心に刺さる「ドリンク」戦略
column vol.1153
「コーヒーブレイク」「ティータイム」、そして「晩酌」などなど、喉を潤すだけではなく “心の清涼剤” となるドリンクの魅力。
そんなドリンクについての気になるトピックスが最近多く見られたので、本日はそのいくつかをご紹介させていただきます😊
百貨店が仕掛ける「試飲バー」
まずは本日、開業10周年を迎えたあべのハルカスに入る近鉄百貨店本店についての話題です。
近鉄百貨店本店といえば、2026年を目処に、海外高級ブランドの店舗数を現状の約10店から約20店へ倍増させることを、今月2日に発表しました。
〈産経新聞 / 2024年3月2日〉
まさにインバウンド需要を取っていこうという気概を感じますが、海外の方々向けの「コト消費」を今まで以上に充実させていくようです。
その目玉の1つが、来月以降にオープンする予定の「ハルチカバー」。
こちらは、和洋酒売り場付近で試飲(有料)ができ、カウンター越しに和洋酒売り場の酒を楽しめるというもの。
関西地域の日本酒や地ビールなどの魅力をアピールするそうです。
試飲バーのメリットとしては、何といっても味を伝えるだけではなく、商品にまつわるストーリーも伝えられることにあります。
ツーリストの方も背景やこだわりを知ることで、その良さを他の方に伝えやすくなる。
SNS時代は、ストーリーが拡散されやすい時代とも言えますので、その部分を戦略的に伝えることが、多くの方々に注目を浴びるきっかけをつくることになるでしょう。
ちなみに最近、私がハマっているのが「HINEMOS」という日本酒です。
〈HINEMOS / Webサイト〉
「ひねもす」とは「全ての時間」という意味。
商品が「時間」をコンセプトにデザインされています。
夜6時から朝5時まで、1時間ごとにその時間に合った味わいの日本酒がつくられており、非常にユニーク。
商品が飽和する中で、物ではなく「物語」が伝えられる商品という着眼がますます重要になる。
そのための伝えられる場を設定するというのは、他の業界にも通ずるところですね。
思わず二度見の「豚の角煮ラテ」
ついつい口コミしたくなるドリンクといえば、個人的には今年入ってから一番衝撃的だったのが「豚の角煮ラテ」。
〈日テレ / 2024年2月23日〉
…正直、最初文字で見た時は、全く想像がつかなかったこのドリンク。
その不思議な飲み物の姿がこちらとなります。
…カフェラテの上に…、串で刺した「角煮」が乗っています…
冗談にも見れるこの商品を提供したのは、何と!
あのスターバックスコーヒーなのです…!
こちらは2月に中国限定で販売されました(2月27日で終了)。
なぜ、スタバがこんな大胆な挑戦をしたかというと、中国の春節での需要喚起を狙っています
「肉を食べて1年間の繁栄を願う」という春節文化を受けて誕生させたのが、この「豚の角煮ラテ」だったようです。
これには、現地の方々も大変驚いたようですが、甘いジャーキーのような角煮は意外とコーヒーと合うとのこと。
もし、実際に中国で飲んだ方がいらっしゃれば、ぜひぜひ感想をお聞かせくださいませ。
個人的には、この思い切ったアイデアに大変興味が惹かれました😊
一世を風靡したドリンクがドライブスルーに
最後は、時代の寵児となったあのドリンクの話題で締め括りたいと思います。
ここ数年で最も一世を風靡した飲み物といえば「タピオカ」でしょう。
そのタピオカが、新たな挑戦をを行おうとしています。
台湾カフェ「春水堂(チュンスイタン)」が来月6日に、日本初のドライブスルーを併設した台湾カフェを神奈川県藤沢市にオープン。
タピオカ以外のメニューを増やして家族連れなどの客層を広げようとしています。
〈日本経済新聞 / 2024年3月5日〉
店舗面積約270平方メートル、席数76席という同店国内最大の店舗となるそうですが、定番のタピオカミルクティーなどドリンク約70種類のほか、台湾で人気の「功夫(クンフー)麺」など約50種類のフードを提供。
商品数も最多となるそうです。
今回のロードサイド店出店のバックには、郊外の店舗の実績を持つスシローがついています。
同店を運営するFOOD&LIFE COMPANIESが春水堂に出資し、ノウハウも提供。
春水堂といえば、日本での売上高は最盛期(19年度)の20億円から、20年度には約10億円に半減。
23年度も店舗あたりの売上高はピークの8割にとどまっていただけに、今回の挑戦により再浮上のきっかけとなるのかが注目されています。
藤沢市は、私が住む横浜市からほど近いので、オープンしたらぜひ覗きにいきたいと思っています〜
〜ということで、本日は「ドリンク」というテーマで各社の興味深い新戦略についてご紹介させていただきました。
これらの戦略のエッセンスを上手に飲み込めば、他の業種にも展開できますね😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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