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新しいビジネスが「山」にある

column vol.1093

今年は猛暑日が過去最多となり、こうも暑いと行きたくなるのが、避暑地の山です。

真夏の休日快適に過ごす定番の場所ですが、最近は平日にもスポットライトが当たっています。

つまり、ビジネスにおいては「熱い」場所となっているのです。


岡山県の「山村」が起業のメッカに


有名な所でいえば、岡山県、兵庫県、鳥取県の県境にある岡山県西粟倉村でしょう。

人口1400人の山村ですが、ローカルベンチャーの聖地となっているのです。

〈NEWS PICKS +d / 2023年8月19日〉

ここ15年で、多くの起業家やクリエイターら150人が新ビジネスの構想を携えて移住し、それぞれ成長を遂げてきました。

移住者の心を掴んだのは、合併をしない決断をした時に村長が掲げた「地域を諦めない」という意思と、放置されていた森林に価値を取り戻し、村を創生させるという「百年の森林構想」

やはり、美しい使命は人の心を惹きつけます

村の一大プロジェクトの中心となっている株式会社西粟倉・森の学校と、そのホールディングスカンパニーであるエーゼロ株式会社

これまでに46を超える事業を立ち上げてきました。

何より、移住者がビジネスで困ったことがあったら官民一体となって対応している。

2015年から2021年までの6年間、西粟倉村で起業する人たちを支援するため運営してきた村主催ローカルベンチャースクールもその1つです。

移住&起業のファーストステップとして地域おこし協力隊の制度を活用。

エーゼロは村と共に、協力隊の期間が終わる3年の間に事業の軸を固めて自立する後押しをしてきたのです。

ローカルベンチャースクールの終了と入れ替わるように立ち上がったのが「TAKIBIプログラム」

より良い地域の循環と雇用の拡大を目指し、村内外の多様な人々と協働した事業創出へと向かっています。

これはより大規模な事業を生み出していく。

村の企業だけでは実現できないことを、都市部に住む学生社会人インターンシッププロボノとして巻き込んでいきます。

そして、目指すは1億円規模

これは、企業が人材の採用、育成に力を入れられる規模

達成できれば企業としてインターン生の受け入れや、移住者やUターン者の雇用拡大につながります。

粟倉村のローカルビジネスが発展していけば、地方経済の大きな道標となるでしょう。

世界中のリーダーが「悟り」を開く場所

「起業家」といえば、会社のリーダーですが、リーダーシップの参考となる事例があります。

何とビジネスリーダーが「悟り」を開くための「山の修行」があるというのです。

〈Forbes JAPAN / 2023年8月30日〉

その山とは、仏教発祥の地・インドにあります。

悟りのプログラムは、哲学者のクリシュナジさんプリタジさんが運営。

フォーブスジャパンの記事を書いたラーニングエッジ株式会社代表取締役社長、清水康一朗さんはその山のプログラムに参加する前に、2人の哲学者がチェンナイで行っている「ワンネスを学ぶ経営者プログラム」に参加します。

「ワンネス」とは、簡単に言えば「一体感(1つであること)」

自分も他人も1つであり、世界と自分を分断しないことを目指しています。

これは、先日書いた【「コンパッション」と日本の親和性】という記事に通ずる話。

ビジネスの現場でも、こうした考えは「アサーショントレーニング」という名でさまざまな企業から採用されています。

「悟り」というからもっと宗教のようなものを想像していたそうですが、極めてロジカルでビジネスにも活用できる内容と感じ、山の修行にもトライ。

そこで知ったのは、悟りというのは「苦しみから抜け出す教え」という本来の意味

ビジネスをしていると、さまざまな「苦しみ」がありますが、特に経営者は「苦しみ=弱さ」と捉え、封印しようとしてしまいます…

他にも常識や慣習というバイアスによって、本来の自分の想いを自身で抑圧し、見えないストレスを抱える場合もあります。

そうしたものを一旦リセットして、本当の自分の気持ちに向き合っていく

例えば、インドのビジネス哲学には「ベンツに乗ったブッダになりなさい」と教えもあるそうです😅

「欲を捨てること」など聖人君子になることが悟りではないということが分かります。

先ほどの「ワンネス」ということが前提にあると、よく理解できるかと思いますが、まずは自分が苦しみのない状態になること

そうして余裕のある心をつくることで、今度は経営者として周りを豊かで苦しみのない悟りの世界にしていくのです。

多世代が助け合う場を育む “山”

私も多くの経営者を見てきましたが、多くの方が「奉仕の精神」が強い

そうでなければ経営者は務まりませんし、長く信頼される会社を経営することはできません。

一方で、自分を疎かにしてもいけない

そのことをインドの山で学ぶというわけです。

そう聞くと、世界中からビジネスリーダーが集まり、評価されるのも理解できますね。

この話に通ずるところがあるのですが、日本にもぜひ共有させていただきたい「自分を大切にし、助け合う精神」を育む山があります。

それは、山と言っても「富山」

富山県には、不得意の差「発達の凸凹(でこぼこ)」で生きづらさを感じ、不登校ひきこもりになっている人たちが集まる「みやの森カフェ」というお店があります。

このカフェを運営するのは「Ponteとやま」という一般社団法人。

同社は共に元教諭の水野カオル代表理事加藤愛理子理事が2014年に設立しました。

その後、シェアライフ富山代表の姫野泰尚さんと一緒に多世代が助け合えるシェアハウス「Liberoみやの森」をオープン。

〈北日本新聞 webun+ / 2023年8月4日〉

目指すは

・若者が自由にイキイキと自分を表現出来る家
・多世代が交流し、互いに手を差し伸べられる優しい空間

であること。

それぞれの個性を大切にし合い、助け合う「ごちゃまぜ文化」を大事にしています。

最近、古くなっている建物の修繕など環境整備のためにクラウドファンディングを行ったのですが、目標金額の200万円を集めることに成功

Liberoみやの森を支えていきたいという人たちの輪が広がっています。

こうした多様性を尊重する場がこの国に広がっていくことで、日本のビジネスも変わっていくのでしょうね。

本日はさまざまな山のビジネスの事例を見ていただきましたが、いかがだったでしょうか?

今はなかなか…トライできないのですが…、個人的にはいつかローカルビジネスに関わっていきたいと思っています。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます😊

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