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急がば“学べ”

vol.107

30代の頃、親族で読書の話をしていたら、当時40代の義兄

40代からは文学を読んだ方が良いらしい

と言っていたことが、印象的な思い出として残っています。

当時の私は、文学は若い時に読むものというイメージがありました。

そして時を経て、40代になると義兄が私に伝えたかった意図が分かるようになったのです。

40代とはバリバリ管理職になる年代

そうなると、「人(部下)」の課題が仕事のウエイトを占めてくるようになります。

もちろん、マネジメントの本心理学の本なども読むのですが、それと同等か、それ以上に文学は人が学べる

例えば、カフカ『変身』からは、リーダーに依存させない組織づくりを行う必要性が学べ、ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』からは自分の常識や正義に対して疑う視点が芽生えるわけです。

さらに50代が近づいてきて、ここ数年は自然から学ぶことも多くなってきました。

例えば発酵において、酵母など微生物活動しやすい環境を整えることが肝要だと知ると、それは組織のリーダーシップにも転用できる。

いかにメンバーが働きやすい環境を整えることが大事という話につながってくるからです。

つまり、経験を積み教養を重ねるほど、森羅万象その全てが先生に思えてきます。

そんな風に感じてきている今日この頃なのですが、最近、『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』の抜粋記事を読んでいて、さらにその想いに確信を持てました。

〈現代ビジネス / 2024年6月19日〉

こちらは、

●地方のFラン大学卒
●営業の仕事に全く自信が持てない

著者の山岡彰彦さんが、いかに「日本一の営業」になれたかという学びの営業日誌

結果が出せなかった当初は、書店で営業のノウハウ本を何冊か買ってきて

「そうか、イエスバット話法か。まずは相手の話を聞いて、それから反論すればいいのか」

といったように、本から仕入れたインスタントの曖昧なノウハウで売り込みに臨んでいたそうです。

それに対して営業所の山根所長から、このようにアドバイスを受けます。

「すべてのことに言えるんだが、専門的な知識をどれだけ蓄えても、それは電信柱のような一本の棒みたいなものだ。それだけではちょっとしたことで倒れてしまう。いま、読んでいる営業の本には役に立つことがたくさん書かれていると思うが、それだけをちょっとつまんで現場に持ち込んでもしっかりと使えるものにはならないんだ」

つまり、専門知識(ノウハウ)だけを学ぼうとしても上手く結果を出すことは難しい

学びの裾野を広げなさいという話です。

若い頃、モテたくて雑誌の「デート先の決定版」「モテ服」みたいな特集をよく読んでいましたが、それだけではモテないのと同じですね(笑)

営業についても、イエスバット話法も大事だけど、そもそも話す内容が豊かなのかどうか?

アイスブレイクにどんな話題を振っているのか?

去り際のトークはどうなのか?

お土産はどんなものを持っていった方が良いのか?

などなど、挙げればキリがないほど、良い営業にまつわる学びは多角的に行う必要があるでしょう。

逆にそのために学んだわけではなかったことが、仕事に活きることも多々あるのです。

山岡さんはこのように語ります。

「営業に限りませんが、ものごとは一足飛びにはいきません。何か上手くいかないことがあれば手っ取り早く人に教えてもらうとか、役立ちそうなノウハウを持ってくるとか、とにかく近道を選びがちです。しかし、実際に仕事で使えるものは、そう簡単に身に付くものではありません。」

つまり急がば「ゆっくり、じっくり、多方面から学べ」ということでしょう。

そして様々な経験を積むことで、以前得た知識を深く理解することができ、時間差で成長の地肉になることもあります。

よく学び、よく経験する。

そうした不断の積み重ねが大きな飛躍につながっていくのでしょう😊

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