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「ユーモア」が企業を強くする

column vol.850

経営を行う上で、私はマジメ人間なので、もう少しユーモアがあった方が良いと常日頃感じております…(汗)

実際に、アップルピクサーグーグルなど世界のトップ企業では「ユーモア」をいかに取り入れるかということを重視されています。

〈東洋経済オンライン / 2022年11月11日〉

スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェニファー・アーカーさんと、同校講師でエグゼクティブ・コーチのナオミ・バグドナスさんによれば、ユーモアにあふれる職場は心理的安全性をもたらし、信頼関係を築き、社員のやる気を高め、創造性を育むと仰っているのです。

「ユーモア」は生産性と創造性を高める

例えば、ある巨大IT企業では、ビリー・ジョエルさんの曲『We Didn’t Start the Fire(ハートにファイア)』をもじった「We Didn’t Start the Firefox(ハートにファイアフォックス)」という名前の会議室があったりするそうです。

………(汗?)

…まぁ…、面白いかどうかは置いておきまして…、、、企業側の明確なメッセージを伝えるものという位置付けではあります。

ここでは従業員に対して、この企業は「陽気さは大歓迎」と言いたいのです。

他にも、IT企業「ジブジャブ」では、会社の基本理念を書いた巨大な看板をいくつか下げることにした時、そのうちの1つである「AGILITY(敏捷性)」「AGLITITY」と書き間違えてしまったそうです。

普通なら、ここで書き直したいところですが、これを見た共同創業者のエヴァンさんとグレッグ・スピリデルリスさんは、あえて修正しなかったのです。

その理由は「こんな失敗を気難しく受け止めなくても良いよ」と社員に伝えたかったから。

他にも、フォレスター社では、あるチームがオフィスの壁に「今週の名言」というコーナーを作って、面白おかしい瞬間やコメントを貼り出し、会社のみんながオフィスでも積極的にユーモアや喜びを味わえるようにしているそうです。

会社によっては、卓球台トランポリンなど、さまざまな遊びを取り入れているのですが、植物を置く明るい色使いをするといった単純なことも含めて、遊び心をオフィス空間に取り入れることで、従業員たちの意欲幸福感高まり、それにより生産性創造力向上することが、研究によって明らかになっています。

ちなみに、少し話は違いますが、散らかった部屋の方が整然としている部屋よりも創造性が高まるという研究結果もあるそうですよ。

いずれにせよ、空間づくりにユーモアを取り入れることは有効性がありそうですね。

ビジネスを好転させる「芸人力」

「ユーモア」ということで、最近面白いなと思ったのが、大阪のスタートアップ10社吉本興業所属芸人10組のコラボ企画です。

「ビジネスマン芸人グランプリ」と銘打ち、芸人の皆さんがそれぞれの企業で新たな事業の創出やビジネス拡大に取り組み、その成果を競いました。

〈東洋経済オンライン / 2022年11月5日〉

つまり、吉本興業のスタートアップ支援企画です。

まずは、各企業が自社の魅力や事業計画をプレゼン。

それを芸人10組は聞いた上でマッチングを行います。

そして、それから3ヵ月間芸人の皆さんはビジネスパーソンとしてそれぞれの企業の会議に参加し、事業アイデアを出した他、現場での実務に赴くなど、まさにイチ会社員となって活動したそうです。

コンテスト自体は、芸人の「ミサイルマン」と不動産系スタートアップの「イクラ社」のタッグが優勝したのですが、この企画自体に大きな相乗効果があったとのこと。

例えば、ミサイルマンは社員に対してコミュニケーションスキルや話術の研修を行った後、提携先企業への営業まわりに同行

地域の業界内にも評判が広がり、契約店舗数はミサイルマンと一緒に活動する前と比較すると150社増(売り主ユーザー登録2.5倍増)となったそうです…(驚)

もちろん、ミサイルマンだけではなく、他の芸人の皆さんも社員たちのトーク力、コミュニケーションスキルの向上に寄与しています。

顧客を楽しませようというエンタメ・ホスピタリティが芽生えるとともに、仕事へのモチベーションも上がったというわけです。

他にも、ユニークな発想も芸人さんたちの魅力。

既存の考えに囚われない、新しいアイデアの創造に繋がったはずです。

優勝したイクラの代表取締役CEO・坂根大介さんも

芸人さんと一緒に仕事に取り組んだことで新たな発見や気づきがたくさんあり、もっとできるぞっていう気持ちになれました。この3ヵ月間で会社が明るくなって強くなった。自分たちに自信をつけてくれたことが大きい。

と、今回のコラボに大きな手応えを感じているようです。

「二足のわらじ」スタイルのさらなる確立へ

芸人さんたちにも、このような取り組みは今後の大きな希望に繋がると思います。

東洋経済オンラインの見解として

今や芸人たちの多くがYouTubeやオンラインサロンなどSNSやネットメディアを活動の場の1つとし、副業的な収益源を持つ時代。そんななか今回のプロジェクトは、セカンドキャリアではなく、現役の芸人が会社員となり、ビジネスマン芸人として二足のわらじを履いて活躍できる可能性をも示した。

と語っています。

これはまさに私が今、とても興味を持っている「二足のわらじ」採用に繋がるものとして非常に期待しています。

時短勤務リモートの促進など、「働き方の自由化」が進む中、今後は芸人さんや役者さんなど、表現活動している方々が企業に就職しやすくなる時代になっていくと感じています。

ウチの会社はマーケティング会社ですが、もしも芸人さんがフルタイムで勤務できなくても、入社してもらえたら、営業面、企画面で非常に大きな戦力となってくれるでしょう。

今まで、表現活動している方は、バイトしながらハングリーに夢に挑戦するというのが常識でしたが、もっと企業勤めと表現活動がシームレスになれば良いなと願っています。

最近では終身雇用制が崩壊していることから、「パラレルキャリア」が注目を浴びていますが、さまざまな表現者にとって会社勤めしやすくすることで、もっと挑戦したいと思う人たちは増えていくでしょう。

そしてら、もっと日本が、日本の企業が面白くなる。

今回のビジネスコンテストを通じて、改めて表現者の力がビジネスにとって有益であることが証明されたはずです。

少なくても、ウチの会社に芸人が入社したらと想像するとワクワクします。

芸人社員に刺激を受けながら、私ももうちょっと面白くなりたいと思う今日この頃です…(汗)

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