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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2023年4月の記事一覧

名前を呼ぶ

名前を呼ぶ

新緑が美しい。妻は、目を手術して、こんなに世界は鮮やかだったのか、と感動の毎日を送っている。二度目の新緑も、相変わらず素晴らしいと言って憚らない。緑だけではない。色とりどりの花も、目を癒やしてくれる。この時季は、ほんとうに心躍るように感じる。
 
一つひとつの花に名前がある、というのが、NHK朝のテレビ小説「らんまん」に取り上げられた、牧野富太郎氏の主張であった。
 
牧野植物学の業績は有名であっ

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The Blessing Japan・手話編

The Blessing Japan・手話編

知らなかった。もうずっと前から――コロナ禍となってしばらくした頃から――公開されていたのだ。知らなかったことを恥ずかしく思った。偶然呼び込んで流れたが、感動の嵐に巻き込まれた。手話は、たぶんろう者の方がいて、やはりとびきりだったが、皆さんステキだった。
 
私は、ろうの方からいろいろ教えて戴いたが、地域で同じように教会で教えている手話の「愛」と「恵み」が、どうしても食い違っていた。この動画では、私

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処女降誕について

処女降誕について

本当に処女降誕など、信じているのですか。キリスト者であれば、そう尋ねられたことがある人がいると思う。中には、それに耐えられないのか、それは事実ではない、と世間に与する発言を公にするような信徒もいるだろう。事実だと信じているわけではない。だからそれを、聖書に書いてあることは真実だなどという立場のグループは、どうかしている、そのように言い切る人もいる。引用したイザヤ書の言葉と新約聖書のギリシア語とでは

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授業のたとえ

授業のたとえ

これは学習塾の話である。教師の立場の話である。子どもたちに、受けてよかった、と思われることを語りたいと思っている。言うまでもないが「ウケて」ではない。
 
テキストを解説するのは当然。書いてあることが分かる。もちろん。それを基にして、問われてきた問題に解答することができるようになる。そうありたい。その連続が、入試合格へと導くことになる。それが目的だ。
 
だが、それで終わりなのか。それが目的かもし

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神の存在について

神の存在について

ある論文集的雑誌で、教育関係の発言があった。現場の理不尽さを訴えるような部分があった。その中で、ふと心に留まった言葉があった。そのおよその内容を伝える。
 
マスクをつける子どもたちについて:マスクは、見えないウイルスの存在の証しである。
 
マスクをつけろとと行政や教育の親方は言っていた。今度は、外せとは言わない。外すかどうかは自己責任だ、というのである。現場の教師はどう指導しろというのだろう。

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マタイ受難曲

マタイ受難曲

塾業界に(と大きく出たね)、正月休みというものはない。いや、一応休暇はあるが、ゆっくりできないし、「あけましておめでとうございます」という挨拶はない。その代わり、春休みは一息つかせてもらうことになる。てれっと休みが続く。
 
2023年は、その週が「受難週」だった。殆ど家でごろごろしている毎日なので、教会が連日中継をしてくださったのは、とても嬉しかった。殊に本日は、午後3時に合わせてのひとときが与

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ペトロの失敗の向こうに

ペトロの失敗の向こうに

受難週の祈りの場に招かれたとき、ペトロの否認の場面が開かれた。その後、初代教会の主軸となったペトロからすれば、恥ずかしい話である。だが、それはペトロ自身が、教会で繰り返し説いて話したからこその記事であるのだろう、という紹介があった。今日はそのことについて祈ろうと思う。
 
もちろん推測ではあるが、長老ペトロは、もちろん失敗を誇示するつもりはなく、自分はこんな失敗をやらかした、と痛恨の思いで幾度も語

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受難週の祈り

受難週の祈り

十字架を巡っては、様々に思うことがある。深く感ずるところがない、というのは、キリスト者としてありえないことであろう。
 
年がら年中、十字架のメッセージでもよいくらいだ。だが、福音はそればかり口にしていてよいわけがない。パウロはどちらかというと、そこに焦点を当てていたのであろうが、それはパウロが、イエスの地上生涯とその旅、宣教などについて、直に知るところがなかったことにも関係すると想像される。
 

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説教のような番組テキスト

説教のような番組テキスト

本日3日から放送開始。時折ご紹介している、Eテレの番組「100分de名著」は、私たちを、読み応えのある本へと誘うよい入門となっていると思う。4月は「新約聖書 福音書」であるということから期待していたし、そういう時にはテキストを求めるようにしているので、早速読んでみた。番組はほんのひとかけらのことしか見せないから、講師の考えとその書物についての情報は、テキストからテレビ画面の何倍ももたらしてくれるの

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