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教育のはしくれ

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塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
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2022年1月の記事一覧

ブレないように

ブレないように

なにも文章で飯を食っているわけではないが、私はそれなりに、文章を書くことについては経験をもっている。それで、作文の指導をすることがある。
 
背景を詳述はしないが、中三の受験生に、高校受験のための作文指導を突如担当することになった。小学生へ注意した話を同じように中学生にも聞かせることになる。すべてが同じとは言わないが、作文を書くことについての注意点がそう大きく違うわけではない。
 
さすが中三、書

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工作ができない

工作ができない

工作――するのだろうか、今時の小学生。
 
塾で、理科工作をすることがあるのだが、工作がてんでできない。成績上位の子も、どうしてよいか分からないといった事態がしばしばある。十人に一人かそこら、なかなかうまい子がいる。必ずしも学習成績との相関関係はないように見える。
 
昔と比較することは客観的にはできないが、恐らくこれほどではなかった。だからこそ、小学生にこれはできるだろうということで、教務がその

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真摯に

真摯に

進学塾では、小学生も児童とは呼ばず、生徒と呼ぶ。もちろん中学生や高校生は生徒だ。そして、そこで何が行われるかというと、ジャンルとしては教育である。
 
だが同時に、この生徒たちは、お客様でもある。とくに小学生の場合は、その背後に保護者がいるということを常に意識して接することが常識となっている。
 
先日、トラブルがあった。塾が出している通塾バスの到着が遅れ、最初の授業の前半が欠けてしまった生徒がい

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作文指導

作文指導

 いちばん伝えたいものは何か。
 他のすべての言葉は、そのために存在する。
 
気取った板書を、私は小学生たちに示した。中高一貫校を受験する六年生のクラスである。おもに作文の授業を担当している。
 
公立中学でありながら中高一貫とする制度が各地で始まっているが、大人気だ。私立中学並の教育指導を、公立扱いでしてもらえるのである。とくに英語教育は普通の公立中学とは格段に違う。入学試験に必要なのは、やた

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