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日本の “新しき” 観光

column vol.1080

当社の夏休みは、6月〜9月の間で自由に5日取得することができるのですが、この3連休につなげて本日お休みを取る社員が多くいました。

世間ではお盆ウィークでもありますし、本日は夏休みモードでお届けしたいと思います〜

夏休みといえば、やはり「観光」

私の実家がある鎌倉は、な、な、何と観光客密集度京都・奈良の約10倍と圧倒しているそうです…(汗)

〈毎日新聞 / 2023年8月13日〉

私が子どもの頃は、もっと穏やかだった気がしますが…、最近はこの時期は地元に近づけません…(汗)

ちなみに「最近」ということでいえば、日本の観光もテーマが多様化しているようです。

そこで今日は、どんな観光先が人気なのかということをベースに、オススメスポットを深掘りしていきたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊


多様化する観光。人気1位とは?

メタ観光推進機構が行った「観光の多様化」について調査によると、以下のような場所が人気のようです。

1位 夜景、眺望、絶景など、風景(71%)
2位 世界遺産、国宝などの観光名所(67%)
3位 ご当地の大衆的な食事(63%)

〈travel voice / 2023年7月21日〉

私の感覚では「世界遺産、国宝などの観光名所」が1位かな?

と思っていただけに、2位に甘んじたのは意外でしたが

王座に輝いた「夜景、眺望、絶景など、風景」について、近年、日本全体として力を入れていることが窺えます。

例えば、「夜景」です。

一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが行なっている「日本夜景遺産」という企画をご存知でしょうか?

〈読売新聞オンライン / 2023年7月21日〉

今年で18回目となるのですが、選定されたスポットは以下の通りとなります。

【施設型夜景遺産】
★栃木県庁15階展望ロビー(栃木県宇都宮市)
多摩モノレール(東京都立川市)
東急プラザ銀座屋上(東京都中央区)

【ライトアップ夜景遺産】
★水郷潮来あやめ園ライトアップ(茨城県潮来市)
★足利学校 ライトアップ(栃木県足利市)
★若竹の杜 若山農場(栃木県宇都宮市)
★ホテル椿山荘東京 庭園ライトアップ(東京都文京区)
★弥彦公園 紅葉ライトアップ(新潟県西蒲原郡弥彦村)
★うおづキャンドルロード(富山県魚津市)
★倉敷美観地区(岡山県倉敷市)
★松江水燈路(島根県松江市)
★別府タワー ライトアップ(大分県別府市)
★小倉城(福岡県北九州市)

個人的には「多摩モノレール」に反応してしまいました。

新人の頃、立川の商業施設の仕事を担当していた時は1年間、ほぼ毎週行っていたのですが、たまに気晴らしに立川〜高幡不動まで乗り、渋谷のオフィスまで戻ったことを思い出します。

また、東急プラザ銀座屋上が選出されていますが、「東急」といえば、渋谷のスクランブルスクエアの屋上展望空間「SKY STAGE」も最高です😊

世界での観光ではナイトライフが重要ですが、ビュースポットと併せて盛り上げられる地域は、今後ますます人気が高まるでしょう。

富裕層の獲得へ。国立公園をブランド化

また、「風景」ということでいえば、国を挙げての取り組みが見られます。

注目されているのは、環境省国立公園のブランド化です。

〈読売新聞オンライン / 2023年6月19日〉

国立公園とは、優れた自然を守るために環境相が指定し、国が保護・管理する自然公園のこと。

現在は北海道から沖縄まで全国に34ヵ所あります。

ブランド化というのは、富裕層の需要を見込み、来春までに、高級ホテルに宿泊しながら質の高い自然体験ができるモデル地域を決める取り組みのこと。

まずは今年、候補となる国立公園が3ヵ所選出されました。

十和田八幡平国立公園(十和田湖地域)
【選定ポイント】
利用拠点の再生による新たな魅力づくり
中部山岳国立公園(南部地域)
【選定ポイント】
山岳地域の利用の高付加価値化を含めた広域連携
大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)
【選定ポイント】
日本の伝統的自然観や歴史文化を踏まえた自然体験の拠点づくり

〈環境省 / Webサイト〉

来春までに1~2ヵ所に絞り込み宿泊施設を誘致する事業者の公募を始めます。

最初の取り組みを成功させ、ブランド化の第一歩としたいというわけです。

欧米の国立公園の場合、高級ホテルに宿泊しながら、さまざまな自然体験プログラムに参加できることが珍しくありません。

日本ではこれまで美しい自然があるにも関わらず活かせなかったという反省から、今後は自然財を活用したラグジュアリー体験をお届けしようとしているのです。

ブランド化が成功すれば、日本観光の新しい形が見えてくるでしょう。

ニッチがメジャーに!?観光の多様化が進行

メタ観光推進機構の調査に話を戻しまして、今回のキーポイントである「多様化」について語りたいと思います。

こんなスポットが人気急上昇なのです。

●地形(30%)
●昭和レトロ(29%)
●廃墟(27%)

など

従来は「ニッチ」扱いだったテーマが3割を占めているのです。

ちなみに、こちらが全データです。

メタ観光推進機構

(…拡大してご覧くださいませ…!)

また、「従来型ではないテーマ」自体を主な目的に設定した旅行への経験と関心がある割合を調べたところ

●実際に(そのようなテーマの旅行に)行ったことがある(21%)
●⾏ったことはないが興味はある(25%)
●旅先にあればついでに⾏ってみたいとは思う(38%)

となり、全体の84%が該当しています。

ちなみに、「廃墟」が再活用されて注目を集めている事例の1つに、山梨県の人気観光地、清里「ミルクポット」があります。

〈ねとらぼ / 2023年8月11日〉

ミルクポットとは、バブル期の1980年代に建てられた清里のランドマーク的な存在

当時は中でお土産などが販売されていました。

ちなみに外観はこんな感じです。

清里観光振興会

今ではソフトクリームクレープを販売するカフェとして復活しています。

私の親戚が清里に別荘を持っていたので、子どもの頃行った思い出がよみがえってきます(…しみじみ…)

廃墟といえば、他にも神戸・摩耶山にあり「廃虚の女王」として知られる「旧摩耶観光ホテル」なども有名です。

〈読売新聞オンライン / 2023年7月5日〉

ランキングの下位には、マンホール電線標識など、「特別な路上アイテム」20%も票を集めていたり、多様化がバリバリ進行していることが窺えます。

こうしたニーズの細分化観光客を分散させ、オーバーツーリズムを避けるための一端になる。

いつか、お盆休みに帰れる鎌倉に戻っていないかと少し考える今日この頃です🤔

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