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「世界一」の源泉は「誇り」にある
vol.19
羽田空港は、8年連続、世界の空港の中で「清潔さ世界一」に輝いているのですが、その立役者になっているのが日本空港テクノで働く新津春子さん。
同社で唯一の「環境マイスター」としてNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で2回にわたって取り上げられ、『世界一清潔な空港の清掃人』という本を出すなど、そのご活躍は見る者を惹き付けます。
最近、AERA.dotで、新津さんのプロフェッショナル魂の一端が紹介されているので共有させていただきます。
〈AERA.dot / 2023年7月13日〉
脱帽したのが2020年の緊急事態宣言の時。
たまに遊びに来る人以外は、ほぼ誰も訪れない空港でしたが、閉めるわけにはいかず、そうなると当然、掃除をする必要があります。
普通なら気が緩みそうな状況…
しかし、新津さんはこのように思いながら仕事をしていたそうです。
だったらこの時間を使って、今までできていなかった所をきれいにしよう、って。ひっきりなしにお客様が来ているときは、どうしても後回しになるところがあるんですね。高いところとか、ソファや什器の下とか。だから全部一回きれいにして、お客様が戻ってきた時に備えようと思ったんです。それをやってもまだ余裕があれば、何か他にできることを考えても良い。まずは、自分たちの足元をしっかりと見ることが大事だと思ったんです。
素晴らしい…
こうしたマインドが羽田空港を8年連続「清潔さ世界一」に導いているのだと学ばせていただきました。
さらに最近は管理職になられ、空港の現場に出られなくなった状況に置いても尊敬すべき選択をしています。
それは今までの技術を活かすためハウスクリーニング事業を立ち上げたのです。
もともとビルメンテナンス会社なので、ハウスクリーニングはやっていない
そこに目をつけたとのこと。
そして、事業を立ち上げた理由が、痺れます。
清掃の仕事は、現場を離れるとあっというまについていけなくなります。道具も洗剤類も常に進化しているし、床やテーブルの材質だって毎年変わります。
新しい現場に入った時に何も分からなかったら、どうして技術者と言えますか? 私が何もやってなくて、ただ座っているだけだったら、これまで私がみんなに教えたこと、本に書いたことの価値が変わりませんか?
自分自身をどんどん更新しなければ、せっかくこれまでやってきたことが、そこで終わってしまうと思うんです。
常に初心を忘れずに、なおかつ新しいものを見つける。座っていては、何も見つからないんですよ。だって頭で考えることと、実際に経験することは違うんですから。現実を見ないでどうやって考えるの?
だから、現場を手離してはダメなんです。
「清掃技術者」としての美しいまでの「誇り」を感じます。
既存の現場に居続ければ、後進の成長の妨げになる。
そこを理解しつつの、茨の道(新規事業)を開拓する。
この国ではプレイイングマネージャーが多いですが、そうした管理職のまさにお手本のような方です。
と、同時に技術者としての強い自負を感じますね。
清掃技術者としての誇りを胸に、お客さんの笑顔と満足のために心を尽くす。
その結果として世界一に輝いている。
これはきっと世界一が先に来ていたら、到達できないことなのだろうなとも思います。
世界一とは言わずとも、「良い仕事」の源泉は仕事に対する愛情や誇りが第一。
よく「内発的動機」などモチベーションについての話をよく耳にしますが、実は非常にシンプルなことでもあるなと、新津さんの想いを拝見して、そんな風に感じました。
「今の仕事が好き」、常にそう言える自分でいたいと思います😊
【発想の画鋲】
新しい時代の気配を感じた記事をピックアップし、画鋲で留めるように記事に留めておこうという企画。新しい着眼を共有させていただきます。
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