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「課題解決の志」が地方の求心力に

column vol.1022

今年1月に実施されたJob総研による『2023年 地方移住の意識調査』では、「地方移住ワーク」に対する興味の高さが窺えました。

〈PR TIMES / 2023年2月13日〉

「とても興味がある」17.8%
「興味がある」17.6%
「どちらかといえば興味がある」24.4%

3つを合わせると約6割です。

特に30代63.1%で最多。

移住したい理由として、2位「転職をせずに地方へ引っ越しができる」(55.0%)が挙がっているように、リモートワークなどの環境整備が進んだことが大きいと思いますが

一方で、地方には面白いビジネスが増えており、その仕事を求めて移り住む方々もいらっしゃいます。

今日は、そんな地方発の魅力的な企業を2つご紹介したいと思います。

時間のない “ママたち” の活躍の場へ

最初の1つが、高知県日高村にあるNPO法人「日高わのわ会」です。

こちらは、小さい子を抱えているママたちが集まる会社

「ちょっとの時間はあるけど、長くは働けない」という育児中ならではの悩みを解決しているます。

〈テレ朝NEWS / 2023年5月13日〉

ちなみに、同社が魅力的な事業を行っていることで、住民わずか5000人の過疎の村に世界中から視察が相次いでいます。

その数2000件…(驚)

その事業とは、トマトの加工品製造

代表商品である「とまとみそ」は高知県の物産展で大行列ができるほどです。

実は、このトマトが “ミソ” なのですが、規格外品を使ってつくっています。

もともと収穫全体の2割程度が規格外品で、出荷ができないだけではなく、処分にもお金がかかるという農家さんたちにとって二重苦でした…

そこで、同社では規格外品を買い取り、加工食品に。

日高村のトマトは、「日本一糖度が高いとされる地元産フルーツトマト」と評されていることもあり、すぐに全国的なヒット商品に。

年間2000万円を売り上げており、菅義偉総理大臣時代には内閣総理大臣賞も受賞しています。

時間のないママたちの活躍の場になりつつ、農家さんたちを助け地域活性化に寄与している。

そんなビジネスモデルに惹かれ、東京の広告制作会社で勤務していた小野加央里さんも6年前、日高村に移住

社会貢献を行う同社の志が移住へのエンジンになったというわけです。

「UIターン8割」の山形の企業

「社会貢献を行う同社の志が移住へのエンジンになった」ということでいえば、その代表選手のような企業が山形県鶴岡市の「ヤマガタデザイン」でしょう。

こちらは、街づくり会社

庄内平野の田んぼに浮かぶような姿が “インスタ映え” すると人気のホテル「スイデンテラス」が、同社を一躍有名にしました。

〈毎日新聞 / 2023年5月11日〉

CEO山中大介さんは、このように同社について語ります。

課題を解決する事業をつくり、その結果、全国から人材が集まる。庄内がさらに面白い地域になってくれれば。

ご自身も東京からの移住者で、創業から約9年、地域の課題と可能性を見つめ続けてこられました。

スイデンテラスはその代表格ですし、他にも児童館学童保育などの機能を備えたドーム型の教育施設「キッズドームソライ」を運営。

人材紹介事業「チイキズカン」有機農業をするなど、事業を通して地域に貢献されています。

その甲斐もあり、22年度の売上高は約14億円と順調に成長。

従業員は約120人まで増えたのですが、そのうち8割はUIターンの方々とのことです。

そして今後は、2024年4月から社名を「SHONAI(ショウナイ)」に変更し、30年度までに売上高100億円超の目標も提示。

新しい社名には

全国で事業を展開しているからこそ、起点を強くしなければならない

との思いがこもっているそうです。

目標達成のカギになるのが優秀な人材の確保であることは明白ですが、その布石となるのが、上述の人材紹介事業の「チイキズカン」になるでしょう。

庄内地方を舞台とした映画製作も計画しているそうで、今後ますます鶴岡市に熱き人財たちが集まりそうな予感がしますね。

「副業」が地方ビジネスの入口に

もちろん、まだまだ移住というのは移る側にとっても、受け入れる側にとってもハードルが高いということはあるでしょう…

実際、双方からミスマッチングを感じているという声が挙がっています…

そんな中、副業という関わり方で活躍している方も増えています。

現在、外資系IT広告企業で働きながら、副業で京都市役所長崎県庁の2ヵ所でマーケティングアドバイザーを務める青木一剛さんもその一人。

NIKKEIリスキリングでその活躍ぶりが紹介されておりますので共有させていただきます。

〈NIKKEIリスキリング / 2023年5月8日〉

副業の魅力は、副収入を得られるだけではなく、他の環境で今までにない経験値を積めることが大きいと言えます。

青木さんもそのように考えていらっしゃるようで、これまでJリーグ所属のプロサッカーチームのマーケティングアドバイザーなどを副業で経験してきたそうです。

…とはいえ、本業も忙しい中、副業を行うのは大変です…

そこで、青木さんはこんな工夫をされているとのこと。

働く時間は比較的自由に決めることができるので、副業平日の朝や夕方の業務時間外、週末を活用しています。また、限られた時間の中で質の高いアウトプットを出せるように、時間当たりの生産性を上げることを意識しています。そのために、データ分析やプレゼンテーション、動画編集などの講座を自費でも受講し、リスキリングや自己研鑽に充てる時間も増やすようになりました。

この話を聞いて、同じマーケターとしてピンときちゃいました。

マーケティングクリエイティブの仕事は、突き詰めれば突き詰められる仕事なので、超過労働になりやすい職種とも言えます。

しかし、副業でさまざまな経験を積み、成長するにはより時間の凝縮が求められます。

もちろん、作業効率を上げるということもそうなのですが、経験上、決断力を高めないと超過労働は解決しないと感じていますので、意識への変化と努力により、そういった能力の向上にも寄与してくれそうです😊

もちろん、移住なしのリモート副業であっても、「場」の問題ではなく「時間」の問題には要注意です。

業務内容をしっかりと確認しないで受けてしまうと、余暇をとれない状況になってしまえば元も子もありません。

そんなところ押さえておきながら、社会貢献意欲の高い地方企業&自治体の仕事に取り組んでいけると、より充実した日々を送ることができるかもしれませんね。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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