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「事業承継」の新たな展開

column vol.1069

大同生命保険が全国の中小企業経営者を対象に「事業承継」への意識調査を実施いたしました。

〈OVO / 2023年7月26日〉

そこで判明したのが、「事業承継したい」との回答がこれまでの調査と比べて減少傾向にあること。

今回の調査では53%と、前回の2019年の調査に比べ20ポイント減少しているのです。

調査は今年6月1〜28日に実施。8871社の経営者に直接面談かオンライン面談で尋ねている。

「廃業したい」「未検討」と答えた企業では

「後継者の選定・確保」(35%)
「事業や業界の将来性」(31%)

課題に挙げる企業が多かったのですが、中でも後継者問題は大きいでしょう…

これは「事業承継したい」と回答した企業も同様で、課題を尋ねると

「後継者の育成」(48%)

を挙げた企業が最も多かったのです。

回答した経営者の中には

「事業承継したいが、子どもが成長するまで事業を継続できるか不安」
「後継者はいるが、継ぐかどうかは本人の判断に任せたい」

といった声があった一方、

「自分がフォローできるうちに後継者に失敗を経験させることも大事」
「後継者は他社で修業し社会経験を積んでから入社する方がよい」

など事業承継に意欲的な意見も寄せられました。

会社を存続させたいものの、立ちはだかる課題の大きさ心揺れる経営者の姿が浮かびますね。

…と、他人事ではないのが、この問題が今後の日本経済に大きく影響を及ぼしていくからです…

中小企業庁によると、25年までに経営者が70歳を超え後継者が未定な企業127万社もあります…

これにより…、累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性が…

地域を支えてきた小規模事業者の廃業は、超高齢社会を迎える地域社会において地域経済の衰退に直結する、非常に大きな社会課題となっているのです…

そんな中、未来の希望が見えてくるような事業承継に対する新たなアクションも見られます。


新たなつなぎ手「サーチファンド」

例えば、後継者不足に悩む中小企業に経営者候補を紹介する「サーチファンド」です。

〈JIJI.COM / 2023年7月12日〉

別会社による買収といった従来の手法と違い、投資家や金融機関などが支援し、企業と経営者候補とのマッチングを丁寧に探るアメリカ発の取り組みです。

例えば、千葉県にある住宅メーカー「フレスコ」では、社内や親族に適任者が見当たらず、取引のあった野村証券からサーチファンドの説明を受け、外部から新社長が就任

35歳の新社長は大卒後、企業の合併・買収(M&A)仲介などを経験し、経営者になるべく研鑽を積んできました。

創業者は、新社長が「経営やデジタルの知見、人脈などの資質を備えている」と確信し、バトンタッチを決断。

新社長も免震構造を重視する創業者の姿勢に「一見目立たない品質へのこだわりこそ顧客の信頼獲得に不可欠」と共感。

100億円規模の年商を飛躍的に高めたいと、社員らと経営計画の策定に当たる日々とのことです。

他にも、機能化学品事業を展開する山口県の三笠産業も今年2月、山口銀行から紹介された新社長が就任

新社長は37歳で商社や投資ファンドで働きながら経営者を志していたそうです。

M&A調査のレコフデータによると、事業承継が関連したM&Aは昨年、サーチファンドを含め749件と、集計を始めた2007年以降最多を記録

企業買収を伴うトップ交代は社員が経営の先行きに不安を抱くケースが多いのですが、サーチファンドはトップ自ら後継人材を見定めるため「社内の混乱が比較的小さい」のです。

サーチファンドの存在によって、少しでも多くの事業承継が生まれると良いですね。

事業承継マッチングの「プレミアム版」が登場

続いてもう1つご紹介したいと思います。

事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」「プレミアム会員制度」が開始されました。

〈PRTIMES / 2023年7月26日〉

「relay」は事業を譲り渡したい経営者と事業を譲り受けたい後継者候補Web上でマッチングさせるサービス。

従来、社名や企業情報が伏せられてきた事業承継のマッチングをオープンネームで行い、どんな想いで企業や店舗を運営してきたか、オーナーの横顔を含めた想いを記事化し、後継者候補を広く公募しています。

実際、後継者候補の中には、会社・お店のファンという方も多いそうです。

とはいえ…、事業承継とは簡単なものではなく、専門的な知識や情報が充分でないために、後継者の応募に踏み切れない場合が多々あります。

そこで、譲受希望者のサポートを強化するプレミアム版が登場したわけです。

プレミアム会員制度内容
(1)一般非公開の後継者募集案件の閲覧
(2)通常5,500円/件の財務情報が無制限で取得可能
(3)新着の後継者募集案件の情報を掲載一日前にお知らせ
(4)決算書の見方がわかる説明書を提供

(4)の決算書の見方が学べるなど、リテラシー向上の新たなサービスがお披露目されています。

さらに欲を言えば、説明書の提供のみならず、オンラインセミナーなど、本やYouTube(1way)では解消できないような疑問点をコミュニケーション(2way)によって解消していくようなプログラムが充実してくると、さらに利用するメリットが生まれそうですね😊

まぁ、当然そこはやっていくでしょうから、今後の期待ですね〜

当社は昨年、代替りしたばかりですが、創業社長が偉大過ぎる人でしたので、プレッシャーは半端ありません…

しかし、皆で力を合わせて何とか今まで以上の信頼が築けるよう尽くしたいと思います!

それでは、良い週末をお過ごしくださいませ😊

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