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変わる「就活」のカタチ

column vol.1029

6月に入り、就職活動が本格化している企業が多いことでしょう。

…とはいえ、日テレNEWSの報道を見ると、来年3月卒業の大学生就職内定率は、すでに7割を超えているそうです…(汗)

〈日テレNEWS / 2023年6月1日〉

インターンシップ制度を活用し、採用に結びつけている企業が増えている中、もはや現行のルールが形骸化しているという声も聞こえてきます…

そんなこともあり、今年の4月に「採用直結インターンシップ」が解禁されました。

「採用直結インターンシップ」が解禁

インターンシップに関する方針をまとめた「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省、厚生労働省及び経済産業省合意、通称「三省合意」)が、昨年6月に改正。

2025年卒の学生向け、つまりこの夏のインターンシップから、条件さえ満たせば採用直結インターンシップを行って良いですよ、ということになりました。

〈キャリコネニュース / 2023年5月29日〉

では、条件とは何か?

それは、

●「就業体験要件」…実施期間の半分を超える日数を就業体験に充当
●「実施期間要件」…汎用能力活用型は5日間以上。専門活用型は2週間以上

など。

つまり、「半分以上就業体験」かつ「5日以上」が基本となります。

…ということで…、大手企業が採用直結インターンシップに力を入れてくるのは必至です…

ではでは…、日本で99.7%を占める我々中小企業をどうしたら良いのでしょうか…?

『就活「後ろ倒し」の衝撃』の著者で、組織人事コンサルタントの曽和利光さん

波に乗り遅れるな、とばかりに「三省合意」の条件と同じインターンシップを行おうとしている企業も見受けられます。

と、その傾向を語ります。

「では、我が社も…!」と焦ってしまいそうですが、曽和さんはそこに待ったをかけます。

大手企業と同じ土俵で戦わない

つまり…

やめた方がよいのではないか

と仰っているのです。

そもそも学生の立場からすると、「そんなに重いインターンは、何個も行きたくない」というのが本音でしょう…

もちろん、誰もが入りたいと思うような人気企業は別です。

……その自信次第ではあるのですが…

…もしも、ちょっと自信がないなぁ…という場合は、大手企業(人気企業)とは別の土俵で戦った方が得策であるというのが曽和さんのご意見です。

ワークス研究所の調査によると、コロナ禍も落ち着いてきた現在、新卒採用の求人倍率はコロナ前並みの1.71倍まで上昇

その結果、それほど就職活動を頑張らなくても内定が取れるようになり、学生の就職活動量は軒並み減少しているとのこと。

ちなみに、インターンシップの参加に関しては、2022年卒平均6.69社という結果に対し、2023年卒平均7.82社となっているので、これだけ見れば、かろうじて増加はしております…

…が、…しかしその内訳を見ると、82.2%「半日または1日」のインターンシップや1day仕事体験

つまり、「三省合意」の基準を満たす5日以上2週間未満のインターンシップに参加した学生は10.9%に過ぎないのです…

ですから、無理に採用直結インターンシップを選択せずに、やはりショートプログラムの中身を充実させた方が得策かもしれませんね。

例えば、曽和さんは

学生のためになる教育的コンテンツ、例えば自己分析会社選び面接対策などを盛り込んだイベントの方が良いのではないかと思います。

とアドバイスしています。

つまり、自社をアピールするという視点に留まらず、参加する学生が今後、インターンや就活を進めていく上でのメリットを提示するということです。

当社でも

マーケティングに興味はあるけど、ゴリゴリ業界を目指している人たちと一緒に受けたくないなぁ…

と思っている学生さんを取り込む施策を考えています。

無名企業なりの戦い方はありますからね😊

まぁまぁ、そもそも新卒一括採用の是非は世の中のテーマになってもいますので、新卒採用については、各社の考え方はさまざまだと思います。

もしも、「インターン→新卒採用」をご検討されているようでしたら、参考にしていただければ幸いです。

「中途採用」も変化の真っ只中

当然、就活の変化の波は「中途採用」にも及んでいます。

最近のトレンドといえは、やはり「リファラル採用」でしょう。

〈現代ビジネス / 2023年5月30日〉

リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法。

いわゆる「縁故採用」ということですね。

やはり一般的な筆記&面接だけの採用となると、入社後のミスマッチが生じやすくなるもの…

これはインターンにも通じる話ですが、能力や人間性を理解した上で採用できるリファラル採用が重宝されるのは、よく分かりますね。

しかも、面白いと思ったのが、トヨタ、博報堂、日立といった求人を出せば人が群がってくるような人気企業ほどリファラル採用を好むとのこと。

そこには、採用の効率化も含まれているようです。

…確かに、こうした人気企業が求人を出せば、莫大な数の候補者から選ばないといけなくなるからです…

本当に羨ましい限りです…😅

…とはいうものの、一方でリファラル採用は入社後、ミスマッチを起こすと紹介した人が非常に気まずい状況になってしまいます…

そういう意味で、「ビズリーチ」などに代表される “スカウトメディア”ますます主流になってきていると言えるのです。

昔は、企業が求人を出し、転職希望者が探す形が一般的でしたが、今では転職希望者がキャリア情報を登録し、企業が探しスカウトするという形が増えています。

他にも、インターンシップに参加した学生とネットワークをつくり、他に就職した後、「やっぱりウチの方が良かったと思ったら、連絡ちょうだい」と関係を保ち続ける企業もあると聞きます。

各企業 ”顔の分かる人” をいかに獲得するか、試行錯誤が続いていますね。

「面接」はAIにお任せ

最後に、先ほど触れた「採用の効率化」について気になる事例があります。

それは、上記現代ビジネスの記事の中で触れられている「AI面接」についてです。

面接ではなかなか望んでいる人材か判断できないと思う企業が増えており、インターンシップ制度、リファラル採用、適性検査などは強化しつつ、面接はAIにお任せするパターンが増えているとのこと。

実際、ホリプロ吉野家などが「SHaiN(シャイン)」という対話型AIによる面接サービスを採用しているます。

こちらは、スマホアプリを使ってAIが用意した質問に応募者が答える形で面接が進行。

24時間・365日好きなタイミングで面接を行えるので、応募者側にとってもメリットなのです。

個人的には、実際会って話すことで掴めるその人の人間性があると思っているので、例えば一次面接はAIその後に人間の面接をしていくといったハイブリッド型が良いと感じております。

ただ、いずれにせよ、採用の仕方も昔と比べて随分変わってきましたね。

当社でも新しい就活の形は常にアンテナを張るようにしているので、また面白い事例を見つけたら、ご紹介したいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

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