田中庭園

田中庭園

最近の記事

離れます

タイトルの通りです、2020年の後半の時期に、この場所に、この場所を運営する人に、いろいろなことが起こりましたね。細かく書く必要はないと思うけれど、とにかく、noteという場所にいろいろの記録を積み上げていくのはやめようかな、と思ってしまいました。 来年から栄養士の学校にいくこともあり、ちゃんと記録を、自分の経験の記録を残す場所を作るべく、生まれてはじめてサーバーをレンタルし、wordpressでブログを立ち上げました。noteを離れようと決めてからだいぶ経ってしまったな。

    • ゆるやかに菜食主体になっていこうと思った話

      肉が好きだ。肉を焼くのも好きだ。熱くした鉄の上で、血と脂の匂いが香ばしく甘く変わってゆくのをかぎ分け、組織の縮んでいくのや、表面の焼き色を観察し、油の気泡の大きさに目を留め、指で押して、そういったあらゆるすべてで焼き具合を確かめる。すこし休ませてから包丁を入れると、目でもその断面のやわらかさ、なめらかさを感じ取れる。今すぐひときれ口にすべり込ませたくなる気持ちを抑えながら、思った通りに火が入っているのに喜ぶ。付け合わせと一緒に皿に盛って食卓へ運ぶ。口に入れると焼き固められた表

      • 2020.05.19 まっすぐな雨の降る日

        昨晩から降っている雨は、風に吹かれていなくて上から下までまっすぐ落ちているような音だった。めずらしく思って窓を開けたまま寝たら、夢にまで雨の音が流れ続け、ほんとうに寝たんだったか起きて聞いていたのかわからなくなった。 自宅勤務が3ヶ月目に入って、急に体のどこもかしこもが緩んでいるように思い始める。全身鏡にうつせば元のままの腰や脚がみえるが、じかに手で触ると気づくようなやわらかさが気になって仕方がない。そうして肉は緩んでいるのに、骨は縮こまっている。後ろで手を組むと、その腕の

        • 2020.05.06 果物から泡が出ていた日

          果物をその食べ頃のうちに食べ終えることができない。ここ最近、台所にもらいもののりんごを3つ置いたまま、食べる機会を失い続けて今日になった。普段できないことは在宅が続いたってできないことを思い知る。 とにかくうちではりんごが静かに食べ頃を失っていたのだが、今日、いきなりりんごが静かではなくなった。台所でりんごの匂いが濃くなり、あらためてみるとりんごが裂けている。たてにはいった亀裂の一番上から、じむじむと音を立てながら泡が出ていて、亀裂の一番下から、果汁がたれている。見ている間

        離れます

          2020.05.05 雨が夏の匂いだった日

          休みが続くと、しぜん朝起きて最初に考えるのはその日1日の食事のことになる。今朝、冷たい布団をかきよせながら考えていたのは砂肝のコンフィのことで、先日作ったのが思ったより量があって、一昨日も昨日もそのまま焼いて食べたから今日は何か別の味にしよう、新じゃがいもがあるからそれとガラムマサラで炒めるというのはどうだろう、うん、素敵かもしれない、そうしたらほかのおかずも全体にインドっぽい雰囲気にして、お米も炊いて、だったら昼はパスタかな、最後にスーパーへ行った時に明太子を買ったな、昨日

          2020.05.05 雨が夏の匂いだった日

          2020.05.04 涼しい音楽の流れる日

          昼ごはんを食べて、それからつめたいビールを飲む。グレープフルーツの薄皮と、大葉の茎を混ぜたような印象の、うすく濁ったきいろっぽいビール。開けている窓から、雨あがりの潤んだ空気と、鳥の鳴き声と、植物の綿毛が吹き込んでくる。窓辺に置いてあるオリーブの鉢植えをじっと眺めていると、あたらしい葉がぜんぶ窓の方を向いていることに気づく。 こうなってくるともう、なにもしたくないねえ、ほんとうにねえ、という会話をしながら、夫が音楽をかけてくれる。さらさらの涼しい空気にとてもよく合うジャズだ

          2020.05.04 涼しい音楽の流れる日

          2020.05.03 とても静かで風の強い日

          スーパーで、見切り品の棚にパセリの大袋があって、丁寧に「野菜見切り品 100円」というラベルが貼られていたので、思わずつかんでパンや卵や肉やなんかと一緒に買って帰ってきた。ぐるぐるにラップで巻かれているのでとりあえずすべて外してみるが、まあどれだけ圧し潰されていたのと思うくらい手の中で膨らむ。それをもう一度野菜室に戻すべく袋につめ直すことも憚られ、グラスに活けてみる。ほぼ森だ。顔を近づけると、みどりとしか形容しようのないにおいがちぢれた葉のすべてのすきまに詰まっているのがわか

          2020.05.03 とても静かで風の強い日

          20190428

          風はあるものの快晴なので、シーツを洗濯する。布の揺れている間から青い空が見えてきもちがいい。ここ数ヶ月外に干せなかった分、とてもうれしい。 買ってからこちらずっと室内にいたオリーブの木もベランダに出して、しばらくシーツの下で一緒にじっとする。 夕方ごろ、バスに乗って街へ出る。街といっても気負わずに出かけられる規模なのがとてもたすかる。図書館へ直行。予約の本を受け取るだけのつもりだったが、時間はあるのだと思い直し、文学の棚の前をじっくり歩き、結局、六冊を借りだす。その足でさら

          20190427

          バスを逃したので駅まで歩く。途中、なんどもつつじや木香薔薇のこぼれ咲いているのを目にする。この季節の花は、なんというか、海に似ている咲き方をする。 医者にかかるため、定期的に吉祥寺へ帰る。地元だというのに、地元だからこそ、帰るたびに昼食の場所に困っていて、今回ははじめて入るカレー屋でマサラカレーを頼んだけれど、あまりの塩からさに閉口した。口の中のあちこちから出てくるホールスパイスを噛み砕きながら帰宅する。 仕事をやめた心の軽さで、使いかけの食材をどうにかする気力が取り戻さ

          20190426

          平成最後の平日に職を辞した。 働くのも辞めるのもしんどかったが、ともあれ解放された。 帰宅してすぐ、米と出汁の用意をしてからシャワーを浴び、髪もろくに乾かさないまま、布団へ潜ってじっとしていた。怒鳴る顔が思い出されて、眠ることはできなかったけれど、ひとまず、安全な場所にいることだけは確かだった。 長めのまばたきを繰り返しているうちに夫が帰ってきた。起き出して、夕飯の支度を始める。 鮭缶ときのこの炊き込みご飯 洗って水気を切ってある米に、鮭缶の油を数滴、醤油、酒と水を合わせ

          20190203

          前日が休日出勤だったので、休みを満喫したくて布団を干したり掃除をしたり映画を見たり本を読んだり果てにはパスタをこねることにした。 細川亜衣さんの本を参考に、家にあるものだけで作れる&ラグーによくからむショートパスタを選ぶ。三本指カバティエッディ。名前がかわいい。カバディカバディ。 冷蔵庫に、数日前に仕込んだ豚肩ロースの塩漬けがある。それと棺桶に片足突っ込んでしまっているいんげん。これを使うつもりで。 パスタをこねる。 強力粉と水を、2:1の分量で用意する。ボウルに粉を入

          20190113

          読んだ本に「トマト納豆鍋」というのがあって、なんだそりゃと思いつつおいしいに決まっているとも思い、冷蔵庫の中身をぐるりと思い起こせば材料も揃っている、というわけでさっそく作った。 ---------- ねぎ、にんにく、生姜を、それぞれ同量みじん切りにする。トマトはミニトマトなら半分に。 豚ばらは食べやすい大きさに切っておく。 鍋にごま油を温め、香味野菜3種を炒める。いい香りがしてきたら豚肉をあわせ、全体に火が通ったら塩と酒をふる。納豆をそのままくわえ、粘り気がなくなるまで

          20190112

          家にいるのが好きで日がな一日ずっと家にいると、気づけば陽が落ちており、そうなるともうゆるぎない寒さが窓の外で構えているのがわかるのでよけい、買い物のために外出する気がうせる。と、いうのをほぼ毎日繰り返している。 そういうわけでこの日も家にあるものだけで献立した。 ---------- 春菊とみかんにチリオイルをかけたサラダ 椎茸とれんこんのにんにくローズマリー味 鮭と里芋のグラタン・ドフィノワ風 オニオンスープ、カンパーニュ 里芋の皮をむき、1cmほどの厚さにスライス

          20181227

          夫がいない日の食べ物、ほぼ野菜という時が多い。あまりそのような思想はないけれど、野菜だけで過ごすのも体がさっぱりとするのでたまにはわるくない。 ---------- スナップえんどうは掃除して洗っておく。 鍋に湯をわかし、オリーブオイルを垂らしてからスナップえんどうを茹でる。塩はいれない。色が変わってからも長めにゆで、「シャキ」よりは「さく」という食感をめざす。ざるにあげて(ゆでた湯はとっておく)水気がきれたら皿に盛り、パルメザンチーズと粗く挽いた黒胡椒をたっぷり、フレー

          20181226

          クリスマスに乾燥ポルチーニ茸を使った時の戻し汁をとっておいたので、それをミルクスープに。 ---------- 里芋はひと口大、ねぎは2cmほどの長さに切りそろえる。 ポルチーニの戻し汁はキッチンペーパーなどで濾す。 鍋に、里芋、戻し汁、水、コンソメひとつまみをあわせ、火にかける。沸騰したら火を弱めてねぎを入れる。 ねぎに火が通ったら、牛乳をくわえて温め、塩で味を整える。黒胡椒を挽きかけていただく。 ---------- 牛乳を合わせるとバターのような香りになる。里芋

          20181225

          前日がパーティだったので、すっきりしたクリスマスディナーとした。 ---------- にんじんは千切りにする。明太子は包丁の背を使って中身をしごき出し、皮は自分か誰かの口に放り込む。 フライパンにごま油を温め、人参を炒める。しんなりしてきたら明太子をくわえ、全体にゆきとどくよう炒めあわせる。色が変わってきたところでみりんと醤油1:1を、香りづけ程度にいれてまぜ、水分が飛んだらできあがり。 ---------- ローストチキンのガラは、パーティの夜に洗って一度茹でこぼ