SDGsは “意識” から “無意識” へ
column vol.1174
最近、「なるほどな」と思った記事があります。
読売新聞オンラインの【キラキラネーム終了で名前ランキングに変動…一文字ネーム増加の理由】という記事です。
〈読売新聞オンライン / 2023年12月8日〉
ベネッセコーポレーションが展開する妊娠・出産・育児ブランド「たまひよ」が、2023年に生まれた赤ちゃんの名前ランキングを発表。
女の子の1位は8年連続で「陽葵」(主な読み「ひまり」)、男の子の1位は前年5位の「蓮」(主な読み「れん」)でした。
興味深いと思ったのが、2020年辺りから男女ともに漢字一文字の名前が目立ってきていること。
2023年は女の子で4つ、男の子で7つがトップ10にランクインしています。
背景には以下の3つの要因が考えられるそうです。
特に注目したのが「ジェンダーレスネーム」です。
「社会を良くしたい」若者たち
以前は、「女の子」であること、「男の子」であることを名前で表現することが当たり前でしたが、今は「そうじゃないよね」と感じている親が多いということです。
つまり、多様性がスタンダードになっている。
同じ日に『NEWS PICKS +d』で読んだ【"飲みニュケーション”はもう古い 管理職がZ世代から学ぶべき「新しい価値観」とは?】という記事の中でも同じような感覚を感じました。
〈NEWS PICKS +d / 2023年12月8日〉
この記事の中で、東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長の宮原淳二さんは、Z世代の若者たちに対してこのような指摘をしております。
実際、同研究所が手がけた若手の就労意識についての調査でも、1位は「社会や人から感謝される仕事をしたい」という結果だったそうです。
つまり、若い人ほどSDGsで掲げられている目標に対して当たり前のことだと思っている。
もはや、「意識することではなく当然のこと」と言われているような気がしました…
そうした新しい価値観が子どもの名前にも表れているのかもしれませんね。
「仮想空間」が示す新しい可能性
若い人たちの新しい価値観といえば、もう1つ面白いと思ったトピックがあります。
最近、“試着” に関する新しい潮流が生まれているとのこと。
なんでも、デジタルファッションがリアルのスタイルに影響を与えているというのです。
〈TABI LABO / 2023年12月14日〉
ゲーミングプラットフォームの「Roblox」が実施した、デジタルアイデンティティが現実の生活に与える影響についての調査を発表。
その結果、回答者の54%は「メタバース内の自分のアバターを参考にして服を選んでいる」とのこと。
また、84%は「人気ブランドのアイテムを購入する可能性がある場合、まずは仮想空間で"試着"してみる」と回答したそうです。
もちろん、これは1つの傾向に過ぎないとタビラボの記事でも結論づけておりますが、この話を受けてファッションの新しい可能性が頭に浮かびます。
それは、「つくって試す」から「試してからつくる」への転換です。
最近では、クラウドファンディングを通して、プロトタイプを公開し、買いたい人が定員に達したら生産するというビジネスモデルも見られています。
そうしたロスのない世界をつくるという理想は、仮想空間を媒介にさらに拡がっていくのではないかと感じたのです。
少なくとも、若者のサステナビリティへの意識と、デジタル試着への意識が掛け合わさっていくことで、これからの未来に大きな希望を抱くことができます。
「ゴミの女王」のポジティブなニュース
若い世代を中心にSDGsへの意識が無意識(当たり前)になっていることは、非常にポジティブな傾向です。
そして「ポジティブ」ということでいえば、私が最近注目している1人のインフルエンサーがいます。
それが「ゴミの女王」です。
〈Newsweek / 2023年10月16日〉
…かなりインパクトの強い名前なので、…驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが…、女王の正体はサステナビリティー学の研究者のアレイナ・ウッドさん。
TikTokで「@thegarbagequeen(ゴミの女王)」のユーザー名で発信しているのが、38万人を超えるフォロワーに支持されています。
なぜ、彼女が人気なのか?
それは、地球環境破壊において「もう手遅れである」という終末論が吹き荒れる中、さまざまな企業や団体などが取り組んでいる前向きなトピックスを見つけ、ポジティブに伝えているからなのです。
一方で、ペシミストからは「エビデンスを示せ!」など非常に手厳しい批判も受けているとのこと…(涙)
それでもウッドさんが「前向きな姿勢」を崩さないのには、大きな理由があります。
それは、終末論だけでは「恐怖」しか生まれないからです。
テネシー大学でサステナビリティー学と地理学を専攻した大学時代は極端に走ってしまい、「ゴミが出るのが不安で、友達に誘われても遊びに行けなかった」と精神的に追い込まれたとのこと。
SNSを見れば、環境破壊の凄まじさを訴える動画がタイムラインに大量に流れてくる毎日…
科学的でない動画の多さに注目した彼女は、終末論者に反論しようと21年に動画を投稿。
国際社会が協力すれば、温暖化の最悪の影響は回避できるとする専門家の声を紹介したのです。
SDGsの意識が高まるからこそ生まれる悲観論に対して、未来への希望の光を灯そうとするウッドさん。
ソーシャルコンシャスはまさに次のステージに移ろうとしているのかもしれませんね。
私もなるべく悲観論ではなく “希望論” を届けていきたい。
そんなことを感じたウッドさんのアクションでした。
〜ということで、SDGsへの社会認識はアップデートされていますので
私も新しい風を頭に吹き込みたいと思います😊
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