50代からの執筆業
column vol.1225
noteの世界で日々過ごしていると
という方に出会うことがあります。
確かに書く仕事には夢や理想が詰まっている。
子育てが終わり、キャリアの上でも役職定年を迎える頃の年代ということもありますし、思い切って挑戦してみようと思うのでしょう。
それに、考えてみると有料記事やメンバーシップなど、noterさんの中にはnoteでマネタイズされている方も多い。
そこで、本日は【50代からの執筆業】と題して、セカンドキャリアに書く仕事を選んだ方の応援になるような内容をお届けしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
51歳で見つけた天職
最初の方は、元放送作家でWebライターの吉村智樹さん(58歳)。
51歳で0から今の仕事をスタートさせ、売れっ子ライターとして注目されていらっしゃいます。
〈日刊SPA! / 2024年6月14日〉
Web情報の信頼が揺らいだWELQ騒動をきっかけに、一次情報に触れる “取材記事” に光を感じた吉村さん。
NTTレゾナントが運営する『いまトピ』の編集者さんがX(旧Twitter)に投稿した
というつぶやきを見つけ、公式募集でもないのに記事の企画書を作成し、その編集さんに提案のアポを取ったのです。
そして、京都にまつわる取材企画を実現。
企画提案のスピード感が求められる中、山ほど抱えていた放送作家時代のボツネタを駆使しながら、時にバズる記事を生み出していったそうです。
そうなのです、やはり異業種からの転身は前職がある分、0ではない。
ボツネタの再活用は置いておいて、やはり放送作家として培った「企画力」は強みになるでしょう。
よく、異業種転職をする際は「メタスキル」を明らかにすることが需要視されます。
ちなみにメタスキルとは、どの部門にも転用できるスキルのこと。
例えば、リーダーシップはどこの会社でも求められるわけです。
吉村さんは
と仰っていますが、まさに企画を立てることが日常になっている。
このようにメタスキルを抽出してライター業(セカンドキャリア)に活かしていくということがポイントなのです。
いかにメタスキルを活かすか
このメタスキルについて、もう1つ事例を挙げさせていただきます。
元TBSアナウンサーの堀井美香さんは、フリーアナウンサーとして活躍しながら、「一旦、退社。~50歳からの独立日記」といったエッセイ本にも挑戦。
〈レタスクラブ / 2024年5月17日〉
最初は文章は書き慣れていなく大変だったようですが、そこは「話すことを生業」にしてきた方。
理路整然と話すこと、分かりやすく話すこと、そうした話す技術は書く技術に転用できるわけです。
堀井さんは、謙遜も含めて
と仰っていますが、話すノウハウがベースにあるからこそ、書く技術の違いを的確に把握し、チューニングすることができている。
他にも
という冷静な分析も、アナウンサーの仕事で磨かれた「状況把握能力」、「メタ認知能力」の高さを感じることができます。
話すことだけではなく、把握力、分析力なども前職で培ったメタスキルの賜物なのではないでしょうか〜
営業パーソンとアナウンサーの共通点
と思われるかもしれませんが、いえいえ!
そんなことございません!
確かにアナウンサーはしゃべりのプロですが、例えば営業パーソンだって話上手な職業なのではないでしょうか?
アイスブレイクから、分かりやすい商品説明、成約までの導きは素晴らしいものがあります。
他にも教師など、誰かに何かを教える職業もそうですよね。
60分、90分という授業を聴き手の集中力を切らさず、興味深く伝える技術は、まさにリスペクトです。
企画力についても、商品開発、経営企画など、ビジネスの現場は様々なアイデアを考える場そのものです。
私はライターやデザイナーだけがクリエイティブな仕事とは思っておらず、全ての仕事がクリエイティブな仕事だと思っています。
そうした視点があれば、全てをライティングに活かすことができるでしょう😊
セカンドキャリアが執筆のタネに
最後は少し違う切り口の事例もご紹介したいと思います。
セカンドキャリアの選択そのものがストーリーとなり、本を出された方もいらっしゃるのです。
その方とは、笠原一郎さん。
何と57歳でキリンビールを早期退職し、ディズニーランドのキャストに転職された過去をお持ちなのです。
〈集英社オンライン / 2024年6月14日〉
転職のきっかけは、たまたまディズニーシーで働いている64歳の女性の記事を読んだこと。
と思い、パーク内の清掃業務の仕事に就くことに。
いくら夢の国での仕事とはいえ、大企業の正社員を辞めて、非正規社員として転職したのは凄い決断です。
65歳で退職されたそうですが、賃金は1000円スタートで、8年間で上がったのは70円。
それでも園内をキレイにしながら、「歩くコンシェルジュ」として、ゲストを案内する仕事にドキドキ、ワクワクしたそうです。
そうした様々なディズニーランドでの経験を語ろうと、『ディズニーキャストざわざわ日記』という本を出版。
稀有な経歴と経験は、その全てが本のタネになるという好事例でしょう😊
ちなみに、修学旅行の時期は学生さんから「何を集めているんですか?」という質問を多くされたそうなのですが、最初はお約束が分からず
「ゴミを集めています」と答えてガッカリされたそうです…
そこは
が正解とのこと。
他にも、ある女子高生からは、突然「愛ってなんですか?」と聞かれたそうですよ…(汗)
これは、準備していないと、なかなか出てこないはずですが…、
笠原さんは咄嗟に『ある愛の詩』という映画の有名なセリフ
と回答。
すると、「深い!」と言われたそうです(笑)
確かに60歳前後の日々の中で、このような経験を得たことは笠原さんにとって宝となっているでしょう。
ちなみに本は6刷と売れております〜
全ての経験が書くことに生きると先程話しましたが、それは仕事だけではないでしょう。
そう考えると、書くこととは人生そのものである。
まさにそういうことなのでしょうね😊
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