「一人起業」という選択肢
column vol.858
昨日はゆるやかに挑戦する「パートタイム起業」についてお話しさせていただきました。
本日は、その続きです。
最近、「一人起業」をテーマにした記事を多く見かけます。
例えば、自身のビジネスセミナーの参加者が延べ1万2000人超えしているというネクストサービス株式会社の松尾昭仁さんも幻冬舎ゴールドオンラインで一人起業を推奨されています。
〈幻冬舎 GOLD ONLINE / 2022年12月7日〉
そんなこともありますので、本日は「一人起業」のポイントをご紹介できたらと思います。
ウリは「あなたのスキルと実績」
起業というと「オフィス」や「在庫」、「人件費」など、さまざまなコストがかかり、結果、収入が減ってしまうなど、さまざまなリスクがあります。
そんな中、松尾さんが最もリスクを抑える方法として挙げているのが「一人起業」であること。
まず、人件費が自分だけになります。
そして、もう1つ重要なのが「商品を自身のスキル」とすることです。
つまり「コンサルタント業務」というわけですね。
例えば、編集者なら本を書くときの企画書の書き方や、文章の書き方、出版社の見分け方、そういうノウハウを本を出版したい人に教えるというわけです。
コンサルタントであれば、コンテンツを売るのですから売上を上げるために商品の仕入れをする必要はありません。
売れずに、在庫がたまっていく心配もありません。
しかも、最近はオンラインで打ち合わせもできますので、オフィスだって省くこともできそうです。
また、松尾さん曰く、コンサルタント業を行う上で重要なのは資格よりも「実績」とのこと。
それをこのように解説しています。
松尾さんもこれといった資格は持っていらっしゃらないようですが、ノウハウと肩書を開示し、目の前のお客様さまをしっかりと満足させてきたことで、それが実績となり、口コミが広がり、今に至るとお話ししてくださっています。
「スキル」と「実績」。
それをどれだけ雄弁に語れるか。
まずは棚卸しから始めてみると良いですね。
ちなみに、松尾さんは【誰もがいきなり起業して成功する「ネタ」を持っている!内なる宝の見つけ方】という記事の中でも、自身のスキルと実績を活用した起業について語っていらっしゃいます。
〈幻冬舎 GOLD ONLINE / 2022年12月7日〉
ぜひ、こちらも併せてご覧いただけると幸いです。
「役員経験」が役に立つ
他にも、『自助の時代 生涯現役に向けたキャリア戦略』の著者であり、佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役の佐藤文男さんも東洋経済オンラインの記事の中で、まず起業は「一人から始める」ことをオススメしております。
〈東洋経済オンライン / 2022年12月2日〉
プレイングマネージャーならぬ「プレイングプレジデント」として会社を興し、できないことはアウトソーシングする。
なるべく少数精鋭を守るということを記事の中でアドバイスされています。
そして、起業前にできるならやっておきたいこととして「役員経験」を挙げていらっしゃっています。
佐藤さんは、グローバルに活躍するメーカーから20人くらいの人材紹介会社に転職。
その後、起業したそうなのですが、この人材紹介会社で役員を務めた経験が、独立した際にものすごく活きたと語っていらっしゃいます。
役員として営業の際に企業説明を行う点や、会社に対する責任感が強くなった点が特に良かったそうです。
確かに、私も今の会社に20年いますが、この3年半の副社長経験は同じ組織に在籍していても、それまでの経験とは全く異なるものだと感じています。
その経験値を1つ挟むだけでも、起業の大きな助けになるというのは実感するところです。
とはいえ、一人起業、プレイングプレジデントの最大のリスクは自分の代えが利かないことです。
ですから、佐藤さんは健康管理の大切さを強調しております。
そこはちょっと…胆に銘じておきたいところですね…(汗)
「成長促す」起業家イベント
最後は起業家を勇気づける最新ニュースをお届けして締め括りたいと思います。
千葉県内の起業家らでつくる一般社団法人「千葉イノベーションベース(CIB)」の設立1周年イベントが先月28日、千葉市中央区のホールで開かれました。
〈産経新聞 / 2022年12月4日〉
このイベントには、起業家や経営者、学生など約250人が参加しました。
熊谷俊人知事が県として後押しする姿勢を示した他、ヤフーの小沢隆生社長は基調講演で参加者らを激励。
県内の活性化やイノベーション創出に向け、対面での交流が盛んに行われたそうです。
ちなみに、CIBは、県内での有力な起業家や企業の創出を目指し、昨年10月に活動を開始。
年商1億円を超える会社の起業家らによる世界的なネットワークである「起業家機構(EO)」とも連携しています。
どういうことかと言いますと、EOでの手法を活用しながら、起業家や経営者らが学び合っているのです。
熊谷知事は
と挨拶。
さらに、基調講演を行った成田高校出身の小沢社長は
と強調。
パネルディスカッションには県内の経営者に加え、イノベーションやスタートアップに関わる業務を担っている千葉大や千葉銀行の担当者らも参加。
こうした県を挙げての一大イベントは起業家の心に大きな灯火を与えることになるでしょう。
各自治体の参考になりますね。
というわけで「起業」について2日に渡ってお話しさせていただきました。
予測不能なVUCA時代は、いつ何時自立しなきゃいけない状況に立たされるかもしれません。
全てのビジネスパーソンが一応は起業を横目に眺めておくと、より一層安心して仕事を続けていくことになるのではないでしょうか?
少しでも参考になればと願っております。
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