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ショートメッセージ

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聖書から日々黙想をしている中で、短いひとまとまりのメッセージを書き留めています。それをおすそわけします。ご面倒ですが、聖書箇所について聖書を開くか、検索してくださると、いっそう身… もっと読む
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#モーセ

イスラエルの民の神となる

イスラエルの民の神となる

申命記4:32-40 
 
イスラエルよ、聞け。モーセの口を通して、改めてイスラエルの本筋となるべきことが告げられます。大いなる種が目を留めた国民もまた、大いなる国民となるのです。しかしそのためには、イスラエルは、主にこそ信を置かねばなりません。偶像は排さなければなりません。その罠に陥る歴史を先取りして警戒するかのように、記述は進みます。
 
ここは、イスラエルの歴史をかつて主がつくってきたことに

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唯一のモーセの詩

唯一のモーセの詩

詩編90:1-7 
 
「神の人モーセの詩」。こんな言葉付せられているのは、この詩だけです。モーセの詩といえば、申命記33章に、イスラエルの各民族へ向けた祝福の言葉が思い起こされます。今回は、まず「祈り」と書かれています。モーセが神へ向けて発した言葉なのです。「わが主よ」から詩は始まり、永遠の神であり、イスラエルの住まいはここにしかないとします。
 
主の業により世界は造られ、いまのように置かれま

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福祉規定

福祉規定

申命記10:12-22 
 
モーセが主より受けた契約の板は、いまや契約の箱に納められ、民は祝福されました。「行きなさい」と命じた主が共にいます。旅は、まだ始まったばかりです。「今」主があなたに求めていることは何か。この問いからこの聖書箇所は始まります。「今」とはいつでしょうか。21世紀でもあるでしょう。そう読まざるを得ません。
 
「私」というのは、ここではモーセのことですが、その「私」が「今日

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あなたがしてくださること

あなたがしてくださること

申命記4:32-40 
 
「主こそ神であり、ほかに神はいないことを知って、心に留めておきなさい」(39)、これに尽きます。凡ゆる説明も勧めも、何もかもがここに集約するからです。創世の期から探し訪ねてみるがいい、というように始まるこの箇所は、大きなスケールで世界を見るように仕向けます。大いなることが起こりました。最大の出来事でした。
 
火の中から語られる神が、ほかにあるだろうか。出エジプトをどれ

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罪を消し去る力

罪を消し去る力

出エジプト17:8-16 
 
アマレクとの戦いで、モーセの手が挙がっていることにより、勝利した。この出来事を聖書は記します。戦う当人はヨシュアをはじめとする兵士たちでした。モーセが神の杖を手にして丘の頂に立つことを聞いて、ヨシュアは勇気づけられて戦ったことでしょう。モーセは、アロンとフルと共に頂に立ち、戦況を見下ろしています。
 
モーセが手を挙げているとイスラエルが優勢になりました。しかしモー

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十戒の板にまつわる声と声

十戒の板にまつわる声と声

出エジプト31:18,32:15-16 
 
ただ十戒の板が与えられただけではありません。主はその場でモーセに語られました。一方的にではありましたが、十戒のエッセンスが何であるかを伝えるべく、具体的な法の事例を、様々な角度から説明したのです。やがて主はそれを語り終えます。声が途絶えたとき、石の板が授けられました。人間の手に、神の言葉が授けられました。
 
主の言葉が声として届かなくなったとき、二枚

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使命を受けた

使命を受けた

出エジプト記4:10-13 
 
さあ、あなたが私に代わって、民に私の意志を語るのだ。突如モーセの前に現れて使命を与えた主が、次々と命じてきます。それも、夢のような筋書きをまくしたてて、イスラエル民族を奴隷エジプトから救い出すという、なんとも都合の好いストーリーをもちかけるのです。だから、モーセよ、語れ、と。
 
神から使命を受けた説教者は、こういうチャレンジを受けるものではないでしょうか。人間の

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永遠不滅の祝福

永遠不滅の祝福

申命記33:1-29 
 
モーセの祝福には違いないのですが、モーセの遺言と呼ぶに相応しい内容となっています。モーセが死に臨んで、イスラエルに向かって述べた、ということになっています。申命記という、少しばかり後の時代の文書とされるものが、イスラエルの各部族の行く末を見ての記述となっている、と受け止めるのが、妥当であると思われます。
 
一つひとつの民族のその後のことを踏まえ、例えばユダについては、

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イスラエルは神の歴史の内にある

イスラエルは神の歴史の内にある

出エジプト15:12-16 
 
葦の海を渡った60万人以上のイスラエル民族は、二つに分かれた海が元に戻ることで呑まれてゆくエジプト軍を見ました。大スペクタクルです。モーセは一躍英雄となりました。否、モーセからすれば、主こそがすべてです。主に向かって賛美します。主の右の手により敵は呑まれていったことを、高らかに歌います。
 
イスラエルの民は救われた。神の愛によって生きるようにされた。ここに、生と

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遺言が神の国へ

遺言が神の国へ

申命記32:45-47 
 
律法のダイジェスト版のような申命記は、モーセが改めてメッセージをまとめたものだということになっています。それがいよいよ締め括られるときが来ました。これより後は、モーセの死へのスケジュールと、祝福の祈りの言葉があるばかりです。つまりは、モーセの死を記録する部分となっているわけです。
 
実質、律法全体のまとめとしての役割を果たす、ここの3節分だけをいま味わうことにします

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いまから従うならば

いまから従うならば

申命記4:1-4 
 
再びモーセの口を通して、イスラエルの歴史と律法が告げられます。うまくまとめたところもありますが、捕囚の情況を反映したものと思われる叙述も見られるように思います。かつてモアブの女たちと交わって、ペオルのバアルに生け贄を献げ、異国の神々を拝んだ事件がありました。そのとき、民の頭を処刑せよ、と主はモーセに命じます。
 
モーセは、ペオルのバアルに従った者を粛清します。このときミデ

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主の顔を見ないように

主の顔を見ないように

出エジプト33:18-23 
 
金の子牛事件で、イスラエルの民の中に分断が生じました。残ったのは、主につく人々でした。そしてイスラエルの民は再出発を図ります。モーセは、必ず主が共にいてください、と強く願います。主はモーセを名指しで選んだ故に、その願いを聞き入れます。そこでモーセが、主の栄光を示してくださいと主に求めたところで、この箇所が始まります。
 
言葉を途切れ途切れとしながらも、主は続けて

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脱出を喜ぶ歌が待っている

脱出を喜ぶ歌が待っている

出エジプト15:6-11 
 
四百年にわたり住み続けたエジプトから、イスラエルの民はついに出て行くことになりました。そうしてこそカナンの地にこの民族が生きるようになったのです。エルサレム神殿が約束の地に建つようになったのです。神の導きであり、そのためにモーセという人物が用いられました。そのモーセによる歌がこれだ、と聖書は記録しています。
 
主は救い。主をほめたたえる。エジプト軍は、葦の海に沈み

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語り聞かせる律法

語り聞かせる律法

申命記31:9-13 
 
モーセが律法を書いています。申命記という舞台は、モーセが確かにこれを書いたことを表明しています。これを七年毎に、人々の前で読み上げなければならない、と言っています。仮庵祭に、イスラエルのすべての人々が主の前に出て来たとき、読み聞かせるべきだというのです。老若男女、子どもも含み、寄留者も共に、そこにいるといいます。
 
対象はイスラエルです。寄留者もその対象に入ります。今

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