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“ご当地観光”への期待

column vol.1249

訪日外国人客人数消費額がともに上半期で過去最高を記録したことを受け、政府は「2024年は3500万人、消費額8兆円も視野に入る」との予測を発表。

地方への誘客促進オーバーツーリズムの未然防止・抑制への取り組み強化が進んでいます。

〈テレ朝news / 2024年7月19日〉

以前、国立公園への宿泊施設誘致についての記事をお届けいたしましたが

全国35ヵ所ある全ての国立公園宿泊施設の誘致していくなど、インバウンド観光は、より地方へと向かっています。

そうした中、地方観光促進のヒントとなる新たな事例も増えている

本日は “ご当地観光” を活性化させるためのアイデアをいくつかご紹介させていただきます。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊


ご当地スーパーが大ブレイク?

最近、国内旅行の楽しみ方の1つとして、ご当地スーパー巡りの人気が高まっています。

〈週刊女性PRIME / 2024年7月14日〉

スーパーマーケット研究家の菅原佳己さんによると、外出・外食もままならなかったコロナ禍の密かな楽しみとして広がったとのこと。

コロナ禍で、スーパーのお惣菜が軒並み注目されるようになったんです。これまで多くの利用者にとって、スーパーを選ぶ第一の基準は、生鮮食品の安さでした。それがコロナ禍以降では、お惣菜の豊富さやおいしさが重要な選択肢のひとつとなってきたのです」

と菅原さんが仰る通り、お目当てはであり、さらには「お惣菜」に注目が集まっているわけです。

確かに地域ならではの食があり、各地の特色が出やすいお惣菜を打ち出すというのは素晴らしい視点です。

例えば、岐阜県「ファミリーストアさとう」で売られている『あげづけ』。

醤油だれを染み込ませた味付きの油揚げで、マツコ・デラックスさんが出演するテレビ番組「マツコの知らない世界」でも紹介されたましたが、飛騨高山名物として人気です。

それから、和歌山に行ったら食べてみたいと思うのが、「ハイマート Bハイマート」で売られている『めはりさんま寿司』。

週刊女性PRIME

県の名物である、高菜の葉でご飯を包んだ「めはり寿司」を、地元のさんまを使ってアレンジしたオリジナル商品で、その味は絶品とのこと😊

こうしたご当地惣菜外国人観光客からも注目が集まっていくことが予想されます。

なぜなら、以前【「ない」という観光資源】という記事でもお話しした通り、地方人気の高まりの裏には「ご当地食」があるからです。

しかも、よりニッチディープ料理を求められている。

今後大ブレイクするお惣菜は、まだまだあるでしょう😊

唯一無二の「公衆トイレ」が観光資源に

小さくてもオンリーワンには力がある

どの地方にも唯一無二の種があるので、発掘すればチャンスです。

また、アイデア次第では、新たなオンリーワンを生み出すことだってできます。

身近な例でいえば「公衆トイレ」

ご存知の方も多いかもしれませんが、渋谷区では公衆トイレを探訪するツアーが、国内の観光客だけでなく、外国人観光客からも人気を集めています。

〈産経新聞 / 2024年7月10日〉

ツアーは約2時間

有名建築家やデザイナーが設計した「アートなトイレ」9ヵ所を大型タクシーで回ります。

隈研吾さんが手がけた渋谷区の公衆トイレ「森のコミチ」

ちなみに、個人的に一番好きなのは、建築家、坂茂さんが手がけた「透明トイレ」

坂茂さんが手がけた「透明トイレ」

こちらは、カギを閉めると、色ガラスの外壁が曇って中が見えなくなるという仕掛けとなっております。

逆にちゃんと閉めなければ外から丸見えになってしまいますので…、初めて挑戦する方は、ぜひ気をつけてくださいませ…!

公衆トイレといえば、「汚い、臭い、暗い、怖い」といった4Kのイメージがありますが、“日本はトイレがキレイ” であると評価されている。

つまり、キレイな公衆トイレ日本の精神性を表しており、文化観光という視点で見ると立派な資源になるわけです。

2年前、私が京都の仕事をした際、祇園辻利三好正晃社長から

「祇園を早朝に歩けば、昔ながらの家の前を掃いて水を撒いている風景に出会います。伝統と文化を日常生活で体現している。それが京都です」

と教えていただいたのですが、まさに日本の何気ない生活習慣自体が財産

こうした「当たり前の風景」「価値のある資源」にいかに再定義していけるのか?

地方への観光ブランディングの視点が求められているのです。

宿泊施設の少なさを逆手にとる

…とはいえ、地方観光の大きな課題として「交通」「宿泊」インフラが整っていないことが挙げられます…

一方で、そうした課題をクリアするために注目を集めているのが車泊 くるまはくです。

〈熊本日日新聞 / 2024年7月9日〉

例えば、熊本県天草郡苓北町では、富岡海域公園駐車場に整備された「RVパーク スマート」を拠点に、キャンピングカーなどで車中泊しながら観光するカタチが好評とのこと。

苓北町でも、宿泊施設が少なく観光客の滞在時間の短さが課題となっていたのですが、車中泊しやすい環境を整えたことで町内の観光地への回遊性が生まれており、今後の観光振興へ期待が高まっているそうです。

昨年夏には、天草市長崎県南島原市共同事業体が、各地を周遊してもらう実証実験を実施。

RVパークでは、九州各地の9組21人車やテントに泊まり、苓北町の富岡城オリーブ園などを観光しました。

そして今年4月に開設

同公園の町営駐車場2台分のスペースを活用し、給電設備テントを張れる芝生エリアを整備したほか、洗い場展望デッキなどを新設しました。

料金は1泊3300円で、6月末まで20組が訪れ、ゴールデンウイークだけで11組が利用。

町は

「家族連れに限らず、日本一周している人が立ち寄って泊まるケースもある。RVパークの効果を実感している」

手応えを感じていらっしゃいます。

この車泊は全国様々な場所で導入が進んでおり、気になる方は一般社団法人シェアリングエコノミー協会のWebサイトなどで紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいませ😊

〜というように、地方ならではの観光資源の鉱脈と課題解決への糸口は、様々な場所で好事例が見られています。

固定観念から逃れて、柔軟な発想を生み出せると、まだまだ可能性は大いに広がっていくでしょう。

これは企業の経営も同じですね。

こうした事例をヒントにしながら、柔らか頭でアイデアを生み出していきたいと思います!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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