、メンバーの意見を尊重したとしても、さんざん自分の意見を言ってしまった後だと、

「本当はあの人、納得いっていないんだろうなぁ」

と、変な憶測が生まれる可能性もあるでしょう。

この事例を見る前は、「少し考え過ぎかな…?」と自分を擁護していましたが、良い意味で諦めがつきました…(笑)

メンバーの想いを優先する場合は、なるべく自分の考えは伝えたくない

そして、みんなが決めたことできるだけ尊重したい

それが私の本音なのです。

…もちろん、…まだまだ上手くやれていない部分も多々ありますが…

休みも「意図」することが大事

やはり大切なのは、社員が「自分で考えて」「自分で決めること」

この2つが組み合わさると社員のパフォーマンスが劇的に上がり、さらにはグングン成長する。

…一方、私も人のことは言えませんが…、多くのリーダーが不安になり、自分で決めたくなってしまう

しかし、社員に決めることを譲ることで責任感が生まれます。

責任感は社員より深い思考に導きます。

何よりも、考える質が高まることで意図が明確になっていく

たとえ転ぶことが多くても、その方が成長の近道になるでしょう。

ちなみに面白いもので、「意図を持つ」ということは、休養をとる上でも大切のようです。

〈VOGUE / 2024年6月23日〉

休養学の第一人者である片野秀樹さんは、このように語ります。

何もしないでゴロゴロする、というのは実は間違った体の休ませ方です。疲れをきちんと取るには、行動するための活力を貯金する “攻めの休養” を取ることが重要なのです」

つまり、自分の意識のもち様で、同じ「休憩を取る」という行為でも効果が変わってくるという話です。

例えば、運動です。

リフレッシュが目的なら疲れ過ぎないことを意図する。

当たり前の話ではありますが、ついつい熱中し過ぎてヘトヘトになるのは私だけではないでしょう…😅

「疲れる」ということでいえば、休日同じことをしたとしても、自分で計画したか、誰かの付き合いかで、疲れ方が違うと感じます。

よく同じ仕事でも「やっているのか」「やらされているか」違うと言いますが、休みも同じなのかもしれませんね🤔

いずれにせよ、モチベーションが高く自走できる組織というのは、裁量と深く関係していることは間違いないでしょう。

もちろん、理想と現実の間で悩むことは多いですし、先代が目指した「全員が主人公の会社」というのは夢のまた夢なのかもしれません。

ただ一歩でも、いや1mmでも近づくことを目指していきたい

そんなことを改めて思う今日この頃です✨

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