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「会社」の成長は「人生」と似ている

column vol.1016

最近、ビジョン・ミッション・バリュー、そしてパーパスなど、企業の指針を示す言葉が重要視されています。

一方、それら全てを意識しながら仕事をしているかというと……、う〜ん…となってしまいます…(汗)

そんな中、「企業の成長に合わせて、1つ1つ段階的に意識(設定)していけば良い」と語る方がいらっしゃいます。

『経営理念2.0』の著者で、株式会社BIOTOPE代表の佐宗邦威さんです。

佐宗さんは人生と重ねて、上述の4つの指針を分かりやすく説明してくれています。

〈Harvard Business Review / 2023年5月14日〉

その流れに則って、私も話を進めたいと思います。

「ビジョン」とは若者の志

まずはそもそも、4つの言葉がどのような意味を持つのか?

その分かりやすい例が、経営者JP社長の井上和幸さんの解説です。

「ミッション」…企業の使命
「ビジョン」…企業の将来像
「バリュー」…企業の価値基準

そして、混同しやすいミッションパーパスの棲み分けをこのように定義されています。

「ミッション」社会市場に対して働きかけるものが何か
「パーパス」=その企業自体が何者なのか

いつ拝見しても分かりやすい😊

そして、佐宗さんの説明に話を戻しますと、最初に来るのが「ビジョン」とのことです。

ビジョンは「企業の将来像」

それは、人が青年期に抱く「志」のようなものになります。

成長途上の企業は、自らが唯一持っている「無限の可能性」を最大化しなければならないというわけです。

自身の持つ未来像を語ることによって、ヒト・モノ・カネ・チエなどの資源が集まり、社員やパートナーを動かしていける。

そのためのエンジン、それがビジョンなのです。

クラウドファンディングを思い浮かべていただけるとより分かりやすいかもしれません。

まだ、お金も実績もない中で、なぜ応援したくなるのかですね。

それは、可能性に賭けているわけです。

「夢を語れるか」が非常に重要になります。

成長したら重きを置く「バリュー」

続いては「バリュー」

事業が当たり、組織が大きくなるにつれて重要になってきます。

いわば「企業の価値基準」です。

この頃には多くの社員がいる状態なので、当然、さまざまな価値観、志向、性格を組織が内包することになるので、壮大なビジョンを語っても付いていけない人たちも出てくるわけです…

(…ひょっとして大多数だったりして…😅)

いずれにせよ、多くのメンバーがそれぞれの共感ポイントで集まってくるため、組織マネジメントが難しくなります。

例えば、給料や福利厚生に惹かれて入ってくる人や、趣味に時間を注ぐため働きやすさで自社を選ぶ人もいるでしょう。

やはり、創業メンバーと同じ温度で理想を目指すというのは、ハードルが高いというわけです。

そんな時、力になってくれるのがバリュー

組織の中で優先される価値観を定めるというわけです。

当社はマーケティング・クリエイティブ会社ですが、営業がいません

プランナー、デザイナー、エディターの3職種が主となるのですが、「課題解決のプロ」という規範から、自ずと職種に囚われず、クライアントと対話ができる人が活躍する会社となっています。 

それって「ウチっぽいよね」と言えること。

つまり、「らしさ」ですね。

「ミッション」は自社の中核的な役割

そして、バリューによって組織に力がついてくると、「やりたいこと=ビジョン」「やれること=事業遂行能力」とのギャップが埋まってきます。

とてつもなく壮大だったビジョンのうち、自分たちだからこそ果たせる中核的な役割が明確になってくるのです。

この中核的な役割が「ミッション」となります。

さまざまな事業の優先順位が明確になり、「やらないこと」を無意識に決めることができるようになる。

ミッションが定まった会社は壮年期に入ったと言えます。

ちなみに、メルカリのミッション

新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る

スターバックス

人々の心を豊かで活力あるものにするために
―― ひとりのお客さま、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから

そして、ヤフーは3つのワードをこのように整理しています。

ビジョン:世界で一番、便利な国へ。
バリュー:爆速(スピーディーな経営)
ミッション:UPDATE JAPAN 情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。

ビジョンは「世界一」と壮大ですが、ミッションは「UPDATE(もっと)」なので現実的です。

「情報技術のチカラ」という中核事業も見えてきますね。

ここまで来ると、企業は立派な大人です。

めでたし、めでたし、となりそうですが

…人生は、大人になってからが長い……

中年期が訪れます。

“中年の危機” を救う「パーパス」

人間の中年期とは、どんな印象でしょうか?

40~50歳で、成長がひと段落した頃。

“中年の危機” を迎える年代です…

佐宗さんはこのように仰っています。

30代まではひたすらさまざまな仕事を経験し、自分の能力を伸ばし、経験を積めば積むほど「できること」が増える自分の体力もあるので、やりたいことは全部やってもなんとかなってしまう。しかし、40歳を過ぎてくると、自分が何でもできるわけではないことに気づき始める。自分の人生の目的が分からなくなってくる

はい…、46歳の私も思い当たる節があります…😅

この時に必要なのは、自分の向かう方角を定め直し、いろいろと手を広げてきたことをやめて、本当にやるべきことに焦点を絞ること。

これは個人のみならず、企業にとっても同じというわけです。

むやみやたらに事業を多角化するのではなく、その成長がなぜ必要なのか、本当に自分たちが手がけるべき事業なのかを、改めて問い直します。

●私たちの組織の存在する目的は何か? 
●何がなくなったら自分たちではなくなるか?

パーパスとは「その企業自体が何者なのか」を問うこと。

ミッションが自分たちの中心的な活動に焦点を当てるものだとすれば、パーパスはそれを社会の側から捉え直したものです。

そして、佐宗さんは語ります。

未来の社会において自分たちはどんな役割を果たしたいのか、なぜそれを実現したいと思うのかを表現する「北極星」のようなものである。

う〜ん、まさに仰る通りです。

当社は今年42歳

私個人も、会社も同じ40代なので、非常にリンクします。

先代社長の谷口正和生前40年間大切にしてきた「時流(生活者)研究を通して未来を予見する」という部分と、私自身が目指したい「時流予報士」というセルフパーパスを重ねながら、お互い100年人生100年企業豊かに歩めるようにしたい

そんなこと思う、今日この頃です。

……と、…まぁ…個人的な話は置いておいて、ビジョン、バリュー、ミッション、パーパスのそれぞれの役割が時系列的に把握しやすかったのではないでしょうか?

会社の経営も、人生経営も、指針に迷いが生じたら、ぜひこのような考え方で整理してみてくださいませ😊

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