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押さえておきたい「インド」のこと

column vol.890

昨日は七草粥を食べて、ついに「新春」というイベントの最終章を迎えたように思えます。

この7日間で、なるべく2023年のスタートにふさわしいテーマをピックアップしたのですが、実はまだまだ取り上げたいものがあり、入りきれませんでした…(汗)

…と…、まぁ…、時期にこだわる必要はないので…、徐々に出していこうと思うのですが、1つ早めに取り上げたいのが「インド」についてです。

人によっては当然「今さら!?」と思うかもしれませんが…、やはり今年はインドにとって大転換期

経済成長も相まって、やはり押さえておきたいと思い、今日はインドについて語らせていただくことにいたします。

2023年、ついに「人口トップ」に

同国について、まず触れておきたいのが「人口」に関してです。

元旦の産経新聞【インドの人口、今年は中国超え世界最多に 急増は一部の国…「二極化」鮮明】という記事が掲載されていましたが、インドは今年人口で世界1位になろうとしています。

〈産経新聞 / 2023年1月1日〉

昨年11月世界の人口80億人を突破。

国連の推計では2059年までに100億人を超えると言われています。

私が子どもの頃は、50億と習ったのでまさに驚異の増加率です。

この増加を生み出しているのが、主にインドパキスタンフィリピン、それとナイジェリアエチオピアなどのアフリカ5ヵ国に集中。

インドの出生率について驚きのデータがあるのです。

同国では毎日6万7000人以上の子どもが生まれており、これは世界中の新生児の6人に1人がインド人という数字。

毎年約2450万人になるのですが、オーストラリアの人口が約2500万人なので、毎年オーストラリアの人口分増加していると思うと、その多さが分かりますね。

ですから、同程度の人口数を持つ中国に比べて、圧倒的に平均年齢が若い

何といっても28.7歳です。

人口の50%以上が25歳未満65%が34歳未満という人口構成比となっています。

IT+半導体で経済大国へ

そして、何といっても経済です。

若い労働人口の多いインドはIT大国として有名ですね。

インドの全国ソフトウェア・サービス企業協会の発表によると、IT産業2021-22年の収益2270億ドル(約31兆円)の見込み、15.5%の伸びを見せ、同年のGDP伸び率8〜9%約2倍近くになろうとしています。

〈AMP / 2023年1月1日〉

また、2026年には3500億ドル(約48兆円)に達する見込みとなっています。

今年だけでも45万人の新規雇用を創出し、そのうち20万人が女性、現在合計で約500万人が従事しているそうです。

今後の成長はクラウドサービスやアナリティクスを中心に進むと予想しつつも、メインはカスタマーサービス

大手IT会社に電話をかけると、インドのコールセンターに繋がるという定説の背景はここにあるというわけですね。

そして、もう1つ注目したいのが半導体です。

同国はすでに鴻海の半導体工場誘致に成功していますが、国内大手財閥タタ・グループが半導体生産事業が参入

〈マネクリ / 2021年12月28日〉

日本経済新聞「有力財閥の参入により、インドが東南アジアなどに続いて世界の半導体供給網の一角を担う可能性が高まる」と述べています。

今や、アメリカでも日本でも半導体生産工場の誘致というのは国策。

その流れにインドも乗ってくるというわけです。

さらに、同国では注目の産業を政府がバックアップし、世界から注目を集めています。

例えばグリーン水素産業構築宇宙産業関連への政府予算急増などがそうです。

モディ政権は2014年に、国内製造業の振興海外からの投資促進雇用の機会を増大させる「Make in India」キャンペーンを実施。

2020年には「Self-reliant India(自立したインド)」をキーフレーズに、経済開発計画を発表するなど、世界経済でのインドの役割を拡大したい構えを見せています。

中間層の拡大が日本経済にとってもカギに

他にもインド経済を語る上で、産業とは別の強みとして挙げられるのが「英語」です。

インドは自称「世界で2番目に英語を話す人口の多い国」であり、「人口の約10%、1億4000万人が英語を話す」と表明しております。

“クセの強いアクセント” についての指摘はあるものの、海外在住のインド人は多い

国内でのサービス産業、また海外での労働力としてもこの英語力が武器となっているのです。

というように、さまざまなファクターを重ね合わせながら、インドは経済成長をし続け、現在GDP5位の同国は、25年には4位のドイツ、27年には3位の日本を抜くと見られています。

そしてこの高い経済成長に伴い、これまで課題とされてきた中間層の薄さが劇的に解消され、中間層世帯は倍以上増えて1億6500万世帯になるとの予測もあります。

そうなると日本経済にとっても大きく関わってくると予想されます。

なぜなら、豊かになった中間層質の高い製品を求めるようになるからです。

かつて中国豊かな層が増えたことで、日本メーカーにとって肥沃な経済圏ができた過去があります。

その時のようにインドが巨大な購買力を持つ経済圏に成長する可能性があるのです。

投資という観点で見ても、ますます注目度が高まっていくでしょう。

もちろん、現在のインドは貧困環境女性の社会進出など、さまざまな課題を抱えています。

また、外国資本を呼び込みたいとしながらも、複雑な税制や手続きで進出を諦める外資も少なくありません。

期待と不安が入り混じりながら、どのようにインドという国が歩んでいくのか?

これからもぜひ見つめていきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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