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「天才脳」の育て方

column vol.1128

8冠達成という偉業を残した棋士の藤井聡太さんですが、当然ながら「なぜ強いのか?」に迫る記事を多く見かけます。

そんな中、藤井さんの「脳」について分析する記事に着目しました。

「天才の脳」にあやかりたい…

「少しでも学べることがあるならば…」

〜と個人的には願っていますので(笑)、本日は【天才脳の育て方】と題し、藤井さんの “脳力” に迫りたいと思います。


「前頭葉」がカギ!

まずは、現代ビジネス【藤井聡太八冠の「脳内」=『マトリックス』説とは…スゴすぎる頭の中を覗いてみたら】という記事に学びます。

〈現代ビジネス / 2023年10月14日〉

東海大学情報通信学部の中谷裕教先生が行った実験によると、次の一手を決める際の脳の動きに対して、プロ棋士アマチュア棋士脳の使い方が違うそうです。

まず盤面を見た時、人の脳は視覚野を使って情報を把握します。

これについては誰もが同じ。

しかしこの後、プロ棋士楔前部という空間的な情報を処理する分野と、尾状核という行動を選択する神経核を使い、瞬時に次の一手を検討します。

これはどちらも直感にもとづいた判断をする時に使われる部分で、速い方0.2秒ほどで答えを導き出すそうです。

恐らく、藤井さんはこの2つの分野が相当発達しているのではないかと推察されています。

ちなみに、例えば目の前にある3つの飲み物の中で「どれが一番好きか?」と聞かれた時、パッと選べたら、それは尾状核のおかげというわけです。

さらに、藤井さんには他の棋士と違う特徴があります。

それは、

脳内で将棋盤を想像することはしない

こと。

普通は、次の手を考える時、頭の中で将棋盤を思い浮かべ、想像の中で駒を動かしながら検討しますよね?

しかし、藤井さんの場合は「2三桂」「4五飛」といった数字と記号の並びだけが頭に浮かぶそうです。

それは、数字やアルファベットが、雨のように次から次へと落ちていくような映画『マトリックス』のような世界。

さながら、こんな感じでしょう。

マトリックス

作品の冒頭のシーンです😊

将棋は、一手につき約80通り指し手があり、次、その次と進むと何億手もの候補手が現れる。

まさに、藤井さんの頭の中は、マトリックスのような世界に違いありません。

新しい知識への好奇心

ちなみに、前頭葉にある上前頭回という部分がカギを握るそうです。

前頭葉は主に集中力思考を司る分野。

また、脳の各所に指令を出す役割があるため、前頭葉を意識して動かすことが脳全体を活性化させることにつながりるというわけですね。

上前頭回で思考することを繰り返すことにより、棋士に特有の回路が生まれる。

これにより、直感レベルで指し手がひらめくようになるということです〜

そして、藤井さんといえば「AI将棋」のパイオニアですが、このことについて中谷先生スポニチアネックスの記事の中で、こんな興味深い話をされています。

人間同士では気付かないような最新の知識を得られるようになった。

〈スポニチアネックス / 2023年10月11日〉

「人間同士では気付かないような最新の知識」、この言葉がこれからの時代のカギになると感じたのです。

続けて先生はこのように仰っています。

若いうちからAIを駆使して人間には届かないような知識を上手に取り入れている。脳が柔らかいうちにプロになったことで成長曲線が高くなった。

「AIを駆使して人間には届かないような知識」、またまた非常に気になります…(汗)

残念ながら、このことに関する解説がないまま記事は終わっているのですが、別の記事別の識者が解説してくれています。

それは、脳科学者茂木健一郎先生です。

〈日刊スポーツ / 2023年6月2日〉

AIは人間の「脳力」を拡張させる

茂木先生も藤井さんの天才的な強さ「AIとの付き合い方」から生まれていると解説しています。

藤井名人の場合、自作のコンピューターで研究する『脳力』と、盤に向かって将棋を指す『生身の将棋脳』という、違う能力を兼ね備えている。いわば、デュアルエンジンを搭載しているのが、他の棋士と違う。

つまり、普通は将棋を指しながら将棋脳を育んでいきますが、藤井さんの場合は、「AIでの研究で鍛えられた脳力」がプラスされているということです。

言わば、脳の二刀流

…いや、…ちょっと余計分かりにくい喩えになったので…、「デュアルエンジン」に戻しましょう…

脳(エンジン)を2つ持っているようなものということですね。

なぜAIが脳力を磨くのか?

それはAIの場合、ある局面で推奨する指し手について

なぜそうなるかの説明がないこと

にあるそうです。

つまり、人間が「その理由を突きとめないといけないこと」がミソになりますす。

よく藤井さんは「タイトル戦でも人間が指す将棋の常識にとらわれない異次元の妙手を繰り出している」と評されていますが、まさにこれは中谷先生が語った

AIを駆使して人間には届かないような知識

答えになるのではないでしょうか?

つまり、AIによる異次元の指し手を考察することで、人間の「脳力が拡張」しているというイメージですかね。

実際、藤井さんはAI将棋を導入してから、神がかった強さを発揮しています。

そう考えると、もしかして仕事でもchatGPTとの対話の中で磨かれる脳力があるのかもしれません…🤔

たまに、AIが質問に対してチンプンカンプンな回答をする時がありますが、これをあえて「異次元の答え」と思って考察していくと、もしかしたら天才脳は育つ

…というわけではないとは思いますが…、今後AIをポジティブに捉えて活用していくと、何か磨かれる能力はきっとあるのでしょう。

ちなみに、先ほど出た前頭葉「流動性知能」と呼ばれる新しい知識に適応する能力(好奇心)を司っています。

俗に40代から能力が急降下していくことが知られていますので、やはりいかに前頭葉の老化を抑えるトレーニングが大切か改めて実感いたしました…😅

前頭葉を鍛える方法が知りたい方はこちらをどうぞ。

【40歳からの脳トレ学】

【「想像力」は人生を楽しみに変える】

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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