シェア
たかぱん
2022年2月25日 12:27
2022年2月末の発行日だから、私はずいぶん早く入手して、ずいぶん早く読み終わったということになる。「音楽家の頭脳を大解剖」とか「天才たちの創造性と超絶技巧の科学」とかいう売り文句は、販売促進の出版社が決めたのではないか、と勝手に想像している。著者はもっとストイックだ。 著者自身、音楽についてのプロであると言ってよい。作曲ができる。また、中に書いてあるが、子どものころから並々ならぬ関心をもって
2022年2月21日 12:07
2022年1月発行。私も、曲がりなりにも子どもたちに勉強をさせようとする仕事に就いている限り、このタイトルは見過ごせない。サブタイトルには「「やる気」と「意欲」のメカニズム」とある。そんなメカニズムが分かっているなら、とっくに世界で知られているだろうという反発心もあったが、そこは著者も、そんなものはない、と結論していたので安心する。当然ではある。人それぞれ、違うのだ。だが、およそどういう脈絡が研究
2022年2月13日 11:41
もちろん、コロナ禍における関心の中から生まれた本であるはずである。だが、それを強調しているところはない。著者は純粋に、日本における民間伝承を、豊富な写真資料から見せたいという思いのようである。民俗学者として、知るところの多くの歴史的産物を、疫病という観点から一覧してくれている。これはありがたい。日本人が疫病に対して古来どのように考えていたかということを、一目で知ることができるからだ。 そもそも
2022年2月9日 11:49
テレビ番組「100分de名著」で、金子みすゞの新たな面をじっくり聞くことができた。改めて味わってみたいと思い、詩集を求めた。やがて、「土」に出会った。 こッつん こッつん打(ぶ)たれる土はよい畠になってよい麦生むよ。 朝から晩まで踏まれる土はよい路(みち)になって車を通すよ。 詩はこれが半分であることは、後半がうっすら目に映るから分かる。私はここで目を上げて、後半を
2022年2月7日 11:45
2021年の晩秋に発行。9年ぶりのエッセイ集だという。様々な場所で書いてきたものを集めているが、八分の三ほどは、神戸新聞の連載である。 感じたのは、思いのほか読むのに時間がかかるということ。もっと気楽に、すいすいと読めるものかと思っていたが、心にささくれ立つように、読むスピードにブレーキをかけてくるのだ。文章が読みにくいということはない。むしろ読みやすい。そうだそうだ、などと思いつつ、わくわく