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ビジネスは「85%」が良いらしい

column vol.1077

本日は今年初の夏休み

当社は6〜9月の間5日取得できるのですが、先週の土日に残り2ヵ月でしっかり休めるようにバッチリ計画をいたしました。

最近、休むこと、もっと言うと「余裕を持つこと」の重要性をますます感じています。

そこで、最近良い記事だなと思ったのが「Harvard Business Review」の【全力で取り組まない「85%ルール」が最高のパフォーマンスを引き出す】という記事です。

〈Harvard Business Review / 2023年8月9日〉

仕事は全力で取り組まず、「85%」ぐらいがちょうど良い

そういう話です。

では、なぜ85%ぐらいが良いのか、本日はその真相に迫ってみたいと思います。


「最大の努力」ではなく「最適な努力」

まず、「100%頑張っている自分」というのは一見素晴らしく見えますが、非常に危険な状態です。

なぜなら、「頑張る」というのは単に心の状態であるからです。

…とても言いづらいのですが…、100%頑張ったからといって、残念ながら必ずしもパフォーマンスや成果と結びつくわけでは…、ない…(汗)

むしろ、心に余裕を持った方が上手くいくことはたくさんあるでしょう。

スポーツをやっている方ならピンと来ると思いますが、力んでいると大抵コーチから「(肩の)力を抜いて」と言われますよね?

実際、短距離走の選手がスタート直後から100%の力で走るよう指示されると、レース全体の記録は遅くなってしまうそうです。

脳も体の一部。

そう考えると、85%ぐらいの余裕のある心の方が、高いパフォーマス成果に結びつくという理屈は理解できますね。

むしろ、「100%」というのは本人にとって一切心に余裕のない状態

それ以上に負荷がかかれば「頑張れない状態」になるわけです…

これが如何に危険なことか、感じていただけたのではないでしょうか…

大切なのは最大の努力をすることではなく「最適な努力」をすること。

ちなみに、イェール大学のセンター・フォー・エモーショナル・インテリジェンスとファース財団がアメリカ人従業員1000人以上を対象に行った興味深い調査があります。

うち20%「エンゲージメントの高い人」

…ではあるものの、同時に「重度の燃え尽き症候群に陥っている」ことが分かったのです。

ウツの表れは単純ではなく、例えば「微笑みウツ」というものあります。

これは心がしんどいのに、つい人前では明るく振る舞ってしまう状態のこと。

これだったら、時折「大変!」「もうイヤ!」と言ってくれる方が安心なわけです。

もしも、あなたの周りに「120%(全力)で頑張ります!」が口癖で、いつも明るく仕事に取り組む仲間がいたら、少し心をほぐしてあげる必要があるかもしれません…

ヒヒは20~30秒に1回「ボス」を見る

特に、リーダー(マネージャー)の立場にある方は、部下を追い込まないことが重要です。

最適な努力に導くには、心の余白をつくること。

例えば、WBCで日本を世界一に導いた白井一幸コーチは決勝戦の控え室で緊張する選手たちに向かって

この緊張感を味わうために我々はやってきたんだよ

と声をかけたことは有名な話ですね。

これが「緊張するな!全力を尽くせ!」だったら、選手たちはますます硬くなっていたかもしれません。

ビジネスの現場においても、「大至急」「必要性」「緊急」という言葉をメールの標題に使うパターンが散見されますが、私は送られると正直、やる気は半減してしまいます…(汗)

こうした言葉には送り手の不安が込められていることが多く、人間の負の感情は察知されやすいので、送り手の信用貯金が目減りしてしまう可能性は高い…

特にリーダーは気をつけたいところです。

ちなみに「リーダーの影響力」に関する面白い研究結果があります。

人間と大差がないと言われているヒヒは、20~30秒に1回の割合で「ボス」であるアルファオスを見ているそうです。

つまりこの研究から、人間関係の間でも、私たちが思う以上にメンバーはリーダーを気にしている(感じ取ろうとしている)ことが分かります。

一方、リーダーの中には「それにしては、私の言ったことを皆、全然理解していない!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、それにもワケがあるのです。

リーダーシップとは『北風と太陽』

このリーダーとメンバーのギャップについて、要因の1つに挙げられるのは「視点」の違いでしょう。

つまり、「見る力」です。

優秀なリーダーほど高い視座を持っていますし、より遠くの未来を見ようとしています。

また、もう1つ優れていると思うのが「不都合なこと」に目を向ける力です。

対象に対して、なるべくフラットなマインドでありのままを見ようとする

それは例え、自分にとって不都合なことであっても。

「度量」という言葉で言い換えると、より分かりやすいかもしれません。

こうした能力は誰しも持っているわけではなく、だからこそリーダーは優秀な人ほど孤独にもなりやすいのです。

ちなみに

ダチョウは危険が迫ると砂の中に頭を埋める

という俗説があることはご存知でしょうか?

つまり、命の危険が迫っているのにも関わらず、ついつい危機(不安)から目を背けてしまうことを指摘しています。

よくイノベーション・ミーティングで「危機感を持つことが大事!」と繰り返し言われますが、それほどまでに危機感を持つことは難しいのです。

だからこそ、優秀なリーダーは、そうしたギャップを悟り、さらに相手を追い込むのではなく、弱さに寄り添う姿勢が求められます。

例えば、解決のヒントをさり気なく与えたり

直視できる心理的安全性を担保しながら、あくまでも本人の手解決をしたり、成果を掴み取ってもらう。

「リーダーのおかげ」ということでは、本人がステージを上げていくことにはつながらないからです。

…しかし、それにはとにかく時間がかかる

だからこそ育成にも「余裕」が必要になります。

そんなに人はすぐには成長しないと考え、失敗も含め内包していく。

『北風と太陽』太陽のように、じっくり、じわじわと導いていく感じですね。

うちの会社は小さな組織なので、最近はコミュニケーションを通して、若手に対しても、いつか幹部になった時に花開くように、心に種を蒔くようにしています。

ちょっと早めからリーダーシップへの意識を持たせて、10年後、20年後の会社の成長につなげていく。

そうして自分よりも優秀なリーダーを育て、今よりも会社を発展してもらい、いつかはぬくぬくと自分の好きなことに専念させてもらう〜

そんな算段を考えています(笑)

まぁ、私の算段は置いておいて、「余裕」の好循環を組織につくるためにも、いかにリーダーがその「起点」になれるかがポイントですね😊

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