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tarosufp:自作小説

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自作小説「夜の占い師tarosu」 占いの時のエピソードをベースに、小説風に仕上げてます。
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#短編小説

夜の目薬屋

夜の目薬屋

昨日から身体の調子が悪かった。
スマートフォンを見る目がとても重い。
きっと激務のせいだ。

自分の肩をセルフマッサージでほぐしてみるが、今日はなかなかほぐれない。
かと言って、マッサージに行くには気が引ける。
それでも、取り急ぎは目を癒す必要がある。

夕闇に染まらない雨の中、私は近くにある薬局を探すことにした。
街の夜はネオンライトが眩しい。
見える景色は朧げな色に囲まれている。
眼がそうさせ

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彼女のカミングアウト

彼女のカミングアウト

夜の公園。僕はブランコに座っている彼女を見ながら、
「好きです。僕と付き合って欲しい」
僕は精一杯の思いを彼女にぶつけた。

彼女は少し僕を見て驚き、それまでの笑顔が消えた。
そして、黙ってしまった。
僕に視線を合わそうとしない彼女は、とても悲しそうな顔をしている。

彼女は、僕に視線を合わすことなく、
「ごめん、他に好きな人居るんよ」
そう言って、僕の想いを断ち切った。

「そっか。そうだと思っ

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